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第6話 再会をして シュザンヌ視点(1)
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「……そんなことがあったんだね。そちらの国の王族も『二人目の聖女』も元家族も、困った人達だ」
第2の聖女・佐々岡春奈様の性格についてのこと。佐々岡様とアントナン殿下の関係と、陛下、妃殿下、第2第3王子殿下の同調についてのこと。両親と兄の怒りを買って家族の縁を切られ、追い出されてしまったこと。
あの時から今日までの出来事をお伝えすると、クロヴィスさんは小さく首を左右に振りました。
「自ら自分に都合が悪い状況を作った挙句、努力や改心ではなく排除を選ぶ。無茶苦茶な要求に嬉々として応じる。恩恵を当たり前にあるものだと思い、暴力を振るって追い出す。とても大人とは思えない。子どもでもそこまでしないよ」
「仰る通りです。残念なことです、とても」
佐々岡様も殿下も陛下達も、お父様達も。全員に対して、そう感じます。
「ですが佐々岡様のような方は、理想的な状況さえ整えば務めは果たしてくださります。その点は不幸中の幸いでして、国民の皆様と国が護られるのはホッとしております」
「自身がそんなことになっているのに、出るのは案ずる言葉だけ。シュザンヌは相変わらずだね」
クロヴィスさんは微苦笑を浮かべ、それを合図にお顔や雰囲気から真剣さが消えていきました。
「君がそうであるなら、僕がこれ以上アレコレ言うべきじゃないね。そちらに関する話はここまでにして、ここからは『3年間お預けになっていたこと』を楽しもうか」
「3年間。『直接会ってお喋りをする』、ですね?」
「うん、正解。手紙だと一回に話せる量には限界があって、伝えたい、聞きたいことが、お互い沢山貯まっているだろうしね。思う存分お話しをしよう」
「はいっ。お話し、致しましょうっ」
クロヴィスさんの仰る通りです。お手紙には書ききれないことが毎回あって、お伝えしたい、聞いてみたいことが沢山ありました。
ですのでわたしは、破顔で頷きをお返しして――
「慰労の際に持っていくために、お菓子作りを勉強しているとお伝えしたことがありましたよね?」
「そうだね。聞いたことがある」
「最近、エッグタルトも美味しく作れるようになったんです。この間差し入れをさせてもらったら、皆さん喜んでくれました」
「そうなんだ。クッキーやシガーロールやマドレーヌやフィナンシェ。どんどん覚えていって、小さなお菓子屋さんだね」
「孤児院の子にも、そう言われました。クロヴィスさんにもいつか食べていただきたいなと、ずっと思っていたんですよ」
こんなことや、
「最近と言えば。ついこの間、ビシソワーズが好きになったんだ」
「そうなのですか!? 以前、苦手だと仰っていましたよね?」
「うん、そうなんだよ。だけど友人の招待でコース料理を食べていた時に伝達ミスで出て来てね、残すわけにはいかないから食べたんだよ。そうしたらとても美味しくて、すぐ自分でも食べに行ってしまったよ」
「そうなんですね……! 他のお店のものも、召し上がりましたか?」
「それがね、他のお店のものはやっぱり苦手だったんだよ。『○○は嫌いだけどここの○○だけは食べられる』――時々聞くフレーズは、本当だったよ」
こんなことなどなど。
お手紙では伝えきれなかったものをお互い伝え合い、お茶とお菓子をいただきながら、なんと4時間もお喋りをしてしまったのでした。
「……もう4時……!? あっという間に時間が過ぎましたね」
「だね、僕もビックリしているよ」
室内にある掛け時計を見たわたし達は揃って笑い、でも、まだまだ終わりません。
他にも一杯お話したいことがありますので、次々と話題が出てきて――
((???))
それから更に1時間半ほどが経った頃、不意にクロヴィスさんのお顔が少しばかり真面目なものになりました。
突然、どうされたのでしょうか……?
第2の聖女・佐々岡春奈様の性格についてのこと。佐々岡様とアントナン殿下の関係と、陛下、妃殿下、第2第3王子殿下の同調についてのこと。両親と兄の怒りを買って家族の縁を切られ、追い出されてしまったこと。
あの時から今日までの出来事をお伝えすると、クロヴィスさんは小さく首を左右に振りました。
「自ら自分に都合が悪い状況を作った挙句、努力や改心ではなく排除を選ぶ。無茶苦茶な要求に嬉々として応じる。恩恵を当たり前にあるものだと思い、暴力を振るって追い出す。とても大人とは思えない。子どもでもそこまでしないよ」
「仰る通りです。残念なことです、とても」
佐々岡様も殿下も陛下達も、お父様達も。全員に対して、そう感じます。
「ですが佐々岡様のような方は、理想的な状況さえ整えば務めは果たしてくださります。その点は不幸中の幸いでして、国民の皆様と国が護られるのはホッとしております」
「自身がそんなことになっているのに、出るのは案ずる言葉だけ。シュザンヌは相変わらずだね」
クロヴィスさんは微苦笑を浮かべ、それを合図にお顔や雰囲気から真剣さが消えていきました。
「君がそうであるなら、僕がこれ以上アレコレ言うべきじゃないね。そちらに関する話はここまでにして、ここからは『3年間お預けになっていたこと』を楽しもうか」
「3年間。『直接会ってお喋りをする』、ですね?」
「うん、正解。手紙だと一回に話せる量には限界があって、伝えたい、聞きたいことが、お互い沢山貯まっているだろうしね。思う存分お話しをしよう」
「はいっ。お話し、致しましょうっ」
クロヴィスさんの仰る通りです。お手紙には書ききれないことが毎回あって、お伝えしたい、聞いてみたいことが沢山ありました。
ですのでわたしは、破顔で頷きをお返しして――
「慰労の際に持っていくために、お菓子作りを勉強しているとお伝えしたことがありましたよね?」
「そうだね。聞いたことがある」
「最近、エッグタルトも美味しく作れるようになったんです。この間差し入れをさせてもらったら、皆さん喜んでくれました」
「そうなんだ。クッキーやシガーロールやマドレーヌやフィナンシェ。どんどん覚えていって、小さなお菓子屋さんだね」
「孤児院の子にも、そう言われました。クロヴィスさんにもいつか食べていただきたいなと、ずっと思っていたんですよ」
こんなことや、
「最近と言えば。ついこの間、ビシソワーズが好きになったんだ」
「そうなのですか!? 以前、苦手だと仰っていましたよね?」
「うん、そうなんだよ。だけど友人の招待でコース料理を食べていた時に伝達ミスで出て来てね、残すわけにはいかないから食べたんだよ。そうしたらとても美味しくて、すぐ自分でも食べに行ってしまったよ」
「そうなんですね……! 他のお店のものも、召し上がりましたか?」
「それがね、他のお店のものはやっぱり苦手だったんだよ。『○○は嫌いだけどここの○○だけは食べられる』――時々聞くフレーズは、本当だったよ」
こんなことなどなど。
お手紙では伝えきれなかったものをお互い伝え合い、お茶とお菓子をいただきながら、なんと4時間もお喋りをしてしまったのでした。
「……もう4時……!? あっという間に時間が過ぎましたね」
「だね、僕もビックリしているよ」
室内にある掛け時計を見たわたし達は揃って笑い、でも、まだまだ終わりません。
他にも一杯お話したいことがありますので、次々と話題が出てきて――
((???))
それから更に1時間半ほどが経った頃、不意にクロヴィスさんのお顔が少しばかり真面目なものになりました。
突然、どうされたのでしょうか……?
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