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2 秘密のお手伝い(2)
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「レオンさん、今日はどの本が変わってしまっているんですか?」
「本日イタズラをされたのは、こちらの本になります。『猫の大冒険(ねこのだいぼうけん)』というタイトルの本です」
レオンさんが手にしているのは、ちょっぴり古めの本。
この本は……。えーっと……。
私が初めて読んだのは小学1年生の6月7日で、今から26年前――1997年に発売された、子ども向けのお話。
主人公である子猫・ヒロは、ちょっぴりワガママな男の子。どんな時でも自分がやりたいことを優先させてしまう、自分勝手な子猫ちゃん。
そんな彼はある日、母親猫ミケとの散歩中に迷子になってします。
綺麗な色のチョウチョを見つけて夢中で追いかけていると迷ってしまい、戻ろうとしているともっと迷ってしまって……。
『あれ……?』
気が付くとそこは、全く知らない場所。
どんなに鳴いてもお母さんは来てくれないし、どんなに走っても自分が知っている景色はありません。
『ママっ。ママぁっ! どこぉっ? どこにいるのぉ……っっ!』
ヒロはついに泣きだしてしまい、蹲ってずっと泣いてしまいます。
けれどそんな時にその地域に住む野良猫・トラが現れ、事情を聞いたトラは厳しくも優しく励ましてくれます。
『そうか。母親とはぐれたのか』
『うん、そうなの……っ。うぇぇ……っ。えぐっ……っ』
『ヒロ、泣くな。泣いていたって何も変わらないぞ』
『で、でも……。でも……っ』
『どこかにはお母さんがいるんだから、探せば絶対に見つかる。だが、諦め泣いていたら絶対に見つからない。……お前はどうする?』
『…………ぐす。わかった……っ。ボクは、泣かない……っ』
ヒロは前足で涙をふいて、大きく頷く。
そうして彼は決意をして、旅が始まります。
サバトラの、トラ。
アメリカンショートヘアーの、ショート。
キジシロの、シロ。
子猫のヒロは3匹の野良猫と知り合い、冒険や出会いと別れを繰り返して、やがて母猫のもとに戻る――。という内容。
このお話を読んでいると自分が子猫になった気持ちになって、怖い時は自分も怖くて、楽しい時は自分も楽しくなってくるの。
人間じゃなくて猫の目線で世界を体験できるから、私もすごく気に入っている作品なんだよね。
「本日イタズラをされたのは、こちらの本になります。『猫の大冒険(ねこのだいぼうけん)』というタイトルの本です」
レオンさんが手にしているのは、ちょっぴり古めの本。
この本は……。えーっと……。
私が初めて読んだのは小学1年生の6月7日で、今から26年前――1997年に発売された、子ども向けのお話。
主人公である子猫・ヒロは、ちょっぴりワガママな男の子。どんな時でも自分がやりたいことを優先させてしまう、自分勝手な子猫ちゃん。
そんな彼はある日、母親猫ミケとの散歩中に迷子になってします。
綺麗な色のチョウチョを見つけて夢中で追いかけていると迷ってしまい、戻ろうとしているともっと迷ってしまって……。
『あれ……?』
気が付くとそこは、全く知らない場所。
どんなに鳴いてもお母さんは来てくれないし、どんなに走っても自分が知っている景色はありません。
『ママっ。ママぁっ! どこぉっ? どこにいるのぉ……っっ!』
ヒロはついに泣きだしてしまい、蹲ってずっと泣いてしまいます。
けれどそんな時にその地域に住む野良猫・トラが現れ、事情を聞いたトラは厳しくも優しく励ましてくれます。
『そうか。母親とはぐれたのか』
『うん、そうなの……っ。うぇぇ……っ。えぐっ……っ』
『ヒロ、泣くな。泣いていたって何も変わらないぞ』
『で、でも……。でも……っ』
『どこかにはお母さんがいるんだから、探せば絶対に見つかる。だが、諦め泣いていたら絶対に見つからない。……お前はどうする?』
『…………ぐす。わかった……っ。ボクは、泣かない……っ』
ヒロは前足で涙をふいて、大きく頷く。
そうして彼は決意をして、旅が始まります。
サバトラの、トラ。
アメリカンショートヘアーの、ショート。
キジシロの、シロ。
子猫のヒロは3匹の野良猫と知り合い、冒険や出会いと別れを繰り返して、やがて母猫のもとに戻る――。という内容。
このお話を読んでいると自分が子猫になった気持ちになって、怖い時は自分も怖くて、楽しい時は自分も楽しくなってくるの。
人間じゃなくて猫の目線で世界を体験できるから、私もすごく気に入っている作品なんだよね。
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