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第2章
エピローグその1 王族からの感謝、そして(3)
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「仰る通り、彼女ミファ・ソーラ――ミファ・エルンは、エルン家の元第四王女。自分はミファ様の従者を務めていた、ティル・ノーウェルです」
「や、やはり……。そうだったの、ですね……」
「エルンっていえば、勇者様がいる国じゃないですかっ! 失礼を承知でお聞きしますっ。元って、いったい何があったんですっ!?」
「ミファは孤児となった現勇者・ノルスを助け、二人は婚約をするほどの仲でした。しかしノルスは勇者に覚醒した刹那自惚れてしまい、『身分が低いから』という理由でミファとの婚約を破棄。更には慢心を注意した事に激しく怒り、ミファを追放しナルセイで殺そうとしたのです」
アイツと出会ってから別れるまでのこと。それをティルは、時折私に配慮をくれながら説明した。
「そのため我々はノルスに対しミファ流の復讐を行うため、こうして各国を移動していたのです。魔王ゲーランとの因縁はナルセイを救った際に生じ、決着をつけるためこの地を訪れていたのですよ」
「そう、だったのですね……。勇者様は酷い方だと理解しておりましたが、その言葉では表現しきれませんね……」
「命を救ってもらって裏切る、そんなの人間のクズだ! オレの中で今日から、世界で一番嫌いなヤツはクソ勇者ノルスだっっ!!」
「俺もこれほど愚かな『恩を仇で返す』は、覚えがありません。下衆という言葉が相応しい」
「私(わたくし)も、怒りを通り越して唖然となっております……。それが、勇者の所業……」
皆さん身体を震わせ、怒りを露わにしてくれる。
こんな反応をしてくれる人は、ティル以外では初めて。ありがたくって、嬉しい、な。
「……ソーラ様――いいえ、ミファ様、レイル様。今回のご恩もありますが、それ以前に人間として、あたし達は怒りを覚えています。何かご支援はできませんか?」
「こんな話を聞いたら、オレも放ってはおけない! なにか、手伝える事はありませんかっ?」
「実は解決後に我々の正体を明かし、少しばかり御力をお借りできれば、と個人的に考えておりました。皆様――メイクスの王族の皆様には、ナルセイの王と秘密裏に同盟を結んでいただきたいのですよ」
ティルが個人的に、なので、当然私も初耳の話。同盟って……?
「や、やはり……。そうだったの、ですね……」
「エルンっていえば、勇者様がいる国じゃないですかっ! 失礼を承知でお聞きしますっ。元って、いったい何があったんですっ!?」
「ミファは孤児となった現勇者・ノルスを助け、二人は婚約をするほどの仲でした。しかしノルスは勇者に覚醒した刹那自惚れてしまい、『身分が低いから』という理由でミファとの婚約を破棄。更には慢心を注意した事に激しく怒り、ミファを追放しナルセイで殺そうとしたのです」
アイツと出会ってから別れるまでのこと。それをティルは、時折私に配慮をくれながら説明した。
「そのため我々はノルスに対しミファ流の復讐を行うため、こうして各国を移動していたのです。魔王ゲーランとの因縁はナルセイを救った際に生じ、決着をつけるためこの地を訪れていたのですよ」
「そう、だったのですね……。勇者様は酷い方だと理解しておりましたが、その言葉では表現しきれませんね……」
「命を救ってもらって裏切る、そんなの人間のクズだ! オレの中で今日から、世界で一番嫌いなヤツはクソ勇者ノルスだっっ!!」
「俺もこれほど愚かな『恩を仇で返す』は、覚えがありません。下衆という言葉が相応しい」
「私(わたくし)も、怒りを通り越して唖然となっております……。それが、勇者の所業……」
皆さん身体を震わせ、怒りを露わにしてくれる。
こんな反応をしてくれる人は、ティル以外では初めて。ありがたくって、嬉しい、な。
「……ソーラ様――いいえ、ミファ様、レイル様。今回のご恩もありますが、それ以前に人間として、あたし達は怒りを覚えています。何かご支援はできませんか?」
「こんな話を聞いたら、オレも放ってはおけない! なにか、手伝える事はありませんかっ?」
「実は解決後に我々の正体を明かし、少しばかり御力をお借りできれば、と個人的に考えておりました。皆様――メイクスの王族の皆様には、ナルセイの王と秘密裏に同盟を結んでいただきたいのですよ」
ティルが個人的に、なので、当然私も初耳の話。同盟って……?
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