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第2章
初恋は実らないものと、いうけれど……。 SIDE BOYS
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思い当って、厄介過ぎる……と、カグラは思う。
そう言えば、今までレーツェルは本気になった相手がいない。特定の相手や友達以上恋人未満の関係すらもいない。
そんなレーツェルは、なんだかんだと言ってもモテる
王家と縁続きと言うバックグラウンドがあると言うのも一つの要因だが、美貌の女傑副騎士団長(叔母)似の容姿で、それなりの長身だから騎士団の制服を纏えばかなり目を惹く存在になる。
舞踏会など開かれた時に護衛として付いて来た事を理由に、ダンスの誘いを片っ端から断った実績がある。
令嬢達には、にこやかに対応し、しかしやんわり後腐れ無く、お誘いは断るという高度な技だなぁと感心した時もある。
レーツェルに想いを寄せる令嬢達が多いのも知っているけれど、誰一人として彼の目に留まった者はいない。
そう、今まで、あんな風に誰かを構った事がない。
理由にかこつけて、接点を持とうとする事は一度も無かったのだ。
ナツキに見せた笑顔と同じに、令嬢達を扱ってはいたが瞳の奥では少しも楽しくないいうのが見て取れた。
今回ばかりは違う。
あの瞳は楽しいといっていた。
そして、エスパーダ家に伝わる伝説が頭を過る。
直系の者は、一目惚れ……『初恋』をする。
初恋は必ず実る。
と、言う眉唾物だが……実際は、真実でもある。
カグラの母もまた一目惚れをして、ゴールインした内の一人だ。
直系の者総てが、初恋を実らせていると言う奇跡的な家系なのである。
――――自覚したら、面倒だなこれは。
現時点では、自分が一目惚れをしたのに気付いていない。
今までのエスパーダ家直系の話を聞いた限りでは、10歳位には好きな人=結婚相手を見付けているのが定石だったそうだ。
しかし、レーツェルは今までそんな相手に出会えていなかった。
――――なんでよりによって、ナツキなんだ!? この事が陛下にバレたら間違いなく、利用されかねないな。
恋敵として焚き付けるのは当たり前だろうと思い、カグラは頭が痛くなって来る。
理事長には「あまり興味はない」と言ったが、裏を返せば少しは興味があると言う事で……。
幼い時の彼女は、とても気丈だったのを記憶している。
殺されそうになったのに、冷静だった。
泣き叫びもしない。
震えて立てなくなってもいない。
怪我していても、平気な姿でいた。
女性を冷めた風にしか見れなかった自分の眼に、彼女は面白い存在だと映った。
今もその想いはある。
もしかしたら、彼女の側なら『自分』として居られるのではないか? そんな期待を少し抱いていた。
一方的な想いは、ただの重荷になる。
あからさまに好意をぶつけて来る令嬢達を見て、体験しているからこそ、自分の気持ちは面倒だと思ってしまう。
自分が少しでも誰かに想い入れがあれば、それに気付いた誰かが面倒事を起こすのが目に見えている。
それに気が付いた時から、冷めて物事をみる事にした。
そうすれば、浅はかな行動はしなくなる。
――――その代わり、誰かに心を動かされなくなった。
我ながら冷め過ぎて氷の様だと思う事もある。
彼女ならば、レーツェルの様に心を動かされるのだろうか?
自問自答しながら、カグラはもやもやした気持ちを胸に押し込んだ。
そう言えば、今までレーツェルは本気になった相手がいない。特定の相手や友達以上恋人未満の関係すらもいない。
そんなレーツェルは、なんだかんだと言ってもモテる
王家と縁続きと言うバックグラウンドがあると言うのも一つの要因だが、美貌の女傑副騎士団長(叔母)似の容姿で、それなりの長身だから騎士団の制服を纏えばかなり目を惹く存在になる。
舞踏会など開かれた時に護衛として付いて来た事を理由に、ダンスの誘いを片っ端から断った実績がある。
令嬢達には、にこやかに対応し、しかしやんわり後腐れ無く、お誘いは断るという高度な技だなぁと感心した時もある。
レーツェルに想いを寄せる令嬢達が多いのも知っているけれど、誰一人として彼の目に留まった者はいない。
そう、今まで、あんな風に誰かを構った事がない。
理由にかこつけて、接点を持とうとする事は一度も無かったのだ。
ナツキに見せた笑顔と同じに、令嬢達を扱ってはいたが瞳の奥では少しも楽しくないいうのが見て取れた。
今回ばかりは違う。
あの瞳は楽しいといっていた。
そして、エスパーダ家に伝わる伝説が頭を過る。
直系の者は、一目惚れ……『初恋』をする。
初恋は必ず実る。
と、言う眉唾物だが……実際は、真実でもある。
カグラの母もまた一目惚れをして、ゴールインした内の一人だ。
直系の者総てが、初恋を実らせていると言う奇跡的な家系なのである。
――――自覚したら、面倒だなこれは。
現時点では、自分が一目惚れをしたのに気付いていない。
今までのエスパーダ家直系の話を聞いた限りでは、10歳位には好きな人=結婚相手を見付けているのが定石だったそうだ。
しかし、レーツェルは今までそんな相手に出会えていなかった。
――――なんでよりによって、ナツキなんだ!? この事が陛下にバレたら間違いなく、利用されかねないな。
恋敵として焚き付けるのは当たり前だろうと思い、カグラは頭が痛くなって来る。
理事長には「あまり興味はない」と言ったが、裏を返せば少しは興味があると言う事で……。
幼い時の彼女は、とても気丈だったのを記憶している。
殺されそうになったのに、冷静だった。
泣き叫びもしない。
震えて立てなくなってもいない。
怪我していても、平気な姿でいた。
女性を冷めた風にしか見れなかった自分の眼に、彼女は面白い存在だと映った。
今もその想いはある。
もしかしたら、彼女の側なら『自分』として居られるのではないか? そんな期待を少し抱いていた。
一方的な想いは、ただの重荷になる。
あからさまに好意をぶつけて来る令嬢達を見て、体験しているからこそ、自分の気持ちは面倒だと思ってしまう。
自分が少しでも誰かに想い入れがあれば、それに気付いた誰かが面倒事を起こすのが目に見えている。
それに気が付いた時から、冷めて物事をみる事にした。
そうすれば、浅はかな行動はしなくなる。
――――その代わり、誰かに心を動かされなくなった。
我ながら冷め過ぎて氷の様だと思う事もある。
彼女ならば、レーツェルの様に心を動かされるのだろうか?
自問自答しながら、カグラはもやもやした気持ちを胸に押し込んだ。
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