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第11話 1つめの因果応報 俯瞰視点(5)
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「おやおや、奇遇ですなぁ」
「こんなところでお会いするだなんて」
――マリオンとロークとリリアンの喜びと安堵が、最高潮に到達した時でした。突如3人の視界に、見覚えのある顔が2つ現れました。
「ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁ……」
「ぁぁぁぁぁ……」
「ぁ……。あ……」
その顔は、マイクとロビンのソレ。
必死で逃げてきた男たちが突然現れ、マリオン達の顔は真っ青になりました。
「ははは。逃げ切れたと思ったか? 残念でした」
「せっかく喜んだのに、残念だったなぁ。お前らはずっと、オレらの掌の上で踊ってたんだよ」
必死に逃げさせて疲れさせる。幸福の絶頂からどん底に急落させる。
身体と心への強烈なダメージを与えるために、マイクたちはワザと逃走を許していたのです。
「ローク様、リリアン様、マリオン様。本命の前の余興、楽しんでいただけましたかな?」
「やはり貴族様には『余興』が必要だと思いましたね。粋な計らいをさせていただきました」
「「「……………………」」」
「では今度こそ、本命といきましょう」
「お前たち、頼んだ。コイツらを馬車に連れて行って――ん? なんだ?」
逃走時のローク達の追跡やその後の運搬のために雇った、7人の男たち。後ろで控えている仲間に声をかけていたら、ロークとリリアンとマリオンがパクパクと口を動かし始めました。
「まっ、まっ、待てっ! 待ってくれ! これで全員じゃあないぞ! お前らの仇はまだいる! お前らを陥れる計画にはっ、エミリーも関わっているんだぁ!!」
「そう! 貴方たちのターゲットはもう一人いるのよ!! エミリーもそうなの!!」
「そうなの!! 復讐相手は全部で4人なのよ!! まだ終わりじゃないのよ!!」
自分達だけ地獄を見るなんて嫌だ。アイツも巻き込んでやる……!!
どこまでも『いい性格』をしている3人は、本来無関係な人物の名前を出し始めました。
「4人揃って復讐は完結するのだ!!」
「ここで終わったら復讐は完全なものにはならないわ!!」
「ここで終わったら大変!! さあっ、早くエミリーも――」
「いいや、ここで終わりだ」
「俺らのターゲットは、ローク、リリアン、マリオン。全部で3人なんだよ」
ですがその企みは、あっさりと崩壊することとなりました。
「な、なぜだ……? どうして、エミリーを除外する……」
「ふん、オレ達が何も知らないと思ったか? ソコもちゃんと把握してるんだよ」
「あの家の長女は、お前らと意見が合わないから虐げられてたんだろ? 意見が合ってない人間は、敵じゃねぇよ」
マイクとロビンは――他の被害者たちも、理性はちゃんと残っています。
攻撃対象は、自分達を攻撃した者だけ。
エミリーは罠を仕掛けても嗤ってもいないため、たとえ手が届くところに居たとしても、危害を加える意思はまったくありませんでした。むしろその話を聞いて同情し、親近感を覚えていたほどなのです。
「巻き込めなくて残念だったなぁ。んじゃ」
「今度こそ、移動の始まりだ。運んでくれ」
「まっ、まってくれ! 違うっ! 違う情報をつかんでいるだ――むぐが!?」
3人は何も喋れないように口を塞がれ、両手を縛られた状態で馬車に放り込まれました。
そうして人知れず、ローク、リリアン、マリオンを乗せた車は走り出し――
「こんなところでお会いするだなんて」
――マリオンとロークとリリアンの喜びと安堵が、最高潮に到達した時でした。突如3人の視界に、見覚えのある顔が2つ現れました。
「ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁ……」
「ぁぁぁぁぁ……」
「ぁ……。あ……」
その顔は、マイクとロビンのソレ。
必死で逃げてきた男たちが突然現れ、マリオン達の顔は真っ青になりました。
「ははは。逃げ切れたと思ったか? 残念でした」
「せっかく喜んだのに、残念だったなぁ。お前らはずっと、オレらの掌の上で踊ってたんだよ」
必死に逃げさせて疲れさせる。幸福の絶頂からどん底に急落させる。
身体と心への強烈なダメージを与えるために、マイクたちはワザと逃走を許していたのです。
「ローク様、リリアン様、マリオン様。本命の前の余興、楽しんでいただけましたかな?」
「やはり貴族様には『余興』が必要だと思いましたね。粋な計らいをさせていただきました」
「「「……………………」」」
「では今度こそ、本命といきましょう」
「お前たち、頼んだ。コイツらを馬車に連れて行って――ん? なんだ?」
逃走時のローク達の追跡やその後の運搬のために雇った、7人の男たち。後ろで控えている仲間に声をかけていたら、ロークとリリアンとマリオンがパクパクと口を動かし始めました。
「まっ、まっ、待てっ! 待ってくれ! これで全員じゃあないぞ! お前らの仇はまだいる! お前らを陥れる計画にはっ、エミリーも関わっているんだぁ!!」
「そう! 貴方たちのターゲットはもう一人いるのよ!! エミリーもそうなの!!」
「そうなの!! 復讐相手は全部で4人なのよ!! まだ終わりじゃないのよ!!」
自分達だけ地獄を見るなんて嫌だ。アイツも巻き込んでやる……!!
どこまでも『いい性格』をしている3人は、本来無関係な人物の名前を出し始めました。
「4人揃って復讐は完結するのだ!!」
「ここで終わったら復讐は完全なものにはならないわ!!」
「ここで終わったら大変!! さあっ、早くエミリーも――」
「いいや、ここで終わりだ」
「俺らのターゲットは、ローク、リリアン、マリオン。全部で3人なんだよ」
ですがその企みは、あっさりと崩壊することとなりました。
「な、なぜだ……? どうして、エミリーを除外する……」
「ふん、オレ達が何も知らないと思ったか? ソコもちゃんと把握してるんだよ」
「あの家の長女は、お前らと意見が合わないから虐げられてたんだろ? 意見が合ってない人間は、敵じゃねぇよ」
マイクとロビンは――他の被害者たちも、理性はちゃんと残っています。
攻撃対象は、自分達を攻撃した者だけ。
エミリーは罠を仕掛けても嗤ってもいないため、たとえ手が届くところに居たとしても、危害を加える意思はまったくありませんでした。むしろその話を聞いて同情し、親近感を覚えていたほどなのです。
「巻き込めなくて残念だったなぁ。んじゃ」
「今度こそ、移動の始まりだ。運んでくれ」
「まっ、まってくれ! 違うっ! 違う情報をつかんでいるだ――むぐが!?」
3人は何も喋れないように口を塞がれ、両手を縛られた状態で馬車に放り込まれました。
そうして人知れず、ローク、リリアン、マリオンを乗せた車は走り出し――
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