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第9話 逆監視4日目 監視スタート (2)
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《《《……………………》》》
和気藹々とババ抜きを始めてから、およそ三十数分後。5人はすっかり無言になって、各自が非常にイライラしながらゲームを続けています。
ロイ様は、ビリの回数が一番多くてイライラ。
ヴァン様は、一度も1位になれなくてイライラ。
妃殿下は、頻繁にババが引いてしまってイライラ。
陛下は、毎回手札が多くなってイライラ。
殿下は、毎回1位になるもロイ様に『兄さんズルをしてるでしょっ?』と言われてイライラ。
どなたも、すでに我慢の限界。次に不愉快なことが起きてしまったら、怒りが大爆発してしまう事でしょう。
「もう止めたらいいっスのに。全員が、スッキリして終わりたいんスねぇ」
「そのようですね。ですがオールドメイドは勝者が1人ですので、5人共にスッキリする時は訪れません」
コッソリ手の内を教えるなど全員が相手を思い遣れば空気は変わりますが、今の皆さんは――そもそも以前から、皆さんはそういうタイプではありません。なので予想通り、このゲームの終了と同時に大爆発が起こりました。
《また兄さんが一番になったっ!! 絶対にズルしてるでしょっ!? そういうのやめてよっ!!》
《俺は正々堂々やっているっ!! 負け惜しみを言うんじゃないっ!!》
《負け惜しみじゃないもんっ!! 事実を言ってるだけだもんっ!! やっぱりズルをしててっ、見抜かれたから慌ててるんでしょっ!?》
《いい加減にしろっ!! 負け犬の遠吠えは見苦しいぞっ!!》
殿下は激昂してロイ様に拳骨を落とし、それを合図にケンカが勃発。ロイ様は涙目になって殿下の胸倉を掴み、お二人による取っ組み合いが始まりました。
《弟のくせに生意気だっ!! お兄様が再教育をしてやる!!》
《自分で『お兄様』とかバッカみたいっ!! ちょっと歳が上なくらいで偉そうにするなっっ!!》
《……はぁ。兄上、ロイ、落ち着きましょう。俺のように我慢を覚えないと、王族失格ですよ――》
《うるさい!! お前は黙っていろ!!》《うるさいっ! ヴァン兄は黙っててよっ!!)》
2人は仲裁に入ったヴァン様の手を乱暴に払いのけ、それを切っ掛けにしてヴァン様も怒りが爆発。《下手に出たら調子に乗って……っ。そっちがその気ならっっ!!》と取っ組み合いに加わり、三つ巴の争いに発展してしまいました。
《っっ、お前達いい加減にしないか!! 今すぐ鎮まれ!!》
《弟は兄に服従するものだ!! この愚弟共が恥を知れっ!!》
《僕は兄さんの奴隷じゃない!! 普通は逆で、兄は弟に優しくするものでしょっ!!》
《俺は散々、貴方のサポートをしてきてあげたのに……っ。その台詞は看過できませんっっ!!》
陛下が大声を上げても、誰も聞く耳を持ちません。
取っ組み合いは更に激しさを増し、激昂したロイ様がトランプを投げます。そしてそれを殿下が避け、その結果――。その後ろにいた陛下の頬を掠め、お次は陛下が激怒します。
《貴様ら……っ。子供なら大人しく親の言う事を聞けっっ!!》
陛下は右手をテーブルに叩きつけてからケンカに参戦し、陛下が気付かない間に5つ目の爆弾が爆発します。
「ぁ。王がテーブルを叩いたせいで、食器が落ちて割れたっスね」
ステーキサンドが載っていたお皿がパリンと割れ、妃殿下の顔が瞬時に真っ赤になりました。
推測するに、この食器がお気に入りだったのでしょう。妃殿下は拳を作って争いに加わり、家族全員での大喧嘩に発展しました。
《あなた達が馬鹿みたいに騒ぐから割れたじゃないの!! 全員そこに並んで反省しなさいっっ!!》
《原因はコイツでしょっ!! 巻き込まないでよっっ!!》
《お前っ、今『コイツ』と言ったなっっ!? 二度と減らず口を叩けないようにしてやるっっ!!》
《その前に、さっきの非礼を詫びてください!! 早く謝罪をしてくださいよっ!!》
《しつこいぞお前ら!! 全員、俺の命令に従わないかぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!》
それぞれがそれぞれの理由で怒り心頭なため、収拾はなかなかつきません。
