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14.好きです
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店を出て、並んで歩きながら話をした。実際に会って話したのはしばらくぶりだったこともあり、話は尽きない。冷たい夜風が、火照った頬を軽くなでていく。他愛のない佐伯との会話は、ふさぎ込んでいた心を少しずつ癒してくれた。
ふと、佐伯が木崎の顔を覗き込んだ。
「元気、出たか?」
「うん、まあ」
木崎は笑って見せた。
「今日はありがとう。おかげで楽しかったよ」
その様子を佐伯はじっと見ていた。笑ってはいない。全てお見通しのようだ。
「ごめん。まだちょっと考えてた。……恋人のはずなのに、先輩のこと何も知らないなって」
「恋人だからって、全部が全部、知ってるとは限らないだろ。恋人相手にも言いたくないことって誰にでもあるんじゃないか」
佐伯は慰めてくれているようでほっとした。
しかし、「でも」と、急に声が鋭くなった。佐伯は眉間に皺を寄せながら続ける。
「俺はそれを抜きにしても、二人が恋人同士だとは思えない」
木崎はその言葉に思わず立ち止まった。先を行く佐伯が振り返る。
「何で木崎ばっかり尽くしてんだよ。お前は小野塚先輩に何かしてもらったのか? 一方的すぎるだろ。恋人にもいろんなかたちがあるとは思う。思うけど、どんなかたちであれ、お互い想い合ってるのが恋人じゃないのか。木崎の話聞いても、先輩が木崎を想ってるようには思えない」
普段、笑顔を絶やさない佐伯の表情からは、想像できないような顔だ。怒っているのか、佐伯の視線は、木崎を射抜くように鋭い。
「その……本当の恋人だとか、そんなのは求めてないんだ。ただ、恋人ごっこでもいいから先輩の側にいたいって、僕が勝手に思ってるだけ。今はまだ、気持ち悪いとか、金をくれるやつだとか思われていても、いつかは、木崎がいてくれてよかったって――」
「その考えが、もうおかしい」
木崎の言葉を打ち消すように佐伯は言い放った。木崎は愕然として佐伯を見る。
(佐伯は味方じゃなかったのか。ただひとり、理解してくれる相手だと……)
「……悪い」
佐伯は声を落とし、乱暴に頭をかいた。
「言い方がきつくなった」
立ち尽くす二人の横を自転車が通り過ぎる。車輪の音が小さくなると、佐伯は木崎を見つめた。
「でも俺は、木崎が傷ついて、悲しんでるのは嫌なんだよ」
真剣な眼差しだった。本気で佐伯が心配してくれているのが分かる。あまりにも真っ直ぐな視線に、思わず木崎は目を逸らした。
「ありがとう。先のこと、よく、考えてみるよ」
そしてふたりは、再び無言で歩き始めた。
(僕は、先輩のことを好きなんだろうか)
木崎は、前を歩く佐伯の背中を見ながら考える。
きっと小野塚のことは好きだとは思う。でなければ、あんなにも小野塚に尽くしたりはしない。こんなにも、小野塚のことに頭を悩ませたりしない。
(じゃあ、いつから? 最初からずっと?)
