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「そ、そんな……。こんな場所で、どうすればいいの……?」
まだ午後の2時なのに暗く感じる、湿った不気味な森。怪しい鳥の鳴き声が響き渡る、恐ろしい森。そんなところに飛ばされた私は、八重歯を覗かせニヤリと笑った。
「……ミファ。台詞と態度が、一致していないぞ……」
ティルが肩まで伸ばした黒い髪を呆れ気味に掻き、クール然とした顔に同じく呆れの感情を出した。
「珍しくしおらしかったから、弱気になっているのかと思っていたが……。全然そんな事はなかったな」
「そんなの当たり前でしょ。これから、復讐劇が始まるんだからね」
復讐劇とはもちろん、ノルスに対してのもの。
勝手に婚約を破棄した上に、私を散々裏切った罰。正しいことを言っていたティルを、一緒に追放した罰。これらを10000000倍にしてお返しする計画だ。
今のノルスにとって自慢のものナンバー1と2は、地位と女。つまり地位と女を失えば、ノルスはギャフンと言う。
なのでこれから私は、その地位と女を奪うことにする。
ノルスが今の地位を得たのは勇者になったからで、なぜ勇者が持て囃されるのかというと、それは単純に強いから。魔物が襲ってきたら簡単に倒せる力があり、大魔王をけん制できる――侵攻などを防ぐ力を唯一持っているから、崇められているのよね。
だったらその『唯一』をなくせば、確固たる地位は崩れ落ちる。私が活躍して名を馳せ――数多くいる魔物や、この世に6体いる大魔王直属の部下『魔王』、更にはその二つの親玉である大魔王と渡り合うなどして勇者を超える『英雄』になれば、彼の一番の『自慢』はなくなってしまう。
そしてソレが消失すると国王達は媚びる意味がなくなり、『勇者にメロメロになっている王女達』は興味を失いノルスのもとを離れていく。
これが、私の考えた復讐計画なのだ。
「ミファは『聖女』と称された優しい人間だけど、怒らせたら本当に厄介だからな……。ノルスが絶望する未来しか見えない」
「とーぜん、そうするわ。女の子の恋心を踏みにじり、大切な従者をないがしろにした罪は、滅茶苦茶大きいわよぉ……!」
「俺への行動について怒ってくれて、ありがとな。しかしミファ。ミファは本当に、英雄になれるのか?」
クールな顔に微笑を携えていたティルが、首をかしげる。
ちなみにこの反応が出るのは、半月前に作戦を発表してから15回目。つまり毎日こうやって確認されていたんだよね。
「俺はミファの世話係兼護衛役の『魔術師(まじゅつし)』で、魔術はそれなりに扱える。けれどそっちは一度も戦闘訓練をしていない、そもそもジョブすらない元王女だ。こんな状況で魔物や魔王、更には大魔王とやり合えるのか?」
「当たり前よ。確証がないと、こんな作戦にしないでしょ」
私達は無一文家無しで、どん底状態。一つの失敗が死亡に繋がりかねないのだから、自信がないと実行するはずがない。
「それはそうだが…………言葉だけでは信頼できない。そろそろ、どうやって戦うか教えてくれてもいいんじゃないか?」
「そうね。盗み聞きされる心配はもうないから、ティルに伝えるわ」
ノルスなら絶対に私達を殺そうとすると重々承知で、ギャフンと言わせるには暫く死んだと思い込ませていた方がいい。そのため念には念をで、内緒にしてたんだよね。
「あのね。ティルも知っての通り、私は――」
「グルルルルルルルルル……!」
ここは、魔物が多く生息する森。そのため、人間の――餌の匂いを嗅ぎつけた熊型の魔物が、のっそりのっそりとやって来た。
……ちょうどいいわ。コイツで実践するとしましょう。
まだ午後の2時なのに暗く感じる、湿った不気味な森。怪しい鳥の鳴き声が響き渡る、恐ろしい森。そんなところに飛ばされた私は、八重歯を覗かせニヤリと笑った。
「……ミファ。台詞と態度が、一致していないぞ……」
ティルが肩まで伸ばした黒い髪を呆れ気味に掻き、クール然とした顔に同じく呆れの感情を出した。
「珍しくしおらしかったから、弱気になっているのかと思っていたが……。全然そんな事はなかったな」
「そんなの当たり前でしょ。これから、復讐劇が始まるんだからね」
復讐劇とはもちろん、ノルスに対してのもの。
勝手に婚約を破棄した上に、私を散々裏切った罰。正しいことを言っていたティルを、一緒に追放した罰。これらを10000000倍にしてお返しする計画だ。
今のノルスにとって自慢のものナンバー1と2は、地位と女。つまり地位と女を失えば、ノルスはギャフンと言う。
なのでこれから私は、その地位と女を奪うことにする。
ノルスが今の地位を得たのは勇者になったからで、なぜ勇者が持て囃されるのかというと、それは単純に強いから。魔物が襲ってきたら簡単に倒せる力があり、大魔王をけん制できる――侵攻などを防ぐ力を唯一持っているから、崇められているのよね。
だったらその『唯一』をなくせば、確固たる地位は崩れ落ちる。私が活躍して名を馳せ――数多くいる魔物や、この世に6体いる大魔王直属の部下『魔王』、更にはその二つの親玉である大魔王と渡り合うなどして勇者を超える『英雄』になれば、彼の一番の『自慢』はなくなってしまう。
そしてソレが消失すると国王達は媚びる意味がなくなり、『勇者にメロメロになっている王女達』は興味を失いノルスのもとを離れていく。
これが、私の考えた復讐計画なのだ。
「ミファは『聖女』と称された優しい人間だけど、怒らせたら本当に厄介だからな……。ノルスが絶望する未来しか見えない」
「とーぜん、そうするわ。女の子の恋心を踏みにじり、大切な従者をないがしろにした罪は、滅茶苦茶大きいわよぉ……!」
「俺への行動について怒ってくれて、ありがとな。しかしミファ。ミファは本当に、英雄になれるのか?」
クールな顔に微笑を携えていたティルが、首をかしげる。
ちなみにこの反応が出るのは、半月前に作戦を発表してから15回目。つまり毎日こうやって確認されていたんだよね。
「俺はミファの世話係兼護衛役の『魔術師(まじゅつし)』で、魔術はそれなりに扱える。けれどそっちは一度も戦闘訓練をしていない、そもそもジョブすらない元王女だ。こんな状況で魔物や魔王、更には大魔王とやり合えるのか?」
「当たり前よ。確証がないと、こんな作戦にしないでしょ」
私達は無一文家無しで、どん底状態。一つの失敗が死亡に繋がりかねないのだから、自信がないと実行するはずがない。
「それはそうだが…………言葉だけでは信頼できない。そろそろ、どうやって戦うか教えてくれてもいいんじゃないか?」
「そうね。盗み聞きされる心配はもうないから、ティルに伝えるわ」
ノルスなら絶対に私達を殺そうとすると重々承知で、ギャフンと言わせるには暫く死んだと思い込ませていた方がいい。そのため念には念をで、内緒にしてたんだよね。
「あのね。ティルも知っての通り、私は――」
「グルルルルルルルルル……!」
ここは、魔物が多く生息する森。そのため、人間の――餌の匂いを嗅ぎつけた熊型の魔物が、のっそりのっそりとやって来た。
……ちょうどいいわ。コイツで実践するとしましょう。
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