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第一章<異世界生活編>
17:楽しい猫図鑑制作-前編-
しおりを挟む猫カフェSmile Catには、老若男女、様々な客が訪れる。
家族連れで遊びに来る客も少なくない。今日もまた、小さな女の子を連れた三人家族がやってきていた。
父親が以前、友人に連れられてカフェを初めて覗いたのだという。
始めは怖いもの見たさだったそうだが、魔獣が猫という可愛い生き物だと認識したことによって、家族にも見せたいと思ったのだとか。
藍色のおさげ髪の女の子が、キャットウォークのてっぺんで店内を見下ろす猫を指差す。
「パパ、あそこにもねこさんがいるの」
「本当だ。あれは確か……小さい、キャップキャット……?」
「惜しい、掌猫ですよ。カップに収まるサイズだから、掌猫」
「ああ、そうそう掌猫!」
「かっぴゅかっと……?」
娘と同じく藍色をした短髪を掻きながら、猫の種類を思い出そうとしている父親に、助け舟を出してやる。
幼く舌足らずな娘は、正確に名前を発音することができない。そんな二人の様子を見て笑っているのは、クリーム色のショートボブをした母親だ。
このカフェには、十種類近い猫がいる。常連客であれば自然と覚えていくようだが、新規の客となると名前を記憶するのは難しいらしい。
種類名をつけているのは俺自身なのだが、自分でもたまに混乱することがあるくらいだ。
(もっとわかりやすく、覚えてもらえる方法があったらいいんだけどな)
そんな風に思うことは多々あったのだが、良い案が浮かばないまま今日までを過ごしてきてしまっている。
元の世界でも、メジャーな種類の猫の名前は覚えていた。しかし、まだまだ俺の知らない種類の猫も、数多く存在していたことも知っている。
特にこの世界の人にとっては、猫について知らないことの方が多いのだ。彼らにもっとわかりやすく、猫のことを知ってもらえる手段はないだろうか?
そう思いながら、先ほどの家族のところにチョコレートの盛り合わせを運んでいく。猫には毒になってしまうので、絶対に与えないようにと注意をしてから立ち去ろうとした時だった。
「ママ、ごほんよんで!」
「ご本? 猫ちゃんはもういいの?」
「リルム、ごほんがいいの!」
今日は気分が向かないのか、猫たちが寄り付いてこない。そんな猫を見ているだけの状況に飽きてしまったらしい女の子は、母親が取り出した絵本に興味を向けていた。
その様子を見ていた俺は、あるひとつの案を思いつく。
(そうか……本を作ればいいんだ!)
思い浮かんだのは、猫の図鑑を作ることだった。
元の世界にも、動物のことを知るための図鑑は存在していたし、図鑑があればもっと多くの人に猫のことを知ってもらえる。
カフェを訪れてくれる人にとっても、猫の種類を覚えるための手助けとなるだろう。
思い立ったが吉日だ。俺は早速図鑑を作るために、仕事を終えたその足で町へ向かい、紙とインクを購入してきた。
この世界には写真という概念がないので、猫の見た目を伝えるためには、絵を描くしかない。試しに一枚、猫の絵と種類名、特徴などを書いてみる。
手先は器用な方なのでイケるのではないかと思ったのだが、残念ながら俺に美術の才能は無かった。そういえば、学生時代も工作は得意だったが、絵に関してはからっきしだったことを思い出す。
「コシュカ、グレイ。ちょっと試しにヨルを描いてみてくれないか?」
翌日、開店前の準備を終えた二人に、俺はそんなお願いをしてみた。
「ヨルさんを、ですか? 構いませんが」
「オレもいーっスけど、店長急にどうしたんスか?」
不思議そうな顔をしながらも、二人は筆を取ってそれぞれにヨルを描いてくれた。……なのだが、残念ながらこの店には、絶望的な画伯しかいないということが判明しただけに終わる。
妙案だと思っていたのに、まさかこんなところで躓くとは思いもしなかった。
町で絵描きを探してみるべきだろうか?
図鑑を作るのであれば、文章だけでは限界がある。誰にでもわかりやすいことを前提とするならば、やはり絵は必須だ。
そうこうしているうちに開店時間となってしまう。絵についてはひとまず保留にして、まずは今日の営業に集中しなければ。
「いらっしゃいま……って、王妃様……!?」
営業を開始して、すぐに入店してきた客を出迎えようとした俺は、その人物を前に驚いた声を上げてしまう。
お忍び用の格好をしているが、確かにディアナ王妃だ。その後ろには、従者・シェーラの姿もある。
悪戯猫を譲渡してからも、国王はたまにお忍びでやってくることはあった。掌猫への執着を、諦めきれていないのだ。
けれど、王妃がやってくるのはあの一件以来ではないだろうか?
