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エルアーラ遺跡編
episode454
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ルーファスとマリオンが慌てて防御を準備する。シビルとカーティスも慌てて防御呪文を唱え始めた。
「ディバイン・スパーク!!」
放電する光の玉がヒューゴめがけて飛び、着弾とともに爆発した。
室内が瞬時に白光に包まれるほどの強烈な光が走り、稲妻が無数に舞踊りながら爆煙が吹き上がっていた。
「アルカネットのイラアルータ・トニトルスと互角ですかね。場所も考えず相変わらず無茶をする。ストレス溜め込みすぎですよ」
シ・アティウスの棒読みのようなツッコミに、ベルトルドは目を吊り上げながら舌を出した。
「五月蝿いっ! 余計なお世話だ!」
マントを翻しながらその場に留まり、ベルトルドは次の攻撃態勢に入っていた。
ヒューゴは咄嗟にシントパピンで防御膜を張って攻撃を防いだが、全ての衝撃は防ぎきれず、いくつかの彫像が破損していた。
「偉そうなだけじゃなかったんですね」
苦笑いながら、ヒューゴは破損した駒に触れ修復する。
「偉そうじゃない、偉いんだ、俺は」
ヒューゴが駒を修復する様子を見て、ベルトルドはなるほど、と内心で頷いた。やはり徹底的に破壊するか、ヒューゴを消さない限りは際限がないようだ。
ベルトルドは右掌を開くと、そこに意識を集中させた。
この遺跡内に微量に漂う電気を、ひとつに集める。
サイ《超能力》は属性の力を生み出すことは出来ない。体内に魔力を有していないからだ。しかし、自然に漂うエネルギーを一つに集め、圧縮して放つことができる。そうして、あらゆる属性に対応するエネルギー体を作り出すことは可能だった。
やがてベルトルドの掌に集まった膨大な電気エネルギーは凝縮され、徐々に形を成していく。
「おやおや、久しぶりの大技ですか……」
妙に感心したようにシ・アティウスが呟くと、
「ディバイン・スパークよりもさらに大技あるんですか!?」
泣きそうな顔になって、思わずルーファスが叫ぶ。
「アルカネットもベルトルドも、雷系の攻撃が大得意のようですね。今発動しようとしている大技は、100%ヒューゴを貫きますよ」
ベルトルドの掌の上に、金属的な光沢を放つ一本の三叉戟が浮かんでいた。それは稲妻を踊らせながら大きくなっていく。
「雷霆(ケラウノス)と呼称するベルトルド様の必殺技です。あまりお目にかかれるものじゃありませんので、見ることができて良かったですね」
ありがた迷惑の何ものでもないような声で言われて、ライオン傭兵団はげんなりとベルトルドを見ていた。
――あのひと本当に人間か!?
