どうやらこのパーティーは、婚約を破棄された私を嘲笑うために開かれたようです。でも私は破棄されて幸せなので、気にせず楽しませてもらいますね

柚木ゆず

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第19話 翌朝~目を覚ましたヴァイオレットは~ ヴァイオレット視点(2)

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「アリシアに復讐をしますわ! 貴男も一緒にその方法を考えなさいっ!」

 あれから、約7分後。大至急と注文をつけたのに遅くやって来た、やせぎすの男――うちの臣下のひとり・マードックに対し、わたくしは間髪入れずこう告げた。
 計画と努力のふいにして、わたくしよりも先に婚約をして、泡を吹かせて奇声を叫ばせたんですもの……! 許せるはずがありませんわ……!!

「お、お嬢様……。そ、そちらは……。お止めになられた方が、よろしいかと――」
「やめるはずがないでしょう!! こんな目に遭わされているんですのよ!? やる以外の選択肢がないでしょう!!」
「そ、それは、仰る通り、なのですが……。その、ですね……。ええと……。いったん落ち着かれて、ですね……。感情を鎮めた上で再考を――」
「わたくし、貴男の意見は聞いていませんわよ? ……マードック、貴男はお父様やその他の臣下の目が気になっているんでしょう? 悟られるのが怖いから、止めようとしているんでしょう?」

 珍しくオドオドしている『駒』を、ギロリと睨みつける。

「めっ、滅相もございませんっ! そっ、そうではなくっ。そうではなくって――」
「別に理由は、どうでもいいですわ。…………マードック、貴男はわたくしに逆らえませんのよ? それを忘れないで頂戴ね?」

 この男は妻子持ちにも関わらず、なんと3股をかけていた。わたくしは偶々不倫相手からのプレゼントを見つけて、『証拠』を所持しているんですの。

「全員を騙していて、露見したら慰謝料の支払いが三回も発生してしまう。それは嫌でしょう? そんな財力はないでしょう? だったら黙って従いなさい」
「…………………………」
「マードック、わたくしは返事を待っていますのよ? さっさと答えなさい」
「……………………」《パク パクパク パクパクパク》

 不倫相手その2との名前が刻まれた、リング。それを引き出しから取り出しかざしてみると、マードックは突然口をパクパクと動かし始めた。
 ??? なんなんですの……?

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