わたしはお払い箱なのですね? でしたら好きにさせていただきます

柚木ゆず

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エピローグ 聖女たちの未来 俯瞰視点

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 ラクリナルズとザッカールス。この2つの国には、国王と王妃以上に有名であり憧れの的となっている夫婦がいました。
 そんなふたりの名前は、シュザンヌとクロヴィス。ラクリナルズで聖女、ザッカールスで侯爵家当主を務めている男女です。

 ――聖女シュザンヌ――
 彼女はどんな時でも謙虚で思い遣りに溢れる、決してぶれない聖女の中の聖女。ラクリナルズにいる時は聖女として、ザッカールスにいる時は財団の副財団長として、日々精力的に弱き者にその手を差し伸べています。

 ――コザレイティア侯爵家当主クロヴィス――
 彼はどんな時でも身分や生まれで人を判断せず、公平な目で物事を見られる稀有な貴族。そんな彼はラクリナルズに居る時は『聖女の特別補佐』として、ザッカールスに居る時は当主であり複数の財団の長として、様々な形で人や動物を救っています。

 そしてそんな2人の国を跨いでの活動が、両国の民と貴族と王族を――すべての人々の心を動かし、ラクリナルズとザッカールスは完全なる和平を結ぶ。これまでは同盟を結んでいたものの互いに目を光らせていた両国でしたが、シュザンヌがザッカールス、クロヴィスがラクリナルズのために損得勘定抜きで活動を続けたことによって、『黒い感情』が消え去ったのです。

 そのためシュザンヌとクロヴィスは、両国でもっとも有名な夫婦となり――それ以外にももう一つ、2人が有名で憧れを抱かれている理由がありました。


「僕が財団を纏めていけるのは、シュザンヌの存在が大きいんです。あんなにも優しさに溢れていて頭の回転が速い人は、滅多にいませんよ。いつも助けられています」

「わたしが両国で『やりたいこと』を続けられるのは、クロヴィスさんのおかげです。聖女のお仕事をしてる時も財団のお仕事をしている時も、わたしが動きやすいようにサポートしてくださるんです。本当に、助かります」


「シュザンヌ、いつもお疲れ様。お茶の準備をしてあるよ」

「クロヴィスさん、お仕事お疲れ様です。今日はエッグタルトを焼きました」


 どんな時でも互いに敬意を抱き、相手のために自然と動く姿。


『お願いします……。信じてください……。わたしの言い分を、ちゃんと聞いてください……』

『いつの間にか、騒ぎが起きていたみたいだね。貴方様の主張を聞いてみたい。一部始終を僕に教えてくれますか?』


《お会いできなくなってしまい、申し訳ございません》

《お気になさらないでください。こうして文字でならお話しできますしね》

《そう、ですね。これからもよろしくお願い致します》

《こちらこそ、よろしくお願いします。……一緒にティラミスを楽しんだ時から、僕達は友人です。周りに相談できないことなどがあれば、いつでも遠慮なく相談してくださいね》

『この先君が涙を流す時は、喜びだけが理由となる。それを誓います。シュザンヌ、これからは同じ道を進んでいこうね』
『はいっ。はいっ! 同じ道を一緒に進んでいきましょうっ』


 2人が出逢い結ばれる経緯と、現在の相思相愛の様子。
 それらに対して、両国の男女の多くが憧れを抱くようになっていたのです。

 プライベート内外で多くの人から注目され、尊敬されるシュザンヌとクロヴィス。そんな2人の関係は、これからも変わることはありません。
 ずっと、薔薇色のまま。
 シュザンヌとクロヴィスは甘く幸せに満ちた人生を、この先も2人仲良く手を繋ぎ、笑顔で進んでゆくのでした――。

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