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Reigner -河崎悠里と言う女-
閑話 2/5は
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「誕生日おめでとおぉぉっ!!」
私、南風成翼は朝一から西南西の方を向きながら叫んだ。
「翼ちゃん、節分は終わったよ。悠里さんの旦那さん作のロールケーキ恵方巻き食べたじゃない」
ソファーに腰掛け寝癖をふわふわ揺らし、お気に入りの抱きぬいぐるみ枕をギュっと抱きしめながら呆れた表情を浮かべる通称従兄弟こと『嫁』のエイレン。
「言わなかったね、今日2/5は私の大親友、河崎悠里ちゃんとその旦那さんのゆかりんこと河崎祐香里さんの誕生日なんですよね。勿論、0:00にハピバのメール送りましたよ」
悠里ちゃんの名前を聞いただけでビクつき出すエイレン。
まあ、何日か前の初対面でフルボッコされたからね。
「なんだかさ、相思相愛って感じがして悔しいんだけど。翼ちゃんには僕がいるのに。僕だけの翼ちゃんでいて欲しいのにさ。嫉妬で狂っちゃいそう。もう十分翼ちゃんに狂い焦がれているけどね」
途中から抱き枕ぬいぐるみに顔を押し当ててくぐもって聞こえなかったけどなんか背筋がゾクッとした。
プレゼントはもう買ったから、今日直接渡しに行こうかな。
悠里ちゃんの喜ぶ顔を想像してニマニマしちゃう。
エイレンはブツブツ言いながら学校に行き、私は悠里ちゃんに連絡したら会えるのでこの間の店に。
「はい、彼氏が出来た人いらっしゃいました」
「彼氏が出来た人いらっしゃいませー!!」
営業前と札がかかっていたが、店に連絡して来ても大丈夫と言う事で入店するとニヤニヤした店員さん達からの愛のある嫌がらせの挨拶が来た。赤面しながらそそくさとこの間の個室に滑り込む。
「誕生日おめでとう!悠里ちゃん。はいこれプレゼント。白が悠里ちゃんで、黄色がゆかりんだよ」
バックからプレゼントを2つ取り出して悠里ちゃんに渡す。
悠里ちゃんのプレゼントは高級トイレットペーパー。ゆかりんには持ち運びができる包丁研ぎ。
実務的なのを選びました。
「ありがとう翼、大好きだよ」
「私も悠里ちゃん大好きだよ」
「まあ、いつかはその台詞あのクソガキにも言いまくるだろうけどさ」
「えっ・・・嫌だな、悠里ちゃん恥ずかしい」
「あーあ、私だけの翼が遠くに行っちゃう。寂しいなー」
その後は、たわいもないおしゃべりをしながら悠里ちゃんと2人で美味しい食事をし、ゆかりんからのケーキをいただいて満足して解散。
お会計は先に私がしました、この間の分と本日誕生日だからね。
「この後は翼はどうするの?」
「ここの商店街で夜ご飯の買い出しかな。せっかくゆかりんからケーキもらったからエイレンと一緒に食べたいんだよね」
「ふーん、私と祐香里君を祝うのか、あのクソガキと一緒にケーキが食べたいのか。後者に聞こえるのは気のせいですかね」
「悠里ちゃんとゆかりんを祝うためです。エイレンはwith だから」
「ならよしとしようかな。祐香里君からもありがとうって伝えといてだってさ。じゃあね」
悠里ちゃんと別れて駅近くの商店街で買い物して帰宅。エイレンはまだ帰って来てない。ちゃっちゃと夜ご飯の準備をはじめますかね。
※ 悠里パート
「翼、大好きだよ」
目の前の親友は笑顔で
「私も悠里ちゃんが大好きだよ」
当然そう返してくれる。
気がついてないのかな、大好きの重さを。
幼稚園の時、出会ってもらった暖かい笑顔。助けてもらった時の熱い思い。
旦那と誕生日が同じと知った時
「悠里ちゃんとゆかりん誕生日一緒なんだ。なんか運命的だね」
「運命って、ただの偶然だよ」
「ううん、だって私の大好きな人が同じ誕生日なんだよ。これは運命以外なにものでもないよ」
ひまわりのような笑顔で恥ずかしい事を堂々と言う。
その笑顔が眩しくて守りたいって思うのはチョロいことかもしれない。
今思ったら初恋って翼だろうな。
