私の嫁？はインキュバス

Things you have to tell 翼のターン

閑話 ホワイトデー 中編

2人とも食べ終わり、私の心臓はまたバクバクと鳴り出した。
外に一歩も出ずに、前にエイレンが言っていた『手取り足取りからの色々な私の初めてを貰う』を思い出し心臓の鼓動の速さが8ビートに。
「翼、今日デートしよう」
「はい、私のヴァージ・・・えっ？デート？」
エイレンの発言にパニックになった私はとんでもない事を言ってしまったが、普通にデートと疑ってしまう。
「翼の初めてはもう少し後にするからさ。えっ、待て？翼ぎこちなかったのそう言う事？
ヤバっ、可愛い。マジで可愛い。下心はあるけど普通のデートだよ。買い物行ってご飯食べて、美術展でも行ってみる？この間俺のせいで行けなかったのあるって祐香里さんから聞いたから」
「それなら、いいけど」
下心ありでも本当に普通のデートと考えるならいいかな。
了解して着替えに行こうと立ち上がろうとした時、エイレンに腕を掴まれ座らされた。
エイレンはソファーの裏から少し大きめの紙袋を出すと私にそれを渡した。
「翼が似合うと思う服買ってきた。それ着てデートして欲しい。それが俺からのホワイトデーのプレゼント」
紙袋の中をざっとみると特にエロそうな服や下着は入ってないね、
「じゃあ、着替えてくるね」と袋を持ち部屋に入る。
・・・10代から20代の子が着るような服でした。
白いトレーナーに袖が水玉のシースルー生地。黒色でレースフリフリの膝上スカートに黒いタイツ(タイツは厚手なのが嬉しい)
と言うか、スカート履くのは学生以来なんだよね。あのトラウマのせいでスカート怖くなったから。

髪型はゆるふわポニーテール風
いつものゆるふわツインテール三つ編みもありかなってなったけど。でも、年齢からしたら両方痛いかも。
「ど・・・どう・・・かな？」
部屋から出てエイレンに見せると、前屈みで悶えました。
「可愛い！可愛い！可愛い！可愛い！可愛い！予想以上に可愛い！！もう可愛い！可愛い！その言い方が可愛い過ぎる。俺を悶え殺したいの？」
そんな、いつも通り壊れるエイレンの服は紺のセーターの下に白いワイシャツに黒いジーパン。結構良く着てる普段着だったから
私の部屋から黒のデニムのジャケットを渡した。
まず買い物はエイレンが今度発表会があるのでネクタイいくつか欲しいのとバックの予備が欲しいとの事で前に買い出しで行ったショッピングモールに。
可愛い柄のやつをエイレンはいくつか持ってきたが無難なのがいいかなって無地とチェック柄を数点。
バックは前々から欲しかったのが復活販売するらしく店頭でサンシャイン池田並みにテンション上がった状態で予約からの先入金していました。
後ろで小さな子供がエイレンを指差しながら
「あのお兄ちゃん、イケメンなのにすご～く残念だね」と言い、母親がその子の目を隠して「見ちゃいけません！！」とすぐに抱えてその場から走り去った。
なんか、デジャブ・・・・・・。

そんなこんなでお昼になり、エイレンがお勧めの店に予約を入れたと言う事なので行ってみることに。
店には行列が出来ていたが、予約したのですぐに入れて奥の個室に通されました。
いつもの居酒屋も奥率高いけど、お洒落な店の奥でV.I.Pルームっぽいのは緊張する。
エイレンは慣れてるみたいで
「シェフのお任せランチ、２つ。ドリンクは、アイスコーヒーブラックとアイスティーで」
『何故わざわざブラックと言う？』と心の中で突っ込んでしまってる自分だけかと思ったが、店員さんも笑いを堪えていた。
飲み物が来て私は砂糖を入れたが、エイレンは砂糖もミルクも入れない。
『飲めるの？無理しない方がいいよ』と聞きたかったが自尊心とか傷つくのかなと思って。
「私は等身大のエイレンが大好きだよ」

好きって言われて照れたエイレンは角砂糖5個とミルクどばどばと入れてました。
料理はちょっとしたフルコース。
帰りに店員さんから、実は今日のためにわざわざ頼んだとネタバレ聞いてなんだか笑みが溢れてしまった。
次は電車に乗って前行けなかった美術展へ。
敦啓ちゃんそっくりと言う絵を見て、敦啓ちゃん生写しレベルでそっくりだったのに驚き、お土産でそのポストカードを買ってから近くの百貨店がイベントやってるらしく行ってみると俗に言う『美味しい物市』だった。