最近わたしの周りで不気味なことが起きるんです。だから護っていただけませんか……? と、妹が姉の婚約者に言い寄った結果

柚木ゆず

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第7話 あれ……? ニノン視点(1)

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「ふっふっふ~。よく頑張ったね、ニノンっ」

 滝に打たれてから6時間くらい経った、午後7時過ぎ。焚火で体を温めたり関係者全員にお礼を伝えたり、下山中に疲労で転んだり野生のサルに木の実をぶつけられたり。あのあとも様々なことを体験したわたしはようやく自分の部屋に帰ってこれて、サンティラス様を招待する準備を整えていた。
 今日の御招待は、ありがとうのご招待。自分でやっておいた方がポイントが高くなるから、全部わたしが行うのですっ。

「わたしらしい可愛いテーブルとイスを用意して……。わたしが淹れた紅茶と人気店の焼き菓子も用意して…………うんっ、完璧っ」

 レイアウト100点満点。今はすっかり悪臭なしで、部屋の雰囲気も100点満点。そんなパーフェクトな場所に美少女がいて、最高の時間を過ごすんだもん。
 傾かないワケが、ないよね。

「まずは『あれ? ニノンはこんなに可愛かったのか?』ってなって、また2人きりで会いたくなって……。2度目で、『知らなかった、ニノンがこんなも魅力的だったなんて……っ』になっちゃう」

 だから3度目4度目もあって、その頃にはすっかりわたしの虜っ。お姉ちゃんよりもわたしを選びたくなってて、やがて婚約者はわたしになるっ。
 絶対に、こうなっちゃうよね……っ。

「不味かったり、臭かったり、冷たかったり。どっさり辛いことがあったけど、まーいっか。最後がハッピーなら、それでいいよねっ」

 わたしはコクンと頷いて傍の椅子に座り、サンティラス様が来てくれるのを待つ。今はお父様とお母様が改めてお礼をお伝えしてて、そんなお話が終わればノックしてくれるようになってるんだよね~。

「まだかな? まだかなぁ?」

 わくわく、そわそわしながら、大好きな人を待つ。
 優しくて大人びた顔が素敵な、サンティラス様。
 その姿を浮かべてニコニコしていたら、コンコンコン。ノックの音が聞こえてきたっ。

「はいっ。今開けますっ!」

 なのでわたしは可愛い返事をして、小動物モードでがちゃりとドアを開ける。そうしたら――

「あれ……?」

 ――そこには、誰もいない。
 え? 今、ノック、されたよね……?

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