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第2話 駒を操って、婚約破棄作戦スタート! マリィ視点(3)
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「……………………思った通りだ。これは、ジュリエットの筆跡ではない。不気味な程に――人間の限界を超えていると言える程に、ジュリエットの筆跡に近づけ再現したものだ」
2分ばかり凝視をしていたテオ様は、小さく頷き断言した。
は? はあ!? この人何を言ってますの!?
「お姉様の手紙が、偽物!? てっ、テオ様! ここに鑑定書があるんですわよ!?」
「スロス様、こちらの鑑定書は偽装ではありません。ワタシは正規の方法で申し込み、客観的に判断されています」
「そうだな、それは鑑定書を見れば分かる。どうやらこの証明書を発行した鑑定士殿も、見分けられなかったようだ」
彼は大きく息を吐き、「とはいえ、それは仕方がない」「99・9%は一致しているのだからな」と続けた。
「彼女から何度も手紙を貰い何度も読んでいたおかげで、違和を感じ取れた。ここにある文章および文字はジュリエットの特徴や癖が完璧に出ているが、ほんの僅かに筆圧と筆勢が違っている。ジュリエットのソレには柔らかさがあるのに対し、この文字達は激しさが…………乱暴な、醜い攻撃的な色があるんだよ。この文章を偽装した者は、相当に性根が腐っているらしい」
っっ! っっっ!! なんですって!? 性根が腐ってるですって!?
ムカつきますわ! 今すぐ文句を言いたい、けど……。そうしたら、わたくしが犯人だとバレてしまうから……。
((すー、はー。すー、はー。すー、はー。すー、はー。すー。はー))
心で深呼吸をして、我慢。どうにか怒りを抑え込んだ。
「す、スロス様、それは強引すぎます。支離滅裂と言っても過言ではありません。ジュリエット様を信じたい気持ちは分かりますが、いくらなんでも――」
「でしたら、この国で最も腕の立つ鑑定士・アイザック様に依頼をしてみましょう。あの方はどんな差異でも見抜けてしまうと有名ですので、テオ様の思い込みか否かがハッキリ致しますわ」
落ち着きを取り戻したおかげで妙案が浮かんできて、わたくしは即座に実行をする。
0・1%を見抜くなんて、本来は有り得ない芸当。その道の達人を以てしても不可能なもの。ですからアイザック様でも、見抜けない。
最上級鑑定士の判断は、絶対ですからね。この形で潰しましょう。
「おりしもその方は、この周辺にいらっしゃいますわ。参加者の皆様も、それがよいと思いませんか?」
『そうですな、マリィ嬢。そうすれば一目瞭然だ』
『『『このままでは判断できませんものね。わたし達も賛成ですわ』』』
「ではその脅迫状は第三者であるわたしが預かり、大至急依頼をしようじゃないか。その際には、比較する材料が要る。テオ殿、ジュリエット殿の手書きの文はお持ちかな?」
「ええ、持ち合わせております。複数持参してまいりますので、今しばらくお待ちくださいませ」
そうしてテオ様が実家から直筆の手紙を持ってきて、今度はダンディーなオジサマ――主催者であるランティズ侯爵が、従者と共に馬車で出発。直々に、確認に向かわれた。
((ふふふ。ふふふふふふふふふ))
作戦、成功。予想外のトラブルがありましたけれど、これでお姉様は終わりですわ……!
〇〇〇
「ランティズ様、大変な事になりましたね。……ところで、そちらの手紙は……?」
「出発前に、テオ殿から頼まれたのだよ。アイザック殿に見せて欲しいとな」
2分ばかり凝視をしていたテオ様は、小さく頷き断言した。
は? はあ!? この人何を言ってますの!?
「お姉様の手紙が、偽物!? てっ、テオ様! ここに鑑定書があるんですわよ!?」
「スロス様、こちらの鑑定書は偽装ではありません。ワタシは正規の方法で申し込み、客観的に判断されています」
「そうだな、それは鑑定書を見れば分かる。どうやらこの証明書を発行した鑑定士殿も、見分けられなかったようだ」
彼は大きく息を吐き、「とはいえ、それは仕方がない」「99・9%は一致しているのだからな」と続けた。
「彼女から何度も手紙を貰い何度も読んでいたおかげで、違和を感じ取れた。ここにある文章および文字はジュリエットの特徴や癖が完璧に出ているが、ほんの僅かに筆圧と筆勢が違っている。ジュリエットのソレには柔らかさがあるのに対し、この文字達は激しさが…………乱暴な、醜い攻撃的な色があるんだよ。この文章を偽装した者は、相当に性根が腐っているらしい」
っっ! っっっ!! なんですって!? 性根が腐ってるですって!?
ムカつきますわ! 今すぐ文句を言いたい、けど……。そうしたら、わたくしが犯人だとバレてしまうから……。
((すー、はー。すー、はー。すー、はー。すー、はー。すー。はー))
心で深呼吸をして、我慢。どうにか怒りを抑え込んだ。
「す、スロス様、それは強引すぎます。支離滅裂と言っても過言ではありません。ジュリエット様を信じたい気持ちは分かりますが、いくらなんでも――」
「でしたら、この国で最も腕の立つ鑑定士・アイザック様に依頼をしてみましょう。あの方はどんな差異でも見抜けてしまうと有名ですので、テオ様の思い込みか否かがハッキリ致しますわ」
落ち着きを取り戻したおかげで妙案が浮かんできて、わたくしは即座に実行をする。
0・1%を見抜くなんて、本来は有り得ない芸当。その道の達人を以てしても不可能なもの。ですからアイザック様でも、見抜けない。
最上級鑑定士の判断は、絶対ですからね。この形で潰しましょう。
「おりしもその方は、この周辺にいらっしゃいますわ。参加者の皆様も、それがよいと思いませんか?」
『そうですな、マリィ嬢。そうすれば一目瞭然だ』
『『『このままでは判断できませんものね。わたし達も賛成ですわ』』』
「ではその脅迫状は第三者であるわたしが預かり、大至急依頼をしようじゃないか。その際には、比較する材料が要る。テオ殿、ジュリエット殿の手書きの文はお持ちかな?」
「ええ、持ち合わせております。複数持参してまいりますので、今しばらくお待ちくださいませ」
そうしてテオ様が実家から直筆の手紙を持ってきて、今度はダンディーなオジサマ――主催者であるランティズ侯爵が、従者と共に馬車で出発。直々に、確認に向かわれた。
((ふふふ。ふふふふふふふふふ))
作戦、成功。予想外のトラブルがありましたけれど、これでお姉様は終わりですわ……!
〇〇〇
「ランティズ様、大変な事になりましたね。……ところで、そちらの手紙は……?」
「出発前に、テオ殿から頼まれたのだよ。アイザック殿に見せて欲しいとな」
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