警戒しながらも、ヒューゴの目は雷霆(ケラウノス)に吸い付いていた。
「無駄ですよ、そんなあからさまなものは、避ければすむことです」
「フンッ。避けられるもんなら避けてみるがいい」
柄の部分をグッと握り、矛先をヒューゴに向けると、無造作に投げつけた。
あまりに適当に投げつけてきた雷霆(ケラウノス)を、ヒューゴはかわすべく身体を動かそうとした。しかし、足も身体もその場に縫い付けられたように動かない。ギョッとして咄嗟にシントパピンで防御した。
雷霆(ケラウノス)は真っ直ぐヒューゴに飛んで、先程よりもさらに強烈な光と爆音を轟かせて爆発した。
爆風に身体を吹き飛ばされそうになって、ライオン傭兵団は踏ん張った。爆風と煙に混じる静電気で髪の毛が逆巻き上げられて、肌にもぴりぴりと電気が嬲っていった。
「あんなの食らったら死ぬだろ……フツー」
目をひん剥いて凝視しながら、ヴァルトは生唾を飲み込んだ。あちこちから同意するように頷く気配が起こる。
白煙がおさまってくると、いたるところで小さな稲妻を発しながら、無残な姿のヒューゴがかろうじて立っていた。
「ディバイン・スパーク!!」
放電する光の玉がヒューゴめがけて飛び、着弾とともに爆発した。
室内が瞬時に白光に包まれるほどの強烈な光が走り、稲妻が無数に舞踊りながら爆煙が吹き上がっていた。
「アルカネットのイラアルータ・トニトルスと互角ですかね。場所も考えず相変わらず無茶をする。ストレス溜め込みすぎですよ」
シ・アティウスの棒読みのようなツッコミに、ベルトルドは目を吊り上げながら舌を出した。
「五月蝿いっ! 余計なお世話だ!」
マントを翻しながらその場に留まり、ベルトルドは次の攻撃態勢に入っていた。
ヒューゴは咄嗟にシントパピンで防御膜を張って攻撃を防いだが、全ての衝撃は防ぎきれず、いくつかの彫像が破損していた。
「偉そうなだけじゃなかったんですね」
苦笑いながら、ヒューゴは破損した駒に触れ修復する。
「偉そうじゃない、偉いんだ、俺は」
ヒューゴが駒を修復する様子を見て、ベルトルドはなるほど、と内心で頷いた。やはり徹底的に破壊するか、ヒューゴを消さない限りは際限がないようだ。
ベルトルドは右掌を開くと、そこに意識を集中させた。
この遺跡内に微量に漂う電気を、ひとつに集める。
サイ《超能力》は属性の力を生み出すことは出来ない。体内に魔力を有していないからだ。しかし、自然に漂うエネルギーを一つに集め、圧縮して放つことができる。そうして、あらゆる属性に対応するエネルギー体を作り出すことは可能だった。
やがてベルトルドの掌に集まった膨大な電気エネルギーは凝縮され、徐々に形を成していく。
「おやおや、久しぶりの大技ですか……」
妙に感心したようにシ・アティウスが呟くと、
「ディバイン・スパークよりもさらに大技あるんですか!?」
泣きそうな顔になって、思わずルーファスが叫ぶ。
「アルカネットもベルトルドも、雷系の攻撃が大得意のようですね。今発動しようとしている大技は、100%ヒューゴを貫きますよ」
ベルトルドの掌の上に、金属的な光沢を放つ一本の三叉戟が浮かんでいた。それは稲妻を踊らせながら大きくなっていく。
「雷霆(ケラウノス)と呼称するベルトルド様の必殺技です。あまりお目にかかれるものじゃありませんので、見ることができて良かったですね」
ありがた迷惑の何ものでもないような声で言われて、ライオン傭兵団はげんなりとベルトルドを見ていた。
――あのひと本当に人間か!?
警戒しながらも、ヒューゴの目は雷霆(ケラウノス)に吸い付いていた。
「無駄ですよ、そんなあからさまなものは、避ければすむことです」
「フンッ。避けられるもんなら避けてみるがいい」
柄の部分をグッと握り、矛先をヒューゴに向けると、無造作に投げつけた。
あまりに適当に投げつけてきた雷霆(ケラウノス)を、ヒューゴはかわすべく身体を動かそうとした。しかし、足も身体もその場に縫い付けられたように動かない。ギョッとして咄嗟にシントパピンで防御した。
雷霆(ケラウノス)は真っ直ぐヒューゴに飛んで、先程よりもさらに強烈な光と爆音を轟かせて爆発した。
爆風に身体を吹き飛ばされそうになって、ライオン傭兵団は踏ん張った。爆風と煙に混じる静電気で髪の毛が逆巻き上げられて、肌にもぴりぴりと電気が嬲っていった。
「あんなの食らったら死ぬだろ……フツー」
目をひん剥いて凝視しながら、ヴァルトは生唾を飲み込んだ。あちこちから同意するように頷く気配が起こる。
白煙がおさまってくると、いたるところで小さな稲妻を発しながら、無残な姿のヒューゴがかろうじて立っていた。
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