妹の様子が、突然おかしくなりました

柚木ゆず

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第5話 昨日の出来事その1~妹達が急変した理由~ ロレッタ&俯瞰視点(2)

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「な、なにこれ……。なんで、こんなものが……? なんのために――ひぃぃ!?」

 詰め込まれていた毛髪を見つめていたら、更に恐ろしいことを知ってしまった。
 この髪の毛たちには、一つ一つに細めの紙が巻き付けられていて……。そこには…………。そこには…………っ。

《ロレッタの髪の毛 6月7日入手 廊下での会話後に、抜けているものを採取》
《ロレッタの髪の毛 6月8日入手 階段を移動中に抜け落ち、採取》

 こういったものが記されていて……。
 しかも、あるのは髪の毛だけじゃなくって…………。

《ロレッタのまつげ 6月9日入手 カフェテリアのテーブルにて発見、採取》

 こんなものまで、保管されていた…………。

「9日……カフェテリア……。昨日ジョシュア様がポケットに入れていたのは、コレだった……」

 わたしのまつげを、黙って採っていた。そんなコトを知られたら、大変なコトになるから……。焦っていたんだ…………。

「ど、どうして……? なんでなの……? どうしてこんなものを集めてるの……?」

 その理由は、すぐに知ってしまう。
 全然気づかなかったけど……。ケースには…………。

《僕の宝物》

 って書かれていたの……。

「僕の宝物…………。これ、見覚えがる……」

 あれは、5日前。わたし達の距離がググっと縮まった、その日だった。ジョシュア様は学院内にあるゴミ箱に、そう書いてあるケースを捨てていた。『苦労をして集めたけれど、ロレッタがいるからもう要らないね』と言いながら。

「わたしを好きになり始めてお姉様への未練がなくなって、思い出のものを捨てたと思ったけど……。違う……。ううんっ、違わないけど違う…………」

 あれは物じゃなくて、きっとそれも髪の毛やまつげ。
 だってあの時は意識してなかったけどっ、『苦労して集めた』って言ってたんだもんっっ。中身は、この箱と一緒……。

「…………全然、知らなかった…………。ジョシュア様には、好きになった人の『毛』を集める性癖があるんだ……っ」

 手足が氷みたいに冷たくなって、勝手に全身が震え始める。
 髪やまつげをコッソリ集めてしっかり記録して、宝物って大切にする。そんなの嬉しいはずがない! 怖いっ! 怖すぎるっ!

「こ、こここここんな人と一緒にいたらっ、絶対大変なことになるっ。だから急いで――」
「だから急いで? ロレッタ、なにを言ってるんだい?」
「――ぎやああああああああああああああああああああああ!!」

 いつの間にジョシュア様が戻れていて、ニコニコしながら顔を覗き込んできた。
 あ、危なかった。肝心な部分は聞かれていなかったようだし、気持ち悪くてケースを閉じてたから気付かれずに済んだ。

((よかった……っ。聞こえてないなら、不自然には映らないよね。急いで縁を切らないとっ!))


 〇〇〇


 そうして、距離を取ろうと試みるロレッタでしたが――

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