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第16話 ようやく気付いた主催者は ヴァイオレット視点(2)
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「ヴァイオレット、ますます顔色が悪くなっているぞ……? 部屋で休んだ方が――」
「皆さんっ。かっ、確認をさせてくださいましっ!!」
お父様が不安げに覗き込んできていたけれど、今はそれどころではありませんものっ。わたくしはソレを無視して立ち上がり、アルマ様とマチルド様に走り寄った。
(ヴァイオレット様っ!? どうなさいま――)(ヴァイオレット様っ、どうなされ――)
(アルマ様マチルド様! アリシアは確かに泣きながらローストビーフをヤケ食いしたでしょう!? 演奏後は辛そうな雰囲気を出していたでしょうっ!?)
わたくしが走ったのは、確認をするため。
あれらはわたくしの妄想っ、幻覚の類ではないはずっ! そうですわよね!? 間違いなく起きた出来事ですわよね!?
(は、はい。ローストビーフを大量に食べながら、泣いていました)
(終わった後は、そ、そうですね。額に手を当てて、俯いていました)
でしょう!? ですわよねっ!?
二人が目にしているのだから――あの時は全員がニヤニヤしていて、全員ちゃんと見ているんですものっ。思い返してみたらローストビーフは、実際にどっさり減っていたんですものっ。紛れもない事実ですわっ。
(ならどうして!? どうしてアリシアは別の人との婚約が決まっていますの!? あの反応はなんだったんですの!?)
(そ、そちらは……。分かりかねます……)
(わたしたちも、ずっと顔を見合わせていて……。戸惑っています……)
っっ。何も推測できないなんて、使えないっ!
だから舌打ちをして離れて、他の参加者にも確認を行って――っっ。そうしても、結果は同じ。似たような返事があるだけでしたわっ。
((……分からない……。分からない…………。なんなんですの……!?))
あの涙やヤケ食いなどに、演技の色は一切なかった。アリシアは本心で涙を流して、大量に食べて、演奏終了後に難しい顔をしていたのに!
ロイス様のことが、まだまだ頭の中から消えていないのにっ!!
なんで婚約が決まっていますの!?
((謎。謎。謎。理解不能、理解できない。できないできないできないできない! なんなんですのなんなんですのなんなんですの!?))
頭の中が、意味不明な疑問で埋め尽くされてゆく。
((どうしてどうしてどうしてどうしてっ!? どうしてなんですのっ!? どうしてこんなことになっているんですのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――))「――おぶぅ…………」
ぇ?
急に、目の前が真っ暗になった……? それに、意識も、遠のいていく……?
なんなん、ですの? これ、は………………………………
「皆さんっ。かっ、確認をさせてくださいましっ!!」
お父様が不安げに覗き込んできていたけれど、今はそれどころではありませんものっ。わたくしはソレを無視して立ち上がり、アルマ様とマチルド様に走り寄った。
(ヴァイオレット様っ!? どうなさいま――)(ヴァイオレット様っ、どうなされ――)
(アルマ様マチルド様! アリシアは確かに泣きながらローストビーフをヤケ食いしたでしょう!? 演奏後は辛そうな雰囲気を出していたでしょうっ!?)
わたくしが走ったのは、確認をするため。
あれらはわたくしの妄想っ、幻覚の類ではないはずっ! そうですわよね!? 間違いなく起きた出来事ですわよね!?
(は、はい。ローストビーフを大量に食べながら、泣いていました)
(終わった後は、そ、そうですね。額に手を当てて、俯いていました)
でしょう!? ですわよねっ!?
二人が目にしているのだから――あの時は全員がニヤニヤしていて、全員ちゃんと見ているんですものっ。思い返してみたらローストビーフは、実際にどっさり減っていたんですものっ。紛れもない事実ですわっ。
(ならどうして!? どうしてアリシアは別の人との婚約が決まっていますの!? あの反応はなんだったんですの!?)
(そ、そちらは……。分かりかねます……)
(わたしたちも、ずっと顔を見合わせていて……。戸惑っています……)
っっ。何も推測できないなんて、使えないっ!
だから舌打ちをして離れて、他の参加者にも確認を行って――っっ。そうしても、結果は同じ。似たような返事があるだけでしたわっ。
((……分からない……。分からない…………。なんなんですの……!?))
あの涙やヤケ食いなどに、演技の色は一切なかった。アリシアは本心で涙を流して、大量に食べて、演奏終了後に難しい顔をしていたのに!
ロイス様のことが、まだまだ頭の中から消えていないのにっ!!
なんで婚約が決まっていますの!?
((謎。謎。謎。理解不能、理解できない。できないできないできないできない! なんなんですのなんなんですのなんなんですの!?))
頭の中が、意味不明な疑問で埋め尽くされてゆく。
((どうしてどうしてどうしてどうしてっ!? どうしてなんですのっ!? どうしてこんなことになっているんですのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――))「――おぶぅ…………」
ぇ?
急に、目の前が真っ暗になった……? それに、意識も、遠のいていく……?
なんなん、ですの? これ、は………………………………
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