悪役にされた令嬢は、阿呆共に報復する

龍希

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断罪の六重奏12

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 虚ろな表情で廊下を歩き、カルステンは自分の部屋の前に着いた。カラカラと音が聞こえたので、目線をその方向へ移す。視界に入ったのは、執事服を着こなしているファルクスで、彼はティーワゴンを押していた。
「ファルクス?」
「あぁ、丁度良かったようですね」
 にこやかに微笑みを浮かべて、さらりと告げてくる。いかにも害意のない二色の瞳で、見詰められてカルステンは混乱と戸惑いの様相で、困惑していた。
 かちゃりとカルステンの私室のドアが、筆頭執事のエドモンによって開けられた。
「坊っちゃま、中にお入り下さい」
 あまり廊下に立たせたくないのか、エドモンは動揺するカルステンを促した。
「……ああ」
 カルステンがチラチラと、ファルクスをみやりながらドアをくぐる。続いてエドモンが入っていく。カラカラとティーワゴンを押して、ファルクスが室内に踏み込んだ。
 ドアを一度閉めてから、ファルクスはエドモンに声を掛けた。
「エドモンさん、私はカルステン様と話がしたいので、暫くの間の監視はお任せ下さい」
 エドモンはファルクスをじっと見詰めて、ゆっくりと口を開いた。
「あまり無体な事はしなければ構わない」
「ええ、必要な事・・・・・・以外、無体な真似はしません」
「では、任せた。終わったら私の所に来て報告を」
「畏まりました」
 品のある所作でファルクスは、お辞儀をして了承する。エドモンはあっさりと了承して、さっさとファルクスの私室から去っていった。
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