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第2章

2話(4)

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「ふぅー。今日も一日頑張ったわね」

 あのあとギルドで報告をして、武器屋さんで安物の剣を一つ補充してから宿・『サンガス』にチェックイン。紹介状を渡して美味しい夕ご飯(煮込みハンバーグとパンとコンソメスープの定食)を食べて浴場で汗を流した私は、今夜もお行儀悪くベッドで大の字になった。
 ちなみにこの部屋は二人用で、ベッドは別々。それと今は折角ティルがお直ししてくれたので、前の服を着ています。

「街に来て早々、騒がしかったな。魔王ゲーランはいい歓迎をしてくれた」
「ホント、そうよね。おかげで明日も、リアの森に行かないといけなくなっちゃったしね」

 ギルドからの要請で、翌日もう一度現場をチェックすることになった。おかげで午前中は全部クエストに拘束されて、好きな行動を取れなくなっちゃったのよね。

「テオさんの服を宣伝してあげたいのに、誰もいない森を歩き回らないといけない。はっ! もしや悪評の犯人は、ギルドの人間っ!? 宣伝役を遠ざけるためにゲーランに頼んで騒ぎを起こし、私達を遠ざけてるんだわ!」
「ミファ探偵の名推理、だな。ミファは眠たくなっている時によく、こういう発言をするよな」
「なんか就寝前って、変なテンションになっちゃうのよね。ふぁぁ……」

 私は大きな欠伸をして、ここで顔をパチンっ。今夜は午後の予定をしっかり決めてから寝ないといけないので、強引に眠気を追い出した。

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