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第2話 50Cの意味と、経緯 ユリウス視点(1)
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「ユリウス様、実はずっとお慕い申しておりました……っ。あの方ではなく、わたくしを妻にしてはくださいませんか……?」
それは今から3か月前、クララにプロポーズした次の日の出来事だった。突然リルファ子爵家のマーガレットが我が家(いえ)にやって来て、突然の非礼を詫びつつそんなことを言い出したのだ。
「一年前に夜会でお見掛けした時から想っており、でも、勇気を出せず……。昨夜、打ち明けようと思っていたのです。けれどその時、ああいった事があって……。その場では、口にできなくなってしまいました……」
「わたくしはこの世で、最もユリウス様に相応しい女と自負しております。その選択は、決して後悔させません。わたくしをお選びくださいませ……っ」
「……………………」
――この女は何を言っているのだろう――。それが、最初に抱いた感想だった。
すでに両想いとなっているのに、割り込んでこようとする。その上、あまつさえ自分が一番だと言い出す。
マーガレット・リルファ。なんと愚かな人間なのだろう。
俺に誰が相応しいかは、彼女が決めることではない。俺が決めることであって、それはクララ以外あり得ないのだ。
品と親しみやすさが同居する雰囲気。思い遣りがあり、真っすぐとした芯のある心。ユーモアのセンス。などなど。長所をあげはじめたら、キリがない。
友人に告げたら『彼女バカ』とからかわれるが、とにかくだ。俺は彼女を誰よりも愛していて、幸いにも、彼女もまた俺を同様に愛してくれている。
だから俺は、即座に否定して拒否をした。
すると、マーガレットは――
「ユリウス様はわたくしをあまりご存じないので、わたくしが『持つもの』に気付かないのですっ! 知っていただければ、わたくしこそが最もふさわしい女だと理解していただけますわっ!」
――今度はそう言い出して、そのため俺は『では君は、クララの何を知っているんだ?』『自分の発言が矛盾を含んでいると気付かないのか?』と返し、再び拒否をした。
だが彼女は、退かない。定期的に我が家にやって来ては、門の前で『わたくしを理解してください!』と繰り返す。
そのため――
「ユリウスよ、またあの者が来ているそうだ。万が一彼女の来訪をクララ嬢が知れば、誤解を与えかねない。そろそろ力ずくで追い返し、黙らせるべきやもしれんな」
「いえ、父上。お気持ちは有難いのですが、ああいった輩にそういった行為は意味がありません。懲りることはなく、あの手この手を使って今後も接触を試みるでしょう」
「ふむ……。だがユリウス、それでは現状が維持してしまうぞ?」
「そちらに関してですが、ご安心ください。こういったやり方は好きでありませんし、想い人に対して罪悪感を覚えるのですが――。しっかりと無害化させる方法を考えております」
そのため俺は用意してあった策を実行するべく、昨日マーガレットに接触。今日の提案を、行うことにしたのだった。
それは今から3か月前、クララにプロポーズした次の日の出来事だった。突然リルファ子爵家のマーガレットが我が家(いえ)にやって来て、突然の非礼を詫びつつそんなことを言い出したのだ。
「一年前に夜会でお見掛けした時から想っており、でも、勇気を出せず……。昨夜、打ち明けようと思っていたのです。けれどその時、ああいった事があって……。その場では、口にできなくなってしまいました……」
「わたくしはこの世で、最もユリウス様に相応しい女と自負しております。その選択は、決して後悔させません。わたくしをお選びくださいませ……っ」
「……………………」
――この女は何を言っているのだろう――。それが、最初に抱いた感想だった。
すでに両想いとなっているのに、割り込んでこようとする。その上、あまつさえ自分が一番だと言い出す。
マーガレット・リルファ。なんと愚かな人間なのだろう。
俺に誰が相応しいかは、彼女が決めることではない。俺が決めることであって、それはクララ以外あり得ないのだ。
品と親しみやすさが同居する雰囲気。思い遣りがあり、真っすぐとした芯のある心。ユーモアのセンス。などなど。長所をあげはじめたら、キリがない。
友人に告げたら『彼女バカ』とからかわれるが、とにかくだ。俺は彼女を誰よりも愛していて、幸いにも、彼女もまた俺を同様に愛してくれている。
だから俺は、即座に否定して拒否をした。
すると、マーガレットは――
「ユリウス様はわたくしをあまりご存じないので、わたくしが『持つもの』に気付かないのですっ! 知っていただければ、わたくしこそが最もふさわしい女だと理解していただけますわっ!」
――今度はそう言い出して、そのため俺は『では君は、クララの何を知っているんだ?』『自分の発言が矛盾を含んでいると気付かないのか?』と返し、再び拒否をした。
だが彼女は、退かない。定期的に我が家にやって来ては、門の前で『わたくしを理解してください!』と繰り返す。
そのため――
「ユリウスよ、またあの者が来ているそうだ。万が一彼女の来訪をクララ嬢が知れば、誤解を与えかねない。そろそろ力ずくで追い返し、黙らせるべきやもしれんな」
「いえ、父上。お気持ちは有難いのですが、ああいった輩にそういった行為は意味がありません。懲りることはなく、あの手この手を使って今後も接触を試みるでしょう」
「ふむ……。だがユリウス、それでは現状が維持してしまうぞ?」
「そちらに関してですが、ご安心ください。こういったやり方は好きでありませんし、想い人に対して罪悪感を覚えるのですが――。しっかりと無害化させる方法を考えております」
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