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Things you have to tell 翼のターン

閑話 ホワイトデー 後編

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のんびり見ているとイートインコーナーが琉惺君が里帰りした時に必ずフルーツサンドを買ってくれる店だったので、エイレンはここのイートインコーナー特別のセットと私は苺パフェを独断で注文。

「俺もパフェが良かった」

目の前の拗ねいじエイレンの可愛さにメロメロになりかけて居たが必死に理性を取り戻しフルーツサンドセットとパフェ到着。

初体験のフルーツサンドを一口食べたエイレンの驚きの表情。私が初めて食べた時もそんな顔していたんだろうな。ここはクリームが美味しいのよ。

で、横の販売所見たら、苺とマンゴーのパフェのお持ち帰りが売っている驚愕の事実を知って崩れ落ちそうになる横でエイレンがさっそく買ってました。

エイレンが見たい物があると紳士服階で降りる事になり、エスカレーター辺りで待ち合わせと言うので少し見ていたらなんか惹かれる服を着ているマネキンがあった。
黒のパンツに赤のレザー柄っぽいハーフジップのTシャツに黒のジャケット。
これ、エイレン着たらかっこいいかなと少し見ていたら店員さんがきたので値段を聞いたらフルセットで約9万ほどだと。
ちょっと高めだなと思ったけど、それ着てるエイレンとデートしてる自分を妄想したら即決で買いました。
今日は大人っぽく行こうって少し背伸びしてる感じが(特にブラックコーヒーね!)微笑ましいけど無理してる感もあったんだよね。
そんな彼氏に・・・って言うか人に服買ってあげるの生まれて初めてだから自然に笑みが止まらない。
帰宅すると玄関にデリバリーのBOXがあったので中を取り出して
レンチンで温めて早めの夜ご飯に。
折角の服が汚れたら大変と着替えようとすると頑なにエイレンが拒む。

「その可愛い翼を1日の最後まで愛でたい」

まあ、私もあの買ってきた服のエイレンを1日中愛でたいと思っているからな。
クイズ番組を見ながら美味しくいただいて、エイレンはパフェを私に”あーん”してご満悦の表情でした。最近ギクシャクしてたから何か溜まってたのかもね。
デザートも食べ終わりまったりする時間になったので、買ってきた服をエイレンに渡す。
「なんか、エイレンに似合うと思ったから買ってきました。そう言うの生まれて初めてだから緊張したけど、次のデートで来て欲しいなって」
「翼の生まれ初めてが俺で嬉しい。次じゃなくて今着るね」
破顔の笑顔を向けるとすぐ部屋に着替えに行ったエイレンは5分後に着替え終わり。

まず、妄想以上にカッコ良過ぎて鼻血出ました。服につられてか表情もキリッと。
サイズもちょうど良くて何より白磁の肌が映える!!
エイレンもノリノリでポーズ決めながら自撮り始めちゃって。

見惚れている私に気付いたエイレンはいきなりソファーに横になり
「翼ちゃん。ほら見て見て」
私に手招きすると首を上げてジッパーを少しずつ下ろして徐々に白磁のような肌が現れ、最後に胸元が露わに。赤いTシャツなので白磁の肌がより際立つ。
動く事が出来ないんだけど、その胸元を思わず”ゴキュ”っと生唾を飲みながら凝視している自分が居る。

「そう言えば、初めて会った時も同じ表情してたよね。俺のここ凝視しててさ」

人差し指でツーっと自分の喉仏から鎖骨の間から胸元にかけてなぞり出した。
えっ、バレて・・・た・・・膝からガクッと崩れ落ちた。
『勝った』とエイレンはドヤ顔しながらベロッと舌を出す。
ショックで項垂れてる私が思った以上重症だと気づいたエイレンは急いで私に駆け寄って来て膝を抱えて私と同じ目線になり

「これ初めて言うんだけど・・・あの時翼に見られてドキドキした。今までは見られたりして嫌な気持ちしかなかったんだけど。
えっと・・・もっと見て欲しいと・・・ううん、視姦して欲しいって感じちゃいました。
こんな変態な俺、翼に知られたら嫌われちゃうんじゃないかなって。なかなか言えなかった」

目元をポリポリ掻きながら私を見つめ話すエイレンに私の心の奥底にあるトラウマと違った何か雁字搦めに絡まっていた鎖の一部に亀裂が入った。
さっきまであった落ち込みが一瞬にして無くなり、獲物を狙う捕食者の目に代わり手がワキワキと動き出す。
エイレンは恥ずかしさのあまり後ろ向きになった瞬間私の目がキラーンと光り背中から襲いかかる。ある意味バックハグ。
そこから白磁の鎖骨に”カプッ”と甘噛みし、強めに吸う。キスマークを付けるよりも吸血している感じだ。
そこからの記憶はプッツリと切れている。

部屋のベッドから目が覚める。時間を見ると9:30。
今日休みだから寝坊してしまったのだろう。
と言うか、昨日のあれって夢だよね。
私がエイレンを襲ってキスマーク付けてって。うん、夢だ!夢だろう!!夢であって欲しい。
今日が3/14ホワイトデーだ。

服を着替えて部屋から出ると、起きたのが遅かったのでエイレンはもう起きて着替えていて朝ご飯も食べ終わっていた。
やっぱり夢だったんだとホッとしていたらエイレンがニヤっと微笑み襟元をめくって赤くキスマークが付いた鎖骨を見せた瞬間、私は頭を抱えて部屋に逃げ込んだ。
今日一日エイレンの顔見れなさそう。
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