無実の罪で聖女を追放した、王太子と国民のその後

柚木ゆず

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番外編その2 はじめての記念日と約束 俯瞰視点(3)

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「……ビアンカ様……。お力になれず、我々は忸怩たるものを感じております……」
「そんな、こちらは仕方のないことです。お気になさらないでください」

 今日孤児院に現れたのは、王族の使者であるヒュートン。そんな彼から――

 今朝急な公務が入ってしまい、これから王太子として動かないといけなくなってしまいました――。約束をしたのに申し訳ありません――。

 サイモン直筆の手紙を受け取ったビアンカは、言下首を左右に振りました。

「サイモン様にしかできないお仕事は、たくさんあります。そちらを重々理解しており、こういった出来事の発生は前々より予想しておりました。ですのでショックはまったくございませんよ」
「……ビアンカ様……」
「こちらは、本心でございます。……ヒュートン様、少々お時間をいただけますでしょうか?」

 その問いに快い返事をもらうや、ビアンカは手紙を2つ作成。サイモン、そして王と王妃の罪悪感を減らすべく、『気にしていない』のメッセージを作り託したのでした。

「ヒュートン様。よろしくお願い致します」
「承知いたしました。ビアンカ様、失礼致します」
「はい。わざわざありがとうございました」

 そうしてビアンカはヒュートンを笑顔で見送り、

「ビアンカ……」
「「「「「おねえちゃん……」」」」」
「お母さん、みんな、大丈夫だよ。さっきの言葉は、本当の気持ち。それにもう会えなくなったんじゃないから、少しも悲しくないよ」

 顔を曇らせていた『家族』に対しても笑みを返し、妹たちと共に折り紙など、弟たちと鬼ごっこなどを楽しみます。そうして時間が過ぎてゆき、午後11時半を回った頃でした。自分も睡眠を取るべく自室に入り、部屋の扉をゆっくりと閉めます。
 そして――

「………………わたしは……。我が儘な人、ですね……」

 ビアンカは閉めたばかりの扉に背を預け、そんな彼女の両目からはポロポロと涙が零れ始めたのでした。
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