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第9話 3人からアリシアへのお願い サーシャ視点(2)
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「アリシア……。こんな父で、申し訳ない…………。なにとぞ、お願い致します……」
「アリシア、こんな母でごめんなさい……。恥をかかせてしまい、ごめんなさい…………。よろしく、お願いします……」
「アリシア姉様……。いつも迷惑をかけて、ごめんなさい……。あたし達を、助けてください……」
3人揃って立ち上がり、姉様の前で両膝をついた状態で、深く頭を下げる。
あたしは、やり切ると決めたんだもの。滅茶苦茶ムカつくけど……っ。イライラ、イライラするけど……っ。このくらい平気よ……っ。
「ダニエル……。貴方からも、お願いをしてちょうだい……」
「え、あ、う、うん……。お願い、します……」
この家で唯一中立だったダニエルには、来訪の目的を一切何も伝えていない。だからずっと動揺していて、ソファーに座ったまま、呆然とあたし達を見ながら頭を下げた。
「……アリシアに酷い事をした我々が、苦しむのはまだいい……」
「……でも……。ダニエルは、わたくし達とは違う……」
「この子だけは、苦しんではいけない。この子のためにも、お金が必要なの。姉様、お願いします……!!」
姉様にとっては、ダニエルだけが味方だった。そんな人が辛い目に遭うのは、もっと嫌だよね?
お金を借りられるように、話をつけてくれるよね?
「………………分かりました。ユリスさんに、この件を確認してみます」
あたし。お父様。お母様。その順に見つめ、ダニエルに対しては大きく頷いたあと。姉様はゆっくりと立ち上がり、あたし達が喜ぶ返事をした。
やったっ! これでっ、金銭面は大逆転っ。明るい未来への第一歩を――
「ユリスさん。いかがでしょうか?」
――え……?
姉さんは、扉へと声をかけた。
確かユリス義兄様は、挨拶をしたあと2階にある自分の部屋に戻った。だから……。そこにいるはずはな――
「「「ええっ!?」」」
――そこにいるはずがない。そう思っていると扉がガチャリと開いて、ユリス義兄様が立っていた。
そして。そして……っ。彼は唖然としているあたし達に対して、更に唖然としなってしまうことを告げたのだった。
「貴方がたには、1ルピスたりとも渡せません。申し訳ありませんが、そのご依頼はお断りさせていただきます」
「アリシア、こんな母でごめんなさい……。恥をかかせてしまい、ごめんなさい…………。よろしく、お願いします……」
「アリシア姉様……。いつも迷惑をかけて、ごめんなさい……。あたし達を、助けてください……」
3人揃って立ち上がり、姉様の前で両膝をついた状態で、深く頭を下げる。
あたしは、やり切ると決めたんだもの。滅茶苦茶ムカつくけど……っ。イライラ、イライラするけど……っ。このくらい平気よ……っ。
「ダニエル……。貴方からも、お願いをしてちょうだい……」
「え、あ、う、うん……。お願い、します……」
この家で唯一中立だったダニエルには、来訪の目的を一切何も伝えていない。だからずっと動揺していて、ソファーに座ったまま、呆然とあたし達を見ながら頭を下げた。
「……アリシアに酷い事をした我々が、苦しむのはまだいい……」
「……でも……。ダニエルは、わたくし達とは違う……」
「この子だけは、苦しんではいけない。この子のためにも、お金が必要なの。姉様、お願いします……!!」
姉様にとっては、ダニエルだけが味方だった。そんな人が辛い目に遭うのは、もっと嫌だよね?
お金を借りられるように、話をつけてくれるよね?
「………………分かりました。ユリスさんに、この件を確認してみます」
あたし。お父様。お母様。その順に見つめ、ダニエルに対しては大きく頷いたあと。姉様はゆっくりと立ち上がり、あたし達が喜ぶ返事をした。
やったっ! これでっ、金銭面は大逆転っ。明るい未来への第一歩を――
「ユリスさん。いかがでしょうか?」
――え……?
姉さんは、扉へと声をかけた。
確かユリス義兄様は、挨拶をしたあと2階にある自分の部屋に戻った。だから……。そこにいるはずはな――
「「「ええっ!?」」」
――そこにいるはずがない。そう思っていると扉がガチャリと開いて、ユリス義兄様が立っていた。
そして。そして……っ。彼は唖然としているあたし達に対して、更に唖然としなってしまうことを告げたのだった。
「貴方がたには、1ルピスたりとも渡せません。申し訳ありませんが、そのご依頼はお断りさせていただきます」
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