「珍しいですね、VIP席にご案内します」
「案内はいいわ。今日は少し遠出の用件があって、ついでだからスアロの遊び道具を買いに寄ったまでよ」
「そうだったんですね。スアロは城で上手くやれていますか?」
「ええ、そうね。メイドや兵士たちもよく構っているし、今じゃ城の主がバダードなのかスアロなのか、わからないくらいだわ」
ディアナ王妃から、そんな言葉が出てくるとは思わなかった。けれど、悪戯猫のスアロは、城での生活に馴染むことができているようだ。
性格上、悪戯も多くしているのだろうが、引き取られたその後の様子を知ることができるのはありがたい。
王妃自身もまた、用事があるついでだとは言うが、わざわざスアロのために買い物に来てくれたのだ。あの日の言葉通り、家族として受け入れてくれているのだろう。
いくつか選んだ猫用のおもちゃを、俺はカウンターに並べていく。
けれど、王妃の視線が向けられていたのは、目当てのそれではなく別のものだった。
「……これは、お前が描いたの?」
「え? ああ、この絵はさっきうちの従業員が描いたものですよ。俺もなんですが、猫の絵を描こうと思っても上手く描ける人間がいなくて」
「猫の絵を……? 店に飾りでもするつもり?」
王妃が食いついてくるとは意外だったが、俺は雑談のつもりで図鑑を作ろうとしていることを話した。
とはいえ、今のままでは計画は立ち消えてしまうことになるのだが。
笑い話のつもりで雑談していた俺とは違い、王妃は口元に手を当てて何かを考えるような仕草をする。そんな仕草ひとつでも、優雅な女性だと思った。
「……シェーラ、お前が描いてやったらどうかしら?」
「……な、ディアナ様、突然なにを……!?」
唐突な名指しに動揺するシェーラとは異なり、俺は王妃が何を言っているのかわからず、二人のやり取りを見つめる。
コシュカとグレイが描いた絵の余白を指差して、王妃は彼女に命令した。
「ここに、その猫を描いて御覧なさい」
「ディ、ディアナ様……」
王妃の口調は物腰柔らかで、決して強制するような圧は感じられない。
けれど、シェーラはディアナ王妃の命には弱いようで、複雑そうな顔をしながらも筆を取ると、俺の肩に乗るヨルへと視線を向ける。
紙とヨルへ交互に視線を移動させながら、筆を走らせるシェーラは、ほどなくして手を止めた。
「……できました」
「え……これ……!」
手元が影になっていてよく見えなかったのだが、紙の上に現れたのは紛れもない、ヨルの生き写しのような絵だった。
横に描かれている画伯たちの絵との対比も相俟って、彼女の描いた絵の凄さがより際立って見える。
「凄いでしょう? シェーラは油絵を趣味としているの。あまり公にはしたがらないのだけれどね」
「本当に凄いです……! シェーラさん、こんなに絵が上手い方だったんですね!」
「いや、私は別に……」
これまで三度しか顔を合わせたことがないシェーラだが、今まではずっと冷たく怖い人というイメージが抜けずにいた。
けれど、今はそんなイメージなど無くなってしまった。
ディアナ王妃と俺に絵を褒められたシェーラは、顔を真っ赤にしながら、視線をうろうろとさ迷わせている。
「……ヨウ、と言ったわね。お前の図鑑作りに絵の描き手が必要だというなら、シェーラを使ってはどうかしら?」
「ディアナ様!? 私は猫の絵など描くつもりは……!」
予想もしない提案に、驚いたのは俺よりもシェーラだった。それもそうだろう。彼女はあくまで、王妃の従者としてこの場にいただけに過ぎないのだから。
そんなシェーラに向き合う王妃は、紫色の彼女の髪を撫でる。
「私は常々、お前の才能をどこかで活かしてやりたいと思っていたの。私にとっても、お前の絵は自慢のひとつなのよ」
「ディアナ様……」
シェーラの絵の才能は、素人の俺から見ても間違いなく素晴らしいものだ。
彼女が敬愛しているであろう王妃に自慢だと言われて、シェーラ自身も悪い気はしないのではないだろうか?
「あの、俺からも是非お願いしたいです。もちろん、シェーラさんが嫌でなければの話なんですが……描き手がいないからというだけじゃなくて、この絵を見て、貴女にお願いしたいと感じました」
「…………」
押し黙ってしまうシェーラは、どうすべきか頭を悩ませているのだろう。
けれど、王妃直々の推薦ということもあって、答えは決まっているも同然だったのかもしれない。
「……貴様のためではない、ディアナ様がお望みだから手を貸してやる。それだけだ」
「!! はい、ありがとうございます!」
あくまでも王妃の頼みであるという姿勢を、崩すつもりはないらしい。それでも、俺にとっては頼もしい戦力が増えるということがありがたかった。
こうして、俺の猫図鑑制作が本格的にスタートすることになる。
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