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第2章
2話(3)
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「これは明らかに、森に生息する魔物の仕業じゃない。間違いなく、ゲーランが関わっていると見ていいな」
静かに大穴を眺めていたティルが、周囲を警戒しつつ断言した。
ここまで大きい穴は普通の魔物は作れなくって、ここ人間は近づいていない。となると消去法で、そうなるよね。
「だとしたら、アイツの目的はなんなんでしょうね? もしかして結界か何かで隠れていて、おびき寄せて私達を殺すつもり……?」
「それは、ないな。この辺りに結界はなく、確実にゲーランは潜んでいないからな」
周辺を念入りに調べていたティルが、首を左右に振る。
そっか。近くにいないなら、その読みは違うわね。
「だが他の冒険者はリアの森を敬遠していて、ここで問題を起こせば俺達が必ず来る。おびき出す、という目的はある可能性が高いな」
「私達を、ここに来させる理由は……。こっちが困るような、面倒な置き土産を残してる――。とかかしら?」
「そのような反応や極僅かな違和感さえもないが、もしかすると先日の繭のように時間と共に成長する何かを仕込んでいるのかもしれない。念のためこの場で、一時間ほど待ってみよう」
「早い段階で気付いて潰しとけば、大きな騒動にならないもんね。そうしときましょ」
私達は背中をくっ付けて死角を減らし、時間が過ぎるのを待つ。
そうして10分。20分。30分と時が流れ――
「むぅ。なにも起こらなかったわね」
60分経過したと同時に、私は落胆気味に大きく息を吐く。
魔物もここは警戒しているようで襲撃もなく、用心しながら立ってただけ。なんかゲーランに遊ばれてる気がして、ムカつく。
「もしやアイツって、無駄に時間を使わせるために穴を開けたの? まさか、そんなわけはないわよね?」
「ヤツの言動から推測するに、そういう方面の悪戯はしないはずだ。つまり何かしら理由があるはずなのだが、これでは皆目見当がつかないな」
リアの森に、大きな穴が開いているだけ。あるものがたったこれだけなら、どんな天才でも予想すらできないよね。
「…………謎の大穴。すでに平然としている、狼狽していた魔物達。違和感が一つもない現場……。謎は多くあり、代わりに手掛かりは一つもない」
「そうね。手掛かりになりそうなもの、すらないわね」
「……………………なら、仕方がないな。緊急クエストの調査はここまでとして、街に帰還しよう」
「変化はないし、暗くなってきたもんね。ギルドに報告して、今日はもう宿に入りましょっか」
これ以上ここですることは、なし。なので私達は来た道を引き返し、再びお馬さんのお世話になってクローズに戻ったのでした。
静かに大穴を眺めていたティルが、周囲を警戒しつつ断言した。
ここまで大きい穴は普通の魔物は作れなくって、ここ人間は近づいていない。となると消去法で、そうなるよね。
「だとしたら、アイツの目的はなんなんでしょうね? もしかして結界か何かで隠れていて、おびき寄せて私達を殺すつもり……?」
「それは、ないな。この辺りに結界はなく、確実にゲーランは潜んでいないからな」
周辺を念入りに調べていたティルが、首を左右に振る。
そっか。近くにいないなら、その読みは違うわね。
「だが他の冒険者はリアの森を敬遠していて、ここで問題を起こせば俺達が必ず来る。おびき出す、という目的はある可能性が高いな」
「私達を、ここに来させる理由は……。こっちが困るような、面倒な置き土産を残してる――。とかかしら?」
「そのような反応や極僅かな違和感さえもないが、もしかすると先日の繭のように時間と共に成長する何かを仕込んでいるのかもしれない。念のためこの場で、一時間ほど待ってみよう」
「早い段階で気付いて潰しとけば、大きな騒動にならないもんね。そうしときましょ」
私達は背中をくっ付けて死角を減らし、時間が過ぎるのを待つ。
そうして10分。20分。30分と時が流れ――
「むぅ。なにも起こらなかったわね」
60分経過したと同時に、私は落胆気味に大きく息を吐く。
魔物もここは警戒しているようで襲撃もなく、用心しながら立ってただけ。なんかゲーランに遊ばれてる気がして、ムカつく。
「もしやアイツって、無駄に時間を使わせるために穴を開けたの? まさか、そんなわけはないわよね?」
「ヤツの言動から推測するに、そういう方面の悪戯はしないはずだ。つまり何かしら理由があるはずなのだが、これでは皆目見当がつかないな」
リアの森に、大きな穴が開いているだけ。あるものがたったこれだけなら、どんな天才でも予想すらできないよね。
「…………謎の大穴。すでに平然としている、狼狽していた魔物達。違和感が一つもない現場……。謎は多くあり、代わりに手掛かりは一つもない」
「そうね。手掛かりになりそうなもの、すらないわね」
「……………………なら、仕方がないな。緊急クエストの調査はここまでとして、街に帰還しよう」
「変化はないし、暗くなってきたもんね。ギルドに報告して、今日はもう宿に入りましょっか」
これ以上ここですることは、なし。なので私達は来た道を引き返し、再びお馬さんのお世話になってクローズに戻ったのでした。
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