勇者になった幼馴染に婚約破棄された上に追放されたので、英雄になってざまぁしようと思います

柚木ゆず

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6話(6)

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「魔物をどうこうする前に、まずはコイツを懲らしめないといけない。本気でいくわよ」
「ふん。愚者は、今し方聞いた言葉さえも健忘してしまうようだな。この防御壁をどうやって破るつもりだ?」

 今なお激昂しているヤツが、顔が真っ赤にしたまま嗤う。
 どうやるか? それはこれから、行動しながら教えてあげる。

「ティル。ここは私に任せて」
「……分かった。もう一度、有言実行してくれよ?」
「当たり前でしょで、懲らしめるためのステップ1。走る」

 私は動きやすいように鎧を脱ぎ、剣を構えて走り出す。

「ほぅ、肉体の守りを捨てたか。次はどうする?」
「ステップ2。このままターゲットに接近する」

 真正面から突っ込んで、彼我の距離を詰めていく。
 残りは5メートル。4メートル。3メートル。2メートル。1メートル。

「ここで、ステップ3。バリアー目がけて、思い切り剣を振り下ろす」

 右手で握りしめた剣を袈裟に動かし、その剣はヤツが創ったシールドに命中する。
 けれど今回は、今までとは違う。前回のように対象を切断することはなく、この場にキンッという音が鳴り響いた。

「…………この剣は、聖剣と同等の切れ味。破れるはずがないわよね…………」
「何か呟いているようだが、呑気にしている暇はないぞ? もうじき斬りつけた分が、その身体に返ってくるのだからな!」

 そうね。そしたら生身に聖剣の一撃を受けて、死んでしまう。
 だからそうならないように、もう一手使わせてもらうわ!

「ステップ4。隠し持っていた短剣を左手で掴んで、バリアーに思い切り突き刺す」

 そうして刃の先端が防御壁に当たると、ピキピキピキ、パリン。バリアーに放射線状のヒビが入り、やがて割れたガラスのように砕け散ってしまった。

「な、ぁ……。こわ、れた、だと……? 何故、壊れた、んだ……!?」
「聖剣級の利器が、2本当たったから。耐えられる衝撃を超えてしまったから、こうなったのよ」

 私は散らばっているバリアーだったものを一瞥し、愕然と尻餅をついた王に剣の切っ先を突き付ける。

「自慢の能力は、頼りにならなかったわね。まだ抵抗する?」
「しっ、しないっ。しません! 致しませんっっ!! ただちに降伏、します……」

 ヤツはまるで別人のように、声を震わせながら土下座。言葉と行動で戦意0を表し、私達のクーデターは幕を閉じたのであった。
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