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推し活の帰りに……
しおりを挟むやはり、ラミ君しか勝たん。
今日もその言葉を合言葉に、1日を生きてきた。僕の名前は四ッ谷 楓。
ボーイズアイドルグループの「アンサンブル」のセンターである横山 ラミを推す腐男子(腐女子的な?)である。
「はぁ!今日も全く、疲れたな!」
バイト帰り。明日は学校。(我輩は、高校生であるのだ。)
この憂鬱さを、どうにか吹き飛ばしたい。
と、思ってたら……
グサっ…………
何者かが、僕に近づいてきて、僕の懐に刃物を突き刺した。僕は、驚きすぎて痛みを感じなかったが、懐から、ポタポタと血が垂れるのを見て、ただただ恐れを感じた。
僕は、声が出ないが、走って逃げようとしたが、損傷が大きすぎて、その場に倒れこんでしまった。
あぁ。血がダラダラとグロテスクに流れる。僕は死ぬのだ。
というか、こんな死にかたなのか。
どうせなら、一回くらい、ラミ君と会いたかった。ラミ君とは、会ったこと無いどころか、握手もしていない。話したりもしていない。ハグもなにもしていない。
こんな簡単に、こんなつまんない感じで、人生って終わっちゃうんだ。
僕は、静かにまぶたを閉じた。
僕は、死んだ。と、思ったら、まるで漫画のようなヨーロッパ風の豪邸のベッドに眠り込んでいた。僕の格好は貴族。
どうして?どうしてこうなった?
あれ?死んだんじゃなかったの?どうしてこんなに生きているの?
僕は、分からないまま再び眠りに入ろうとした。そしたら………………
「大丈夫か?」
突然、部屋のドアが開き、奥から人が出てきた。その人は、うん。うん。見間違えるはずがない。絶対にそうだ。人違い?そんな訳はない!
彼は、僕が愛してやまないラミ君であった。
貴族姿のラミ君であった。
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