小野塚と出会ってから今日まで、変わることなく小野塚のことが好きだったのだろうか。
復讐したいと思っていたのも、小野塚のことを少なからず想っていたからなのだろうか。
変わってしまった姿を見ても、一目で小野塚だと気付いたのも、彼をずっと想い続けていたからだろうか。
浮かんだ問いをひとつひとつ紐解いていけば、あっけなく簡単に、証明できてしまった。
(なんだ、わかりきってたことじゃないか。僕はずっと、小野塚先輩のことが――)
見て見ぬ振りをしていただけだ。気づかないふりをしていただけだ。初恋を踏みにじられた痛みを知っているから、もう一度傷つかないようにと。
長い年月でかたちが変わっていただけで、根っこにある感情は始めからずっと同じだった。
頭にかかった靄が晴れていく。それが答えなのだ。
佐伯に伝えようと、口を開いたところで、佐伯が振り向いた。
「じゃあ」
佐伯が、右手に伸びる道を指差す。
「俺はこっちだから」
(やっと自分の気持ちがわかったよ、なんて話で引き止めるのも悪いか。笑って見送らないと)
木崎は笑みを浮かべて、軽く右手をあげた。
「ん、佐伯、今日は本当にありがとう。また飲みにいこうな。連絡するよ」
うまく笑えていなかったのだろうか。佐伯が何か言いたげに下唇を噛んだ。
「木崎」
佐伯が呼ぶ。冷たい風が髪をかき混ぜ、辺りは静寂に包まれた。
「さっきの話だけど、もう一つだけ」
「さっき? なに?」
「俺と、恋人にならないか」
思いもよらない言葉に、木崎は固まった。飲み過ぎだよ、と笑い飛ばそうと思ったが、できなかった。冗談を言っているわけではないと分かる。佐伯は真剣な表情で木崎を見ていた。
「俺だったら木崎を幸せにしてやれる。絶対に悲しませたり、悩ませたりしない。会う時間はお互いに忙しいからなかなか取れないと思うけど、電話もメールもまめにする。大切にするから」
佐伯は真っ直ぐ続けた。はっきりと、止める間もなく。
「好きです。俺と、付き合ってください」
高校のときから佐伯の姿を思い返す。そんな素振り、全然なかった。告白された今もわからない。彼女を紹介されたこともあった。
「……佐伯は、男が好きじゃない」
「うん、違う。違った。でも、木崎のことは好きだ」
十年来の友人からの告白に、木崎は動揺した。
(なんで急に……佐伯はずっとそう思っていたのか? いつから? いや、違う)
「か、勘違いしてるんだよ。僕のこと、可哀想なやつだと思ってるんだ。同情と好意を履き違えているんだって」
「違う。急に告白して混乱させたのは悪い。でも俺の気持ちを勘違いで片付けないでくれ」
「っ、ごめん」
「それを言ったら、それこそ、木崎が小野塚先輩に抱いた気持ちと、同じなんじゃないのか」
(同じ……?)
すぐに否定できなかった。哀れだとは思った。だがそれで小野塚と付き合おうと思ったわけではない。
さっきようやく理解したのだ。昔からずっと、小野塚のことが好きだったのだと。
しかし、改めて問われると自信が持てない。愛していると思った相手は、この世にひとりしかいないのだから。
「でも……急にそんなこと言われても……」
ふたりはそのまま黙り込んでしまった。空気の重さで潰れてしまいそうだ。真っ暗な夜空が落ちてきているのかもしれない。遠くで、大学生なのか、楽しそうな笑い声が響いている。
佐伯が、上を見上げて、大きく息を吐いた。
「……俺も、急に木崎のこと好きだって気づいたからさ、しばらく落ち着いて考えてみるよ。だから木崎も、俺のこと、少しでいいから考えてみてくれないか。ゆっくりでいいよ。ずっと、待ってるから」
木崎は何も返せなかった。立ちつくす木崎にそれだけを言い残して、佐伯は去っていった。佐伯の背中を、木崎は黙って見送った。
半ば呆然としたまま自分の家へと向かいながら、木崎は佐伯の言葉を頭の中で繰り返してみた。
