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5話 必然のトラブル、発生(3)
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「はぁ、はぁ、はぁ……。あとは、一人。貴方、だけね……っ」
一対一の状況に持ち込んだ私は、息を切らし、身体を血だらけにしながら最後の敵を見据える。
二人を倒している間に、強烈な引っ掻きと噛み付きを何度も受けてしまった。数的には同等だけれど、体力は圧倒的にこっちが不利だ。
「「ぅぅ……っ。あぁ……っ。いた、いぃ……っつ」」
「……ウチの親友が、二人も苦しんでる。このお礼は、たっぷりさせてもらうわよ……!!」
最後の一人の目には尋常でない怒気が含まれるようになり、牙は恐ろしい程に大きく剥かれている。
本来暴力は厳禁で、振るったのであれば償いをしなければならない。ただし今のソレは、理不尽なもの。こういう怒りは、この身に受けるわけにはいかないわ。
「二人の分まで、痛めつけてあげる。覚悟しなさいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「貴方達には、屈せないっ。貴方に勝って、先に進むわっっ!!」
顔を歪ませながら突進してきた相手に対し、私も真正面から突進してゆく。
この身体じゃもう、機敏には戦えない。だから今までよりももっとシンプルに、正面からぶつかるしかない!
「私は止まれない、止まっちゃいけないのっ! この爪っ、届いてえええええええええええええええええっ!!」
「っっ、いつまでも調子よくいくと思うんじゃないわよ! 今後はこっちが顔を傷付ける番よぉぉぉぉぉぉっ!!」
二人同時に飛び上がり、空中で二つの爪が交錯する。
渾身の力で振るった、私の爪――。それが相手に届く、直前。私のより速く動いた相手の爪が私の額を傷付け、私はそのままバランスを崩して地面に叩きつけられた。
「うぁ……っ。ぁ、ぅ……っ」
「そんなにも怪我してたら、動きは遅くなっちゃう。一騎打ちをしたら、ウチが負ける要素はないのよね」
弱弱しく立ち上がると、綺麗に着地をした彼女がほくそ笑んだ。
そう、よね……。全力疾走に負傷が加わってるのだから、どうしてもそうなってしまうわよね……っ。
「さっきは運悪く額を引っ掻いちゃったけど、次は顔のど真ん中に決める。今度こそ終わりよ」
(……これ以上怪我をしたら、動けなくなる……。言う通り次を受けたら、終わりね……)
心の中で、私は呟く。
ここで倒れたら動けなくなって、間に合わなくなって、エルサを止められなくなる。
レイジ様が気付いていても仕来りのせいで式は止められず、レイジ様はエルサと初夜の儀を行ってしまう。
私のせいで無関係なレイジ様に、酷い思いをさせてしまう。
そんなの、嫌だ。絶対に嫌だ!!
「令嬢様、いよいよ終幕の時よ……っ。ウチの爪で裂かれなさいっっ!!」
私が頭の中で色々考えている間も、時間は進む。そのため正面にいる三毛猫が勢いよく地面を蹴って、こちら目指して駆けだした。
「抵抗もここまでっ! ウチらは最高の幸せを手に入れて、アンタは猫の人生が本格的にスタートよっ!」
「…………………………」
私は、無言。一言も発さずに、同じく地面を蹴った。
「さっき打ち負けたばかりなのに、また来るのっ? 好都合だわっ!」
「…………………………」
お互いお互いに向かって走り、接触まであと5メートルとなった。
「今度は必ず、顔の一番痛いトコを引っ掻いてあげるっ。覚悟しなさいっ!!」
「…………………………」
お互いの距離は、あと3メートル。ここで私達は地面を強く蹴り上げ、再び宙に舞った。
一対一の状況に持ち込んだ私は、息を切らし、身体を血だらけにしながら最後の敵を見据える。
二人を倒している間に、強烈な引っ掻きと噛み付きを何度も受けてしまった。数的には同等だけれど、体力は圧倒的にこっちが不利だ。
「「ぅぅ……っ。あぁ……っ。いた、いぃ……っつ」」
「……ウチの親友が、二人も苦しんでる。このお礼は、たっぷりさせてもらうわよ……!!」
最後の一人の目には尋常でない怒気が含まれるようになり、牙は恐ろしい程に大きく剥かれている。
本来暴力は厳禁で、振るったのであれば償いをしなければならない。ただし今のソレは、理不尽なもの。こういう怒りは、この身に受けるわけにはいかないわ。
「二人の分まで、痛めつけてあげる。覚悟しなさいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「貴方達には、屈せないっ。貴方に勝って、先に進むわっっ!!」
顔を歪ませながら突進してきた相手に対し、私も真正面から突進してゆく。
この身体じゃもう、機敏には戦えない。だから今までよりももっとシンプルに、正面からぶつかるしかない!
「私は止まれない、止まっちゃいけないのっ! この爪っ、届いてえええええええええええええええええっ!!」
「っっ、いつまでも調子よくいくと思うんじゃないわよ! 今後はこっちが顔を傷付ける番よぉぉぉぉぉぉっ!!」
二人同時に飛び上がり、空中で二つの爪が交錯する。
渾身の力で振るった、私の爪――。それが相手に届く、直前。私のより速く動いた相手の爪が私の額を傷付け、私はそのままバランスを崩して地面に叩きつけられた。
「うぁ……っ。ぁ、ぅ……っ」
「そんなにも怪我してたら、動きは遅くなっちゃう。一騎打ちをしたら、ウチが負ける要素はないのよね」
弱弱しく立ち上がると、綺麗に着地をした彼女がほくそ笑んだ。
そう、よね……。全力疾走に負傷が加わってるのだから、どうしてもそうなってしまうわよね……っ。
「さっきは運悪く額を引っ掻いちゃったけど、次は顔のど真ん中に決める。今度こそ終わりよ」
(……これ以上怪我をしたら、動けなくなる……。言う通り次を受けたら、終わりね……)
心の中で、私は呟く。
ここで倒れたら動けなくなって、間に合わなくなって、エルサを止められなくなる。
レイジ様が気付いていても仕来りのせいで式は止められず、レイジ様はエルサと初夜の儀を行ってしまう。
私のせいで無関係なレイジ様に、酷い思いをさせてしまう。
そんなの、嫌だ。絶対に嫌だ!!
「令嬢様、いよいよ終幕の時よ……っ。ウチの爪で裂かれなさいっっ!!」
私が頭の中で色々考えている間も、時間は進む。そのため正面にいる三毛猫が勢いよく地面を蹴って、こちら目指して駆けだした。
「抵抗もここまでっ! ウチらは最高の幸せを手に入れて、アンタは猫の人生が本格的にスタートよっ!」
「…………………………」
私は、無言。一言も発さずに、同じく地面を蹴った。
「さっき打ち負けたばかりなのに、また来るのっ? 好都合だわっ!」
「…………………………」
お互いお互いに向かって走り、接触まであと5メートルとなった。
「今度は必ず、顔の一番痛いトコを引っ掻いてあげるっ。覚悟しなさいっ!!」
「…………………………」
お互いの距離は、あと3メートル。ここで私達は地面を強く蹴り上げ、再び宙に舞った。
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☆読者様の御親切に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
ご心配頂きました件について『お礼とご報告』を近況ボードにてお伝えさせて頂きます。
引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです♡ (百谷シカ・拝)
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