お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

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第6話 理由 マルグリット視点(2)

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「なっ、なによ! なに笑ってるのよ!? なんで噴き出してるのよ!?」
「理由? 僕がこんな風になっているのは、君がおかしなことを言い始めたからだよ」

 困惑しながら睨みつけると、クロードはますますワケが分からなくなることを言い出した。
 おかしい? わたしが言っていることが?

「どこがおかしいのよ!? 言っておくけど本気よ!? ティナは実の妹、そんなの関係ないわ! 必要なら平気で刺せるし殺せるのよ!!」
「それは、重々理解している。君――君達の性質でありティナへの認識は、ちゃんと把握しているよ」
「だったらなにがおかしいのよ!! どこがおかし――分かったわ! このナイフは偽物と思ってるんでしょ! 言っておくけど本物よ!!」
「そこも、理解している。ソレに人を殺めるだけの力があるとも、把握できているよ」

 こっちも、分かってる? じゃあ、なんなのよ!? なぜコイツはあんな風に噴き出したの……!?

「もしや……。我々を、油断させようとしているのか……?」
「! この隙に臣下に包囲させている!? わたくし達の背後に回られている!?」
「それも、ハズレ。僕は臣下を包囲させてはいないよ」

 よくよく考えてみたら後方を含め周囲は開けていて、わたし達に気付かれずに近づくなんてできはしない。だから、これも事実……。

「…………クロード、なにを考えてるの……!? いい加減言いなさいよ!! 勿体ぶらずに教えなさいよ!!」
「そうだね、そろそろ教えあげようか。じゃあ――マルグリット、レオンス、クリスタ。こちらにご注目だ」
「「「こちら……? ???」」」

 動き出したクロードの人差し指を目で追いかけていくと、指はラファオール家の馬車で止まった。
 コイツが指しているのは、車の出入り口。それが、なに……?

「「「??? ???」」」
「ごめん、随分待たせてしまったね。出てきてもらっていいよ」

 疑問符だらけになっているとクロードが大きめの声を上げ、それを合図にして扉がゆっくりと開いた。そしてその扉が完全に開くと、そこから――

「いえ。全然待ってはおりませんよ、クロード様」

 ――!?
 そこから、出てきたのは……。出てきたのは…………。

 ティナ、だった……。

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