(好き。佐伯が、僕のことを……、僕は、佐伯を……。違う。好きなのは、――)
「――きです」
木崎は呟き、その場にうずくまった。
「……好き、好きです、小野塚先輩……。ずっと……先輩のこと、好きでした……」
声が小さく震える。誰も聞いていない告白は夜の闇に消えていった。
無性に小野塚に会いたかった。小野塚と身体を繋げたかった。小野塚の体温と匂いで身体も心も満たして、何も考える隙間を入れたくなかった。小野塚だけが恋人なんだと思いたかった。
ぼんやりとしたままマンションに着く。そのまま真っ直ぐ机に向かい、引き出しを開けた。だが、どこを探しても、あの写真は出てこなかった。まだ何も始まっていない、まっさらで、純粋で、哀れなふたりの写真だ。
(僕が好きなのは、小野塚先輩だけだ)
初めてその姿を見たときから、受験に専念したいと振られたときも、東京の大学に入り、就職した後も、公園で再会し、恋人になろうと言った時も、ずっと小野塚のことが好きだったのだ。
佐伯の告白を頭の中から消してしまいたかった。佐伯に失礼だと分かっていても、何事もなかったかのように友達として佐伯に会いたかった。
でも、心から、口から、零れてしまった言葉がもう戻らないということは、木崎が一番よく知っていた。
ふと、佐伯が木崎の顔を覗き込んだ。
「元気、出たか?」
「うん、まあ」
木崎は笑って見せた。
「今日はありがとう。おかげで楽しかったよ」
その様子を佐伯はじっと見ていた。笑ってはいない。全てお見通しのようだ。
「ごめん。まだちょっと考えてた。……恋人のはずなのに、先輩のこと何も知らないなって」
「恋人だからって、全部が全部、知ってるとは限らないだろ。恋人相手にも言いたくないことって誰にでもあるんじゃないか」
佐伯は慰めてくれているようでほっとした。
しかし、「でも」と、急に声が鋭くなった。佐伯は眉間に皺を寄せながら続ける。
「俺はそれを抜きにしても、二人が恋人同士だとは思えない」
木崎はその言葉に思わず立ち止まった。先を行く佐伯が振り返る。
「何で木崎ばっかり尽くしてんだよ。お前は小野塚先輩に何かしてもらったのか? 一方的すぎるだろ。恋人にもいろんなかたちがあるとは思う。思うけど、どんなかたちであれ、お互い想い合ってるのが恋人じゃないのか。木崎の話聞いても、先輩が木崎を想ってるようには思えない」
普段、笑顔を絶やさない佐伯の表情からは、想像できないような顔だ。怒っているのか、佐伯の視線は、木崎を射抜くように鋭い。
「その……本当の恋人だとか、そんなのは求めてないんだ。ただ、恋人ごっこでもいいから先輩の側にいたいって、僕が勝手に思ってるだけ。今はまだ、気持ち悪いとか、金をくれるやつだとか思われていても、いつかは、木崎がいてくれてよかったって――」
「その考えが、もうおかしい」
木崎の言葉を打ち消すように佐伯は言い放った。木崎は愕然として佐伯を見る。
(佐伯は味方じゃなかったのか。ただひとり、理解してくれる相手だと……)
「……悪い」
佐伯は声を落とし、乱暴に頭をかいた。
「言い方がきつくなった」
立ち尽くす二人の横を自転車が通り過ぎる。車輪の音が小さくなると、佐伯は木崎を見つめた。
「でも俺は、木崎が傷ついて、悲しんでるのは嫌なんだよ」
真剣な眼差しだった。本気で佐伯が心配してくれているのが分かる。あまりにも真っ直ぐな視線に、思わず木崎は目を逸らした。
「ありがとう。先のこと、よく、考えてみるよ」
そしてふたりは、再び無言で歩き始めた。
(僕は、先輩のことを好きなんだろうか)
木崎は、前を歩く佐伯の背中を見ながら考える。
きっと小野塚のことは好きだとは思う。でなければ、あんなにも小野塚に尽くしたりはしない。こんなにも、小野塚のことに頭を悩ませたりしない。
(じゃあ、いつから? 最初からずっと?)
