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第5話 逆監視2日目 監視スタート (2)
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「…………ミウヴァ様。もしかして、なんスけど……」
数秒間、唖然としたあと。殿下の奇行を目の当たりにしたラズフ様は、恐る恐る右手を上げました。
「一食分はほぼ終わってたのに肉料理を追加して、しかも生に近いものをガツガツ大量に食べる。しかもしかも最後のは血が残るくらいレアにしていて、ソレを嬉しそうに獰猛に舐めたっス。これって、『みたい』にじゃなくて『そのもの』。殿下達5人は、獣になってませんっスか?」
「はい、正解です。祈りの庇護から外れると、邪神が遺した呪いによって『獣』となるのですよ」
この国には邪神の怨念が漂っていて、聖なる力で相殺しないと心身が蝕まれてしまいます。
加護がなくなって1日経つと、自己治癒力や新陳代謝などが獣寄りになる。
加護がなくなって2日経つと、食生活が獣寄りになる。
加護がなくなって3日経つと、体毛(髪の毛)が獣寄りになる。
加護がなくなって4日経つと、性格が獣寄りになって攻撃的になる。
加護がなくなって5日経つと、言語が獣寄りになり始める。
加護がなくなって6日経つと、姿が獣になる。
そしてその後丸一日は1~5日目の変化は消えて元通りとなり、姿のみ獣人な人間となる――『邪神からのプレゼント』という『通常の理性となって、やがて再来する心身の異常に怯える時間』が訪れ、それが終わると急激に獣人化が進行。その13分後には、心も体も獣になってしまう。
以上が庇護を外れた弊害で、その全てを説明させてもらいました。
「なお獣人化は庇護下に入ると後退して元通りになりますので、6日後に王宮を尋ねて詳説するつもりです。心から反省をしたら許すのが聖女ですから、直接確認をしてみて――」
「聖女様は国民を不安にさせないように、ずっと独りで頑張ってくれてたんスね……っ! ずっとありがとうございますっスよっっっ!!」
ラズフ様は鼻を啜って私の両手をギュッと握り、片膝をついて歴代聖女達にも深謝の念を送ってくださいます。
……この方は、本当に変わった方ですね。
邪神の呪いを知ったのに、真っ先にこんな言葉が出るなんて。いつも、私の予想を超えてきます。
「今すぐヤツらにも真実を伝えて謝らせたいけど、バカはハッキリ症状が出るまで理解しないし、もっと懲らしめないとっス! だからグッと我慢の子で、6日目まではこの日々を続けるっスっ。ムカッとしまくりっスけど、我慢するっスよっ」
「いつも私のために怒ってくださり、ありがとうございます。その御言葉とお顔を聞いて見るたびに、嬉しくなれて――」
『聖女様、大変申し訳ございません。お時間でございます』
控えめなノックが鳴り、扉の向こうから済まなげなお声が響いてきました。
今日はこのあと、孤児院に伺う予定でしたね。怨念のご説明をしていたため、想像以上に時間が経っていたようです。
「…………午後は毎日、こんなにも予定がビッシリ……。となると…………そこに、なるっスかね」
「ラズフ様? 今、なんと仰いましたか?」
「こっちの話っスよ。お互い、仕事を頑張りましょう――じゃなくって、そうそうっス。ミウヴァ様は確か、午前7時に朝ご飯を食べてますっスよね?」
「はい。毎朝、その時間に食べています」
午前7時~午前7時40分。5時間の祈りは体力をかなり使うため、40分かけて栄養をたっぷり摂取しています。
「ではでは明日は、朝ご飯を食べずに待っててくださいっスよ。普段の朝ご飯に一つ追加する形で、多分? 良いものを用意しますんで」
「わ、分かりました。食べずにお待ちしています」
そちらに関して色々とお伺いをしたいのですが、生憎と時間がありません。そのため本日はここでお別れとなり、私は責務を果たすべく夜まで動き回ったのでした。
数秒間、唖然としたあと。殿下の奇行を目の当たりにしたラズフ様は、恐る恐る右手を上げました。
「一食分はほぼ終わってたのに肉料理を追加して、しかも生に近いものをガツガツ大量に食べる。しかもしかも最後のは血が残るくらいレアにしていて、ソレを嬉しそうに獰猛に舐めたっス。これって、『みたい』にじゃなくて『そのもの』。殿下達5人は、獣になってませんっスか?」
「はい、正解です。祈りの庇護から外れると、邪神が遺した呪いによって『獣』となるのですよ」
この国には邪神の怨念が漂っていて、聖なる力で相殺しないと心身が蝕まれてしまいます。
加護がなくなって1日経つと、自己治癒力や新陳代謝などが獣寄りになる。
加護がなくなって2日経つと、食生活が獣寄りになる。
加護がなくなって3日経つと、体毛(髪の毛)が獣寄りになる。
加護がなくなって4日経つと、性格が獣寄りになって攻撃的になる。
加護がなくなって5日経つと、言語が獣寄りになり始める。
加護がなくなって6日経つと、姿が獣になる。
そしてその後丸一日は1~5日目の変化は消えて元通りとなり、姿のみ獣人な人間となる――『邪神からのプレゼント』という『通常の理性となって、やがて再来する心身の異常に怯える時間』が訪れ、それが終わると急激に獣人化が進行。その13分後には、心も体も獣になってしまう。
以上が庇護を外れた弊害で、その全てを説明させてもらいました。
「なお獣人化は庇護下に入ると後退して元通りになりますので、6日後に王宮を尋ねて詳説するつもりです。心から反省をしたら許すのが聖女ですから、直接確認をしてみて――」
「聖女様は国民を不安にさせないように、ずっと独りで頑張ってくれてたんスね……っ! ずっとありがとうございますっスよっっっ!!」
ラズフ様は鼻を啜って私の両手をギュッと握り、片膝をついて歴代聖女達にも深謝の念を送ってくださいます。
……この方は、本当に変わった方ですね。
邪神の呪いを知ったのに、真っ先にこんな言葉が出るなんて。いつも、私の予想を超えてきます。
「今すぐヤツらにも真実を伝えて謝らせたいけど、バカはハッキリ症状が出るまで理解しないし、もっと懲らしめないとっス! だからグッと我慢の子で、6日目まではこの日々を続けるっスっ。ムカッとしまくりっスけど、我慢するっスよっ」
「いつも私のために怒ってくださり、ありがとうございます。その御言葉とお顔を聞いて見るたびに、嬉しくなれて――」
『聖女様、大変申し訳ございません。お時間でございます』
控えめなノックが鳴り、扉の向こうから済まなげなお声が響いてきました。
今日はこのあと、孤児院に伺う予定でしたね。怨念のご説明をしていたため、想像以上に時間が経っていたようです。
「…………午後は毎日、こんなにも予定がビッシリ……。となると…………そこに、なるっスかね」
「ラズフ様? 今、なんと仰いましたか?」
「こっちの話っスよ。お互い、仕事を頑張りましょう――じゃなくって、そうそうっス。ミウヴァ様は確か、午前7時に朝ご飯を食べてますっスよね?」
「はい。毎朝、その時間に食べています」
午前7時~午前7時40分。5時間の祈りは体力をかなり使うため、40分かけて栄養をたっぷり摂取しています。
「ではでは明日は、朝ご飯を食べずに待っててくださいっスよ。普段の朝ご飯に一つ追加する形で、多分? 良いものを用意しますんで」
「わ、分かりました。食べずにお待ちしています」
そちらに関して色々とお伺いをしたいのですが、生憎と時間がありません。そのため本日はここでお別れとなり、私は責務を果たすべく夜まで動き回ったのでした。
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