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第5話 なんで? サーシャ視点(3)
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「「「………………………………」」」
姉様が立ち上がって頭を下げ、エザント様も立ち上がって顔を綻ばせる。そんな姿を、あたし達は呆然と見つめていた。
ど、どうなっているの……? この人は、告白を受けるとどうなるか知っているのに……。どうして、応じてるの……?
「ね、姉様……。なぜ、そのようなお返事を……?」
「お、お前は一昨日……。お断りを入れたのだろう……?」
「なのに、どうして……。お返事が、急に変わったの……?」
「ユリス様はずっとお慕いしていた方で、でも、様々な理由であきらめてしまって……。そうしたら、こうしてまた仰っていただけたので。自分の気持ちに蓋をするのは止めました」
い、意味が分からない。
2度目の告白があったから、受ける? その結果色々と迷惑がかかるのに? 蓋をするのを、止めるというの?
(どうなっているんだ……? アリシアは正気なのか……!?)
(もしかして……。落ち込み過ぎて、おかしくなってしまったのかしら……?)
(気が狂ったようには、見えない……。姉様は急にどうした――お父様お母様っ、原因を探っている場合じゃないわっ! 早く止めて!! 婚約をっ、結婚を阻止して!!)
相思相愛と知った時から、エザント様がカッコよく見えるようになっていた。だけどこんなに執心してるなら、いくらあたしが美人でもなびきはしない。心変わりがないならエザント様は不要の邪魔者で、この話をぐちゃぐちゃにしないといけない。
(あたしより先に、幸せになるなんて許さない。お父様お願い)
(そ、そうだな。分かった、任せなさい)
あたし達は3人でヒソヒソ話を行い、小さく頷いたお父様が2人に続いて立ち上がった。
「おっ、おっほん。エザント殿、申し訳ない。水を差す形となってしまいますが、交際を認めるわけにはいきませぬ」
「??? 先ほどまでは、自分の背中を押してくださっていましたよね……? ギヨム様、なぜなのでしょう?」
「そ、それは、ですな……。ええっと……。その……」
ああもう……っ。調子に乗って余計なことをしたから、理由を出しにくくなっちゃったじゃないのよ!
そこで口ごもるのは不自然だから! 早く思い付いて返事をしてよ……!
「あの、ええと……。じ、実は、非常に言いにくいことなのですがな……。わたし達は――」
「もしや、ギヨム様は――お二人は、あのことを心配されているのでしょうか? でしたら、こちらでご説明をさせていただきます」
お父様がモゴモゴしているとエザント様が何か勘違いをされたらしく、お父様とお母様を連れて部屋の隅に移動した。そしてそこで……書類? 懐から取り出した数枚の紙を見せながら何かを喋り始めて、4分くらいだと思う。ようやく謎のやり取りが終わって、全員が元の位置に戻った。
((意図はよく分からないけど、ラッキー。これだけ時間があれば、お父様も言い訳を思い付いたはず))
「では、お話しを戻させていただきます。父、母。交際を、婚約と結婚を、認めていただけますね?」
この家の実態を知らないエザント様は、改めて確認を行う。
で・も。
何があっても、認めるつもりはない。だから、お父様とお母様は――
「ええ! 娘をよろしくお願い致します!」
「よろしくお願い致しますわ!」
――なっ!?
即答で認めた!?
姉様が立ち上がって頭を下げ、エザント様も立ち上がって顔を綻ばせる。そんな姿を、あたし達は呆然と見つめていた。
ど、どうなっているの……? この人は、告白を受けるとどうなるか知っているのに……。どうして、応じてるの……?
「ね、姉様……。なぜ、そのようなお返事を……?」
「お、お前は一昨日……。お断りを入れたのだろう……?」
「なのに、どうして……。お返事が、急に変わったの……?」
「ユリス様はずっとお慕いしていた方で、でも、様々な理由であきらめてしまって……。そうしたら、こうしてまた仰っていただけたので。自分の気持ちに蓋をするのは止めました」
い、意味が分からない。
2度目の告白があったから、受ける? その結果色々と迷惑がかかるのに? 蓋をするのを、止めるというの?
(どうなっているんだ……? アリシアは正気なのか……!?)
(もしかして……。落ち込み過ぎて、おかしくなってしまったのかしら……?)
(気が狂ったようには、見えない……。姉様は急にどうした――お父様お母様っ、原因を探っている場合じゃないわっ! 早く止めて!! 婚約をっ、結婚を阻止して!!)
相思相愛と知った時から、エザント様がカッコよく見えるようになっていた。だけどこんなに執心してるなら、いくらあたしが美人でもなびきはしない。心変わりがないならエザント様は不要の邪魔者で、この話をぐちゃぐちゃにしないといけない。
(あたしより先に、幸せになるなんて許さない。お父様お願い)
(そ、そうだな。分かった、任せなさい)
あたし達は3人でヒソヒソ話を行い、小さく頷いたお父様が2人に続いて立ち上がった。
「おっ、おっほん。エザント殿、申し訳ない。水を差す形となってしまいますが、交際を認めるわけにはいきませぬ」
「??? 先ほどまでは、自分の背中を押してくださっていましたよね……? ギヨム様、なぜなのでしょう?」
「そ、それは、ですな……。ええっと……。その……」
ああもう……っ。調子に乗って余計なことをしたから、理由を出しにくくなっちゃったじゃないのよ!
そこで口ごもるのは不自然だから! 早く思い付いて返事をしてよ……!
「あの、ええと……。じ、実は、非常に言いにくいことなのですがな……。わたし達は――」
「もしや、ギヨム様は――お二人は、あのことを心配されているのでしょうか? でしたら、こちらでご説明をさせていただきます」
お父様がモゴモゴしているとエザント様が何か勘違いをされたらしく、お父様とお母様を連れて部屋の隅に移動した。そしてそこで……書類? 懐から取り出した数枚の紙を見せながら何かを喋り始めて、4分くらいだと思う。ようやく謎のやり取りが終わって、全員が元の位置に戻った。
((意図はよく分からないけど、ラッキー。これだけ時間があれば、お父様も言い訳を思い付いたはず))
「では、お話しを戻させていただきます。父、母。交際を、婚約と結婚を、認めていただけますね?」
この家の実態を知らないエザント様は、改めて確認を行う。
で・も。
何があっても、認めるつもりはない。だから、お父様とお母様は――
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――なっ!?
即答で認めた!?
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