小野塚と出会ってから今日まで、変わることなく小野塚のことが好きだったのだろうか。
復讐したいと思っていたのも、小野塚のことを少なからず想っていたからなのだろうか。
変わってしまった姿を見ても、一目で小野塚だと気付いたのも、彼をずっと想い続けていたからだろうか。
浮かんだ問いをひとつひとつ紐解いていけば、あっけなく簡単に、証明できてしまった。
(なんだ、わかりきってたことじゃないか。僕はずっと、小野塚先輩のことが――)
見て見ぬ振りをしていただけだ。気づかないふりをしていただけだ。初恋を踏みにじられた痛みを知っているから、もう一度傷つかないようにと。
長い年月でかたちが変わっていただけで、根っこにある感情は始めからずっと同じだった。
頭にかかった靄が晴れていく。それが答えなのだ。
佐伯に伝えようと、口を開いたところで、佐伯が振り向いた。
「じゃあ」
佐伯が、右手に伸びる道を指差す。
「俺はこっちだから」
(やっと自分の気持ちがわかったよ、なんて話で引き止めるのも悪いか。笑って見送らないと)
木崎は笑みを浮かべて、軽く右手をあげた。
「ん、佐伯、今日は本当にありがとう。また飲みにいこうな。連絡するよ」
うまく笑えていなかったのだろうか。佐伯が何か言いたげに下唇を噛んだ。
「木崎」
佐伯が呼ぶ。冷たい風が髪をかき混ぜ、辺りは静寂に包まれた。
「さっきの話だけど、もう一つだけ」
「さっき? なに?」
「俺と、恋人にならないか」
思いもよらない言葉に、木崎は固まった。飲み過ぎだよ、と笑い飛ばそうと思ったが、できなかった。冗談を言っているわけではないと分かる。佐伯は真剣な表情で木崎を見ていた。
「俺だったら木崎を幸せにしてやれる。絶対に悲しませたり、悩ませたりしない。会う時間はお互いに忙しいからなかなか取れないと思うけど、電話もメールもまめにする。大切にするから」
佐伯は真っ直ぐ続けた。はっきりと、止める間もなく。
「好きです。俺と、付き合ってください」
高校のときから佐伯の姿を思い返す。そんな素振り、全然なかった。告白された今もわからない。彼女を紹介されたこともあった。
「……佐伯は、男が好きじゃない」
「うん、違う。違った。でも、木崎のことは好きだ」
十年来の友人からの告白に、木崎は動揺した。
(なんで急に……佐伯はずっとそう思っていたのか? いつから? いや、違う)
「か、勘違いしてるんだよ。僕のこと、可哀想なやつだと思ってるんだ。同情と好意を履き違えているんだって」
「違う。急に告白して混乱させたのは悪い。でも俺の気持ちを勘違いで片付けないでくれ」
「っ、ごめん」
「それを言ったら、それこそ、木崎が小野塚先輩に抱いた気持ちと、同じなんじゃないのか」
(同じ……?)
すぐに否定できなかった。哀れだとは思った。だがそれで小野塚と付き合おうと思ったわけではない。
さっきようやく理解したのだ。昔からずっと、小野塚のことが好きだったのだと。
しかし、改めて問われると自信が持てない。愛していると思った相手は、この世にひとりしかいないのだから。
「でも……急にそんなこと言われても……」
ふたりはそのまま黙り込んでしまった。空気の重さで潰れてしまいそうだ。真っ暗な夜空が落ちてきているのかもしれない。遠くで、大学生なのか、楽しそうな笑い声が響いている。
佐伯が、上を見上げて、大きく息を吐いた。
「……俺も、急に木崎のこと好きだって気づいたからさ、しばらく落ち着いて考えてみるよ。だから木崎も、俺のこと、少しでいいから考えてみてくれないか。ゆっくりでいいよ。ずっと、待ってるから」
木崎は何も返せなかった。立ちつくす木崎にそれだけを言い残して、佐伯は去っていった。佐伯の背中を、木崎は黙って見送った。
半ば呆然としたまま自分の家へと向かいながら、木崎は佐伯の言葉を頭の中で繰り返してみた。
(好き。佐伯が、僕のことを……、僕は、佐伯を……。違う。好きなのは、――)
「――きです」
木崎は呟き、その場にうずくまった。
「……好き、好きです、小野塚先輩……。ずっと……先輩のこと、好きでした……」
声が小さく震える。誰も聞いていない告白は夜の闇に消えていった。
無性に小野塚に会いたかった。小野塚と身体を繋げたかった。小野塚の体温と匂いで身体も心も満たして、何も考える隙間を入れたくなかった。小野塚だけが恋人なんだと思いたかった。
ぼんやりとしたままマンションに着く。そのまま真っ直ぐ机に向かい、引き出しを開けた。だが、どこを探しても、あの写真は出てこなかった。まだ何も始まっていない、まっさらで、純粋で、哀れなふたりの写真だ。
(僕が好きなのは、小野塚先輩だけだ)
初めてその姿を見たときから、受験に専念したいと振られたときも、東京の大学に入り、就職した後も、公園で再会し、恋人になろうと言った時も、ずっと小野塚のことが好きだったのだ。
佐伯の告白を頭の中から消してしまいたかった。佐伯に失礼だと分かっていても、何事もなかったかのように友達として佐伯に会いたかった。
でも、心から、口から、零れてしまった言葉がもう戻らないということは、木崎が一番よく知っていた。
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