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第15話 その後のソフィアとオリヴァーは 俯瞰視点(2)

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「あの時内心を黙っていたら、貴方ならもっと上手く楽に立ち回れたわ。けれどオリヴァーは、そうはしなかった。二つの理由でわたしのために怒ってくれていて、包み隠さず動いてくれた。……そんな貴方だから、わたしの中にももう一つの感情が芽生えたの」

 今の気持ちと、その返事に至った理由。それらを丁寧に伝えたソフィアは、柔らかく目尻を下げました。

「そしてこれまでの貴方がその芽を育てて、わたしはハッキリとそう思うようになったの。……オリヴァー。今回の騒動は、さして関係ないわ。貴方という人に好意を向けてもらえたから、そうなっているだけなのよ」
「…………。姉さんは、お見通しなんですね」
「だってわたしはずっと、貴方の姉だったんだもの。恋に関することは気付けなかったけれど、それ以外のことは簡単に分かるわ」

 結果として、この一件を切っ掛けとすることになってしまった――。フェアじゃない――。
 ソフィアはオリヴァーがそう感じると思い、先に言及していたのです。

「だからね。そういった点は気にしないで、教えて欲しいの」

 微苦笑に微苦笑を返した、あと。ソフィアは姿勢を正し、何もないはずの自身の後方を一瞥しました。

「オリヴァー。ずっとわたし達は血のつながらない家族で、わたしが姉で貴方が弟。貴方はいつも、わたしの後ろをついてきてくれていたわよね?」
「ええ、そうですね。色々な意味で、後ろをついていきたい人でしたから。いつもそうしていました」
「そんな貴方はとても可愛くて、そういった距離感はすごく好きだったんだけどね。これからは、そこではなく、ここに居て欲しいの」

 ソフィアは、もう一度一瞥。今度は背後のあと右隣を見やり、正面へと視線を戻しました。

「幼馴染ではなくて、血の繋がらない弟でもなくて、恋人、夫婦として――。この先ずっと、一緒に進んでいってくれませんか?」

 そして。目の前にある落ち着きを含んだ瞳へと、真っすぐ右手を伸ばし――

「…………喜んで。もちろん、隣をずっと一緒に歩かせてもらいますよ」

 その手が伸びる先に居るのは、ずっと前からそう願っていた人。ですのでソフィアの右手は、微笑と共にしっかりと握られることになったのでした。
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