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第9話 2つの情報 レティシア視点(2)

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「――おじさん、おばさん、レティシア。ここからは反撃の時。これが、セルジュ達の悪事を明るみにする作戦です」

 白い犬歯を零されていた、オディロオンお兄様。お父様、お母様、私の視線を受けていたお兄様は、そちらをスラスラと説明をしてくださりました。

「こうしておけば、全員を仕留められると考えています。いかがでしょうか?」
「…………完璧。そう断言できるものですな……!」
「ええ、あなた。オディロンさんのソレは、一分(いちぶ)の隙もないと感じるわ……っ」
「全貌を掴めてから、まだ少ししか経っていないのに……。すごいです……。お兄様、なぜこのような作戦が頭におありなのですか?」
「協力者と相手、その目的や関係性、本心、行動内容を把握できた。これだけ分かれば、楽に組み立てられるんだよ」

 今夜の出来事。これまでの出来事。それらが情報として手元にあるため、こんなにも速く練ることができたようです。

「それにアイツらの作戦は、発覚しない、が大前提になっている。だから発覚してしまえば酷く脆い。今までの自分達の行動は『毒』となって、こちらの武器になってくれるんだよ」
「一つが原因となって、次々と崩壊してしまう。確かに……そう、ですね」
「性質上、相手に合わせて行動しなければならない――時期は不確定で、時間が少しかかってしまうかもしれない。その代わり、動き出せば確実にピリオドを打てる」
「はいっ」「ですな……っ」「そうですわね……っ」

 そちらは、紛れもない事実ですから。私達は揃って、顎を引きました。

「だからそれまでは怒りや苛立ちを鎮め、水面下で仕込みを行っていきましょう。おじさん、おばさん、アレとアレ・・・・・の準備をお願いします。レティシアも頼んだぞ」
「ええ、お任せくだされ」
「しっかりと用意をさせていただきますわ」
「はい、お兄様。明日から、指示の通りに動きます」

 お兄様の説明は簡潔にまとめられていて、それぞれが行う事、各自の役割を細部まで把握できています。ですので再び頷きをお返しして、5時間後――仮眠を取ってから、私達の『仕込み』が始まりました。

 そして――。

 そういった日々が1か月と少し続き、あの夜から41日が経過した日。ついに、動き出す時が訪れたのでした。

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