16 / 33
5 予想外のイタズラ(2)
しおりを挟む
「なにこれっ!? ボクこんなの知らないよっ! なんなのっ!?」
「うふふふふっ、ようやく見つけたわ! アタシの運命の猫様を!」
ヒロが牢屋の中でパニックになっていると、牢屋の隣にもう一つ黒色の魔法陣が浮かんできて――。
そこから、ハート型のチャームがついた首輪をした黒猫が現れました。
「うっ、うんめいっ!? なにを言ってるの!? きっ、君は誰!?」
「アタシはダリア。この世界とは違う世界に住むキュートな猫ちゃんで、アナタと運命の赤い糸で結ばれた未来のお嫁さんよ!」
「ちがう、せかい……? およめさん……?」
「そっ。こことはそっくりだけど、違う世界で暮らしてる猫ちゃん。ここで住んでる猫ちゃんとは違って、魔法を使えちゃうチャーミーな猫ちゃんなのよっ」
急に現れた黒猫ダリアは、ちょこんと猫招きのポーズをする。
そうしたら右前足がキラキラと輝いて、小さな肉球型の杖が出てきました。
「アタシは魔法を使って、赤い糸で結ばれているダーリン――夫婦になるオス猫くんを探してたのっ。そしたらアナタがそうだって教えてくれて、夫婦になるために来たのよ!」
「そ、そうなんだ……。ふ、夫婦って……。ママと……どこかにいっちゃったパパ、みたいなことだよね……?」
「そうよっ。メスとオス、2匹で愛し合うのっ。ラブラブになるのよっ」
パチッ
ダリアは可愛くウィンクをして、トコトコトコ。牢屋――ヒロの前まで歩いていって、左の前足をチョンと前に伸ばした。
「アタシの魔法はぜったいに間違わないのっ。アナタはアタシの運命の猫様で、一緒にいたらす~っごく幸せになるのっ。アナタもアタシもとっっても幸せになるからっ、さあアタシの世界に行きましょっ! アタシもアナタもまだ成猫じゃないけどっ、そんなの時間が解決してくれるもの! さあさあっ、いきましょっ!」
「いっ、嫌だっ! 行かないよっ! 君のことは好きでも嫌いでもないけどっ、ボクは今ママを探してるのっ! ママに会いたいんだ! だから邪魔をしないで!」
「アタシ達猫ちゃんは、いずれ親猫のもとを離れて生きていくわっ。いつかお別れするんだから探さなくてもいいでしょっ。ねえダーリンっ。ママなんて放っておいてアタシと行きましょっ。ママと会うよりず~っと楽しいことが待ってるからっ!」
「いやっ! それでも嫌だよっ! ボクはっ、ママに会いたいのっ! 邪魔をしないで!! ここから早く出してよ!!」
「…………そっか、ダーリンはアタシの言うことを聞いてくれないのね。……思った通り。先に閉じ込めておいてよかったわ」
ニコニコしていたダリアのお顔が、急に怖くなった。
はぁ、とため息をついたダリアは――
「うふふふふっ、ようやく見つけたわ! アタシの運命の猫様を!」
ヒロが牢屋の中でパニックになっていると、牢屋の隣にもう一つ黒色の魔法陣が浮かんできて――。
そこから、ハート型のチャームがついた首輪をした黒猫が現れました。
「うっ、うんめいっ!? なにを言ってるの!? きっ、君は誰!?」
「アタシはダリア。この世界とは違う世界に住むキュートな猫ちゃんで、アナタと運命の赤い糸で結ばれた未来のお嫁さんよ!」
「ちがう、せかい……? およめさん……?」
「そっ。こことはそっくりだけど、違う世界で暮らしてる猫ちゃん。ここで住んでる猫ちゃんとは違って、魔法を使えちゃうチャーミーな猫ちゃんなのよっ」
急に現れた黒猫ダリアは、ちょこんと猫招きのポーズをする。
そうしたら右前足がキラキラと輝いて、小さな肉球型の杖が出てきました。
「アタシは魔法を使って、赤い糸で結ばれているダーリン――夫婦になるオス猫くんを探してたのっ。そしたらアナタがそうだって教えてくれて、夫婦になるために来たのよ!」
「そ、そうなんだ……。ふ、夫婦って……。ママと……どこかにいっちゃったパパ、みたいなことだよね……?」
「そうよっ。メスとオス、2匹で愛し合うのっ。ラブラブになるのよっ」
パチッ
ダリアは可愛くウィンクをして、トコトコトコ。牢屋――ヒロの前まで歩いていって、左の前足をチョンと前に伸ばした。
「アタシの魔法はぜったいに間違わないのっ。アナタはアタシの運命の猫様で、一緒にいたらす~っごく幸せになるのっ。アナタもアタシもとっっても幸せになるからっ、さあアタシの世界に行きましょっ! アタシもアナタもまだ成猫じゃないけどっ、そんなの時間が解決してくれるもの! さあさあっ、いきましょっ!」
「いっ、嫌だっ! 行かないよっ! 君のことは好きでも嫌いでもないけどっ、ボクは今ママを探してるのっ! ママに会いたいんだ! だから邪魔をしないで!」
「アタシ達猫ちゃんは、いずれ親猫のもとを離れて生きていくわっ。いつかお別れするんだから探さなくてもいいでしょっ。ねえダーリンっ。ママなんて放っておいてアタシと行きましょっ。ママと会うよりず~っと楽しいことが待ってるからっ!」
「いやっ! それでも嫌だよっ! ボクはっ、ママに会いたいのっ! 邪魔をしないで!! ここから早く出してよ!!」
「…………そっか、ダーリンはアタシの言うことを聞いてくれないのね。……思った通り。先に閉じ込めておいてよかったわ」
ニコニコしていたダリアのお顔が、急に怖くなった。
はぁ、とため息をついたダリアは――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
47
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる