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第5話 5人目の悪(2)
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「随分と楽しそうでしたね。どのような事をお考えだったのですか?」
「なあっ!? どうしてお前がここにいる!?」
解錠して校長室に入ると、問いかけに対し問いかけが返ってきました。
まずは尋ねられた内容に答えてから尋ねるべきなのですが、こちらも無断で侵入するなどマナー違反を犯しています。今日は特別に、私が折れましょう。
「ミレヤ校長も、破棄の件に一枚噛んでいると発覚しました。ですのでその証拠を押さえるために、こうしてお邪魔したのですよ」
「わ、儂の行動を、知っている、だと……!? なぜだ!! なぜ貴様が把握できている!?」
「大勢の前で婚約を破棄された日から一週間、アルベール様の周辺を細かく調べていました。そうしたら、ミレヤ校長と接触していた。接触していたからマークをしていた。マークをしていたから、何もかもを把握している。こういうことですね」
アルベール様はそこそこ用意周到で、『私を自殺に追い込む』『私達家族を追放する』という二種類のエンディング――口封じを、同時に実行していました。
私だけではなく、両親も巻き込むなんて。この点に少々ムカッとしてしまい、徹底的にやってしまった、というわけですね。
「ミレヤ校長は奥様と上手くいっていないようで、出来る限り帰りは遅くしていた――校舎に一人残って、私を陥れる書類を作成していました。ですのでソレが完成する今夜を決行の時として、資料および賄賂による買収の証拠を頂きに参りました」
この方もそれなりに慎重で、重要書類は常に肌身離さず持ち歩いていました。そのためコッソリ頂くことができず、こうするしかなかったのです。
夜分の外出はお父様とお母様が心配しますが、今回はしょうがありません。
「私はできる限り早く帰宅し、両親を安心させたいのです。速やかに渡していただけますか?」
「…………断る。お前の手に渡ったら、全てがおじゃん。薔薇色の未来が、台無しになってしまうからな!!」
ミレヤ校長は鞄に書類を放り込み、重要書類一式を抱きかかえました。
そこにあるのは、素敵な未来への道しるべですもんね。お年を召した校長は『逃走』を選択し、緊急避難用のはしごを使って窓から降りようとしています。
「このままアルベール様のもとに逃げ込めば、証拠は手に入れられなくなるっ。詰めが甘かったな、リコ・フェリア!!」
「あ、ミレヤ校長。そこから脱出するのは、危険ですよ」
「はははっ、はははははっ! 打つ手がないようだなっ! そんな間抜けな言葉しか出てこないなんて――」
「いえ、そうではありません。もうそろそろ、アレが効く頃なんですよ」
私が首を振った、その直後でした。窓に手をかけていた校長の動きが止まり、へなへなと座り込んでしまいました。
「なあっ!? どうしてお前がここにいる!?」
解錠して校長室に入ると、問いかけに対し問いかけが返ってきました。
まずは尋ねられた内容に答えてから尋ねるべきなのですが、こちらも無断で侵入するなどマナー違反を犯しています。今日は特別に、私が折れましょう。
「ミレヤ校長も、破棄の件に一枚噛んでいると発覚しました。ですのでその証拠を押さえるために、こうしてお邪魔したのですよ」
「わ、儂の行動を、知っている、だと……!? なぜだ!! なぜ貴様が把握できている!?」
「大勢の前で婚約を破棄された日から一週間、アルベール様の周辺を細かく調べていました。そうしたら、ミレヤ校長と接触していた。接触していたからマークをしていた。マークをしていたから、何もかもを把握している。こういうことですね」
アルベール様はそこそこ用意周到で、『私を自殺に追い込む』『私達家族を追放する』という二種類のエンディング――口封じを、同時に実行していました。
私だけではなく、両親も巻き込むなんて。この点に少々ムカッとしてしまい、徹底的にやってしまった、というわけですね。
「ミレヤ校長は奥様と上手くいっていないようで、出来る限り帰りは遅くしていた――校舎に一人残って、私を陥れる書類を作成していました。ですのでソレが完成する今夜を決行の時として、資料および賄賂による買収の証拠を頂きに参りました」
この方もそれなりに慎重で、重要書類は常に肌身離さず持ち歩いていました。そのためコッソリ頂くことができず、こうするしかなかったのです。
夜分の外出はお父様とお母様が心配しますが、今回はしょうがありません。
「私はできる限り早く帰宅し、両親を安心させたいのです。速やかに渡していただけますか?」
「…………断る。お前の手に渡ったら、全てがおじゃん。薔薇色の未来が、台無しになってしまうからな!!」
ミレヤ校長は鞄に書類を放り込み、重要書類一式を抱きかかえました。
そこにあるのは、素敵な未来への道しるべですもんね。お年を召した校長は『逃走』を選択し、緊急避難用のはしごを使って窓から降りようとしています。
「このままアルベール様のもとに逃げ込めば、証拠は手に入れられなくなるっ。詰めが甘かったな、リコ・フェリア!!」
「あ、ミレヤ校長。そこから脱出するのは、危険ですよ」
「はははっ、はははははっ! 打つ手がないようだなっ! そんな間抜けな言葉しか出てこないなんて――」
「いえ、そうではありません。もうそろそろ、アレが効く頃なんですよ」
私が首を振った、その直後でした。窓に手をかけていた校長の動きが止まり、へなへなと座り込んでしまいました。
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