その後従者さん達が駆け付け制止を試みるも、止まらず。5人の大ゲンカは私達が逆監視を止めて仕事に向かう時もまだ続いていて、全員の体力が尽きるまで終わりは訪れないのだと確信しました。
和気藹々とババ抜きを始めてから、およそ三十数分後。5人はすっかり無言になって、各自が非常にイライラしながらゲームを続けています。
ロイ様は、ビリの回数が一番多くてイライラ。
ヴァン様は、一度も1位になれなくてイライラ。
妃殿下は、頻繁にババが引いてしまってイライラ。
陛下は、毎回手札が多くなってイライラ。
殿下は、毎回1位になるもロイ様に『兄さんズルをしてるでしょっ?』と言われてイライラ。
どなたも、すでに我慢の限界。次に不愉快なことが起きてしまったら、怒りが大爆発してしまう事でしょう。
「もう止めたらいいっスのに。全員が、スッキリして終わりたいんスねぇ」
「そのようですね。ですがオールドメイドは勝者が1人ですので、5人共にスッキリする時は訪れません」
コッソリ手の内を教えるなど全員が相手を思い遣れば空気は変わりますが、今の皆さんは――そもそも以前から、皆さんはそういうタイプではありません。なので予想通り、このゲームの終了と同時に大爆発が起こりました。
《また兄さんが一番になったっ!! 絶対にズルしてるでしょっ!? そういうのやめてよっ!!》
《俺は正々堂々やっているっ!! 負け惜しみを言うんじゃないっ!!》
《負け惜しみじゃないもんっ!! 事実を言ってるだけだもんっ!! やっぱりズルをしててっ、見抜かれたから慌ててるんでしょっ!?》
《いい加減にしろっ!! 負け犬の遠吠えは見苦しいぞっ!!》
殿下は激昂してロイ様に拳骨を落とし、それを合図にケンカが勃発。ロイ様は涙目になって殿下の胸倉を掴み、お二人による取っ組み合いが始まりました。
《弟のくせに生意気だっ!! お兄様が再教育をしてやる!!》
《自分で『お兄様』とかバッカみたいっ!! ちょっと歳が上なくらいで偉そうにするなっっ!!》
《……はぁ。兄上、ロイ、落ち着きましょう。俺のように我慢を覚えないと、王族失格ですよ――》
《うるさい!! お前は黙っていろ!!》《うるさいっ! ヴァン兄は黙っててよっ!!)》
2人は仲裁に入ったヴァン様の手を乱暴に払いのけ、それを切っ掛けにしてヴァン様も怒りが爆発。《下手に出たら調子に乗って……っ。そっちがその気ならっっ!!》と取っ組み合いに加わり、三つ巴の争いに発展してしまいました。
《っっ、お前達いい加減にしないか!! 今すぐ鎮まれ!!》
《弟は兄に服従するものだ!! この愚弟共が恥を知れっ!!》
《僕は兄さんの奴隷じゃない!! 普通は逆で、兄は弟に優しくするものでしょっ!!》
《俺は散々、貴方のサポートをしてきてあげたのに……っ。その台詞は看過できませんっっ!!》
陛下が大声を上げても、誰も聞く耳を持ちません。
取っ組み合いは更に激しさを増し、激昂したロイ様がトランプを投げます。そしてそれを殿下が避け、その結果――。その後ろにいた陛下の頬を掠め、お次は陛下が激怒します。
《貴様ら……っ。子供なら大人しく親の言う事を聞けっっ!!》
陛下は右手をテーブルに叩きつけてからケンカに参戦し、陛下が気付かない間に5つ目の爆弾が爆発します。
「ぁ。王がテーブルを叩いたせいで、食器が落ちて割れたっスね」
ステーキサンドが載っていたお皿がパリンと割れ、妃殿下の顔が瞬時に真っ赤になりました。
推測するに、この食器がお気に入りだったのでしょう。妃殿下は拳を作って争いに加わり、家族全員での大喧嘩に発展しました。
《あなた達が馬鹿みたいに騒ぐから割れたじゃないの!! 全員そこに並んで反省しなさいっっ!!》
《原因はコイツでしょっ!! 巻き込まないでよっっ!!》
《お前っ、今『コイツ』と言ったなっっ!? 二度と減らず口を叩けないようにしてやるっっ!!》
《その前に、さっきの非礼を詫びてください!! 早く謝罪をしてくださいよっ!!》
《しつこいぞお前ら!! 全員、俺の命令に従わないかぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!》
それぞれがそれぞれの理由で怒り心頭なため、収拾はなかなかつきません。
その後従者さん達が駆け付け制止を試みるも、止まらず。5人の大ゲンカは私達が逆監視を止めて仕事に向かう時もまだ続いていて、全員の体力が尽きるまで終わりは訪れないのだと確信しました。
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