もうあのクソガキに翼の恋心は取られてるって言うのは理解してる。
ならば親友と言う名の拗らせ片思いを楽しんで行こうかな。
私、南風成翼は朝一から西南西の方を向きながら叫んだ。
「翼ちゃん、節分は終わったよ。悠里さんの旦那さん作のロールケーキ恵方巻き食べたじゃない」
ソファーに腰掛け寝癖をふわふわ揺らし、お気に入りの抱きぬいぐるみ枕をギュっと抱きしめながら呆れた表情を浮かべる通称従兄弟こと『嫁』のエイレン。
「言わなかったね、今日2/5は私の大親友、河崎悠里ちゃんとその旦那さんのゆかりんこと河崎祐香里さんの誕生日なんですよね。勿論、0:00にハピバのメール送りましたよ」
悠里ちゃんの名前を聞いただけでビクつき出すエイレン。
まあ、何日か前の初対面でフルボッコされたからね。
「なんだかさ、相思相愛って感じがして悔しいんだけど。翼ちゃんには僕がいるのに。僕だけの翼ちゃんでいて欲しいのにさ。嫉妬で狂っちゃいそう。もう十分翼ちゃんに狂い焦がれているけどね」
途中から抱き枕ぬいぐるみに顔を押し当ててくぐもって聞こえなかったけどなんか背筋がゾクッとした。
プレゼントはもう買ったから、今日直接渡しに行こうかな。
悠里ちゃんの喜ぶ顔を想像してニマニマしちゃう。
エイレンはブツブツ言いながら学校に行き、私は悠里ちゃんに連絡したら会えるのでこの間の店に。
「はい、彼氏が出来た人いらっしゃいました」
「彼氏が出来た人いらっしゃいませー!!」
営業前と札がかかっていたが、店に連絡して来ても大丈夫と言う事で入店するとニヤニヤした店員さん達からの愛のある嫌がらせの挨拶が来た。赤面しながらそそくさとこの間の個室に滑り込む。
「誕生日おめでとう!悠里ちゃん。はいこれプレゼント。白が悠里ちゃんで、黄色がゆかりんだよ」
バックからプレゼントを2つ取り出して悠里ちゃんに渡す。
悠里ちゃんのプレゼントは高級トイレットペーパー。ゆかりんには持ち運びができる包丁研ぎ。
実務的なのを選びました。
「ありがとう翼、大好きだよ」
「私も悠里ちゃん大好きだよ」
「まあ、いつかはその台詞あのクソガキにも言いまくるだろうけどさ」
「えっ・・・嫌だな、悠里ちゃん恥ずかしい」
「あーあ、私だけの翼が遠くに行っちゃう。寂しいなー」
その後は、たわいもないおしゃべりをしながら悠里ちゃんと2人で美味しい食事をし、ゆかりんからのケーキをいただいて満足して解散。
お会計は先に私がしました、この間の分と本日誕生日だからね。
「この後は翼はどうするの?」
「ここの商店街で夜ご飯の買い出しかな。せっかくゆかりんからケーキもらったからエイレンと一緒に食べたいんだよね」
「ふーん、私と祐香里君を祝うのか、あのクソガキと一緒にケーキが食べたいのか。後者に聞こえるのは気のせいですかね」
「悠里ちゃんとゆかりんを祝うためです。エイレンはwith だから」
「ならよしとしようかな。祐香里君からもありがとうって伝えといてだってさ。じゃあね」
悠里ちゃんと別れて駅近くの商店街で買い物して帰宅。エイレンはまだ帰って来てない。ちゃっちゃと夜ご飯の準備をはじめますかね。
※ 悠里パート
「翼、大好きだよ」
目の前の親友は笑顔で
「私も悠里ちゃんが大好きだよ」
当然そう返してくれる。
気がついてないのかな、大好きの重さを。
幼稚園の時、出会ってもらった暖かい笑顔。助けてもらった時の熱い思い。
旦那と誕生日が同じと知った時
「悠里ちゃんとゆかりん誕生日一緒なんだ。なんか運命的だね」
「運命って、ただの偶然だよ」
「ううん、だって私の大好きな人が同じ誕生日なんだよ。これは運命以外なにものでもないよ」
ひまわりのような笑顔で恥ずかしい事を堂々と言う。
その笑顔が眩しくて守りたいって思うのはチョロいことかもしれない。
今思ったら初恋って翼だろうな。
もうあのクソガキに翼の恋心は取られてるって言うのは理解してる。
ならば親友と言う名の拗らせ片思いを楽しんで行こうかな。
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