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第2章
6話(9)
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「すみませんレイルさぁぁぁんっ! しっ、死にやがれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ぐ……っ、お許しを……っっ。貴様を、殺すっっっ!!」
ライオン型の召喚獣がうなり声をあげて走り出し、クロウ様は騎士団の剣を握って突っ込んでくる。
召喚獣の方は鋭い爪と牙を持っていて、人間の方は剣と魔術無効の鎧を持っている。倒さなくていいとはいえ、厳しい戦いになりそう……。
「イノル様、クロウ様、手加減をできる状況でありません。攻撃を、行わせていただきます」
ティルもまた一人と一匹目がけて地面を蹴り、動きが速い――より先に近づいていた召喚獣に狙いを定める。そしてそのまま両者の距離は詰まってゆき、先にティルが動く。
「はっ!」
右手にある杖をクルンと回し、先端で一突き。リーチを生かした攻撃が召喚獣の鼻に直撃し、相手はたまらず飛び退って距離を取った。
「……次は……。クロウ様、ですね」
攻撃を終えた頃にはクロウ様がやってきて、ティルはそれをバックステップで回避。華麗に剣をやり過ごした彼は、素早く回し蹴りを繰り出してクロウ様を吹っ飛ばした。
「さて、二度目の攻防はどうしますか? また同時、もしくは個々ですか?」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」
また、同時。一人と一匹が駆け出し、でもそこに協力の意思はなく、一人と一匹が我先にとティルを目指す。
「「おおおおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおおおおお!!」」
「……なるほど。それならば――。ふっ!」
一人と一匹との距離が2メートルを切る瞬間、ティルは斜め左前へと鋭くステップを踏む。そうすることで彼は上手く狼の側面に回り込み、杖――ではなく右の手の平を思い切り召喚獣の横腹に叩きつけ、召喚獣は短い悲鳴を上げて吹き飛び地面を滑った。
あれは、『格闘家』のスキル『掌底(しょうてい)』。ティルってば、こういう技まで習得してたんだ……っ。
「ぐがああああああっ! 俺がっっ! 俺がっ、殺してやるぅううううううぅうう!!」
「お互いのためにも、それは断らせていただきます。はあっ!」
振り下ろされる剣をギリギリで躱し、前蹴りを一発打ち込む。けど攻撃はそれで終わらず――。最初の蹴りでよろけている相手へと短く飛び、そのまま飛び蹴り。強烈なキックを浴びたクロウ様はその勢いで何度も後転を繰り返し、うつ伏せになって止まった。
「ぐ……っ、お許しを……っっ。貴様を、殺すっっっ!!」
ライオン型の召喚獣がうなり声をあげて走り出し、クロウ様は騎士団の剣を握って突っ込んでくる。
召喚獣の方は鋭い爪と牙を持っていて、人間の方は剣と魔術無効の鎧を持っている。倒さなくていいとはいえ、厳しい戦いになりそう……。
「イノル様、クロウ様、手加減をできる状況でありません。攻撃を、行わせていただきます」
ティルもまた一人と一匹目がけて地面を蹴り、動きが速い――より先に近づいていた召喚獣に狙いを定める。そしてそのまま両者の距離は詰まってゆき、先にティルが動く。
「はっ!」
右手にある杖をクルンと回し、先端で一突き。リーチを生かした攻撃が召喚獣の鼻に直撃し、相手はたまらず飛び退って距離を取った。
「……次は……。クロウ様、ですね」
攻撃を終えた頃にはクロウ様がやってきて、ティルはそれをバックステップで回避。華麗に剣をやり過ごした彼は、素早く回し蹴りを繰り出してクロウ様を吹っ飛ばした。
「さて、二度目の攻防はどうしますか? また同時、もしくは個々ですか?」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」
また、同時。一人と一匹が駆け出し、でもそこに協力の意思はなく、一人と一匹が我先にとティルを目指す。
「「おおおおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおおおおお!!」」
「……なるほど。それならば――。ふっ!」
一人と一匹との距離が2メートルを切る瞬間、ティルは斜め左前へと鋭くステップを踏む。そうすることで彼は上手く狼の側面に回り込み、杖――ではなく右の手の平を思い切り召喚獣の横腹に叩きつけ、召喚獣は短い悲鳴を上げて吹き飛び地面を滑った。
あれは、『格闘家』のスキル『掌底(しょうてい)』。ティルってば、こういう技まで習得してたんだ……っ。
「ぐがああああああっ! 俺がっっ! 俺がっ、殺してやるぅううううううぅうう!!」
「お互いのためにも、それは断らせていただきます。はあっ!」
振り下ろされる剣をギリギリで躱し、前蹴りを一発打ち込む。けど攻撃はそれで終わらず――。最初の蹴りでよろけている相手へと短く飛び、そのまま飛び蹴り。強烈なキックを浴びたクロウ様はその勢いで何度も後転を繰り返し、うつ伏せになって止まった。
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