上 下
9 / 26

幕間 ミーナとララ

しおりを挟む
「お姉ちゃん。お姉ちゃんの分もちょうだい」

 妹のララは、昔から我儘な子でした。

 わけっこする時は、絶対に自分が大きい方じゃないといけない。
 すごく美味しいものがあったら、あたしの分を必ず取ろうとする。

 そしてあたしが断れば大泣きし、それを見たお母様とお父様が――ララ、ではなくあたしを叱る。

『貴女は姉でしょう。早くララにあげなさい』
『お姉ちゃんとは、そういうものだ。お前は我慢しなさい』

 いつも、こんな調子。
 お母様とお父様はどんな時でもララを最優先で、あたしはそのあと。まるでおまけ。
 二人の視線はいつも、妹に注がれていました。


 どうして、あたしを見てくれないのかな……?
 どうしたら、あたしを見てくれるのかな……?


 幼い頃のあたしはいつもそんなことを考え、よく独りで泣いていました。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

貴方達から離れたら思った以上に幸せです!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:190,416pt お気に入り:12,210

孤独なまま異世界転生したら過保護な兄ができた話

BL / 連載中 24h.ポイント:48,180pt お気に入り:2,532

愛のない結婚はごめんですわ

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:1,226

【短編】王子の婚約者なんてお断り

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,640pt お気に入り:586

夫の愛人が訪ねてきました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:92,933pt お気に入り:714

はい、私がヴェロニカです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:18,093pt お気に入り:914

処理中です...