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第10話 カジノ レオナルド視点(4)
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「ぐあっ!? なっ、なにをする!?」
後ろから声がした。そう思った瞬間床に組み伏せられ、屈強な大男によって後ろ手に拘束されてしまった!
「当カジノへのいわれなき暴言、台の破壊およびディーラーへの暴力は、強く禁止されている行為となっております。したがってハウスルールに則り、お客様の身を一時的に拘束させていただきました」
ハウスルールっ、思い出した! そういえばココに入る時そんなことを言っていた!
「お客様にはルールに従い、罪(ざい)に問うことはありませんが――先の行動に対する請求を行わせていただきます。まずは治安機関に通報後改めて拘束していただき、所在地に送還させていただいたあと、その場で全額をお支払い――そちらが不可能となった場合は、その金額の『物』をいただくこととなります」
「ふっ、ふざけるな! 俺があんなことをしたのはお前らがイカサマをしたからだ! 治安機関を呼びたければ呼ぶがいい! イカサマをバラされてもいいならな!!」
「ええ、呼ばせていただきます。わたくしどもに、後ろめたいものはなにもございませんゆえ」
……え?
なんだって……?
「当カジノは、王家の承認を受けたクリーンなものとなっております。王家の名を使用させていただくからには、常にクリーンでなければなりません。当カジノの恥は、王家の――国の恥となってしまいますゆえ」
「……………………」
「したがってディーラーを含めたカジノ全体が、常時第三者によって監視されております。それ故に仮に不正を行う意思があったとしても、行うことなどできないのでございます。絶対に」
そ、そんな……。
じゃあ……。
「じゃあ、俺が負け続けたのは……。運が、なかった、から……?」
「さようでございます。そちらが真実となります」
…………。
なら、俺は……。俺がやったことは、正当化されない……。
「すっ、すまない! 反省している! 悪かった! 許してくれ!! せっ、請求だけはやめてくれ! ただでさえ大変で――そうだ! 大変なんだ!! ああああああああああああああああああああああああああああああ!! 1000万がぁあああ! 1000万がぁあああああああああああああ――」
「どのような事情も弁明も、考慮は出来かねます。お諦めくださいませ」
今はそれどころじゃないのに……。
俺は、駆け付けた治安局員に取り押さえられ……。
手錠をはめられた状態で馬車に乗せられ、やがて自国への強制送還が始まって――
後ろから声がした。そう思った瞬間床に組み伏せられ、屈強な大男によって後ろ手に拘束されてしまった!
「当カジノへのいわれなき暴言、台の破壊およびディーラーへの暴力は、強く禁止されている行為となっております。したがってハウスルールに則り、お客様の身を一時的に拘束させていただきました」
ハウスルールっ、思い出した! そういえばココに入る時そんなことを言っていた!
「お客様にはルールに従い、罪(ざい)に問うことはありませんが――先の行動に対する請求を行わせていただきます。まずは治安機関に通報後改めて拘束していただき、所在地に送還させていただいたあと、その場で全額をお支払い――そちらが不可能となった場合は、その金額の『物』をいただくこととなります」
「ふっ、ふざけるな! 俺があんなことをしたのはお前らがイカサマをしたからだ! 治安機関を呼びたければ呼ぶがいい! イカサマをバラされてもいいならな!!」
「ええ、呼ばせていただきます。わたくしどもに、後ろめたいものはなにもございませんゆえ」
……え?
なんだって……?
「当カジノは、王家の承認を受けたクリーンなものとなっております。王家の名を使用させていただくからには、常にクリーンでなければなりません。当カジノの恥は、王家の――国の恥となってしまいますゆえ」
「……………………」
「したがってディーラーを含めたカジノ全体が、常時第三者によって監視されております。それ故に仮に不正を行う意思があったとしても、行うことなどできないのでございます。絶対に」
そ、そんな……。
じゃあ……。
「じゃあ、俺が負け続けたのは……。運が、なかった、から……?」
「さようでございます。そちらが真実となります」
…………。
なら、俺は……。俺がやったことは、正当化されない……。
「すっ、すまない! 反省している! 悪かった! 許してくれ!! せっ、請求だけはやめてくれ! ただでさえ大変で――そうだ! 大変なんだ!! ああああああああああああああああああああああああああああああ!! 1000万がぁあああ! 1000万がぁあああああああああああああ――」
「どのような事情も弁明も、考慮は出来かねます。お諦めくださいませ」
今はそれどころじゃないのに……。
俺は、駆け付けた治安局員に取り押さえられ……。
手錠をはめられた状態で馬車に乗せられ、やがて自国への強制送還が始まって――
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