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Not Welcome

6話

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ユーリさんと手を繋ぎ王都案内をしてくれながら歩く事20分。巨大な大木が目の前に現れた。どのくらい巨大かと言うと、まさに屋久杉レベル。でも街の中にうまく溶け込んでる。

西部劇に出てきそうなウエスタンドアを開けてユーリさんと一緒に入ると中は強いて言えば役所みたいな感じ。

「ここは冒険者ギルド。まあ、異世界の人には物語とかで見たことあるかな」
そう言われたらアニメで見た事あるかな。
受付があって横のボードに依頼の紙が貼ってあって反対側にはちょっとした酒場みたいのがあって・・・ん?酒場のカウンターの人がユーリさん、いや私を熱い眼差しで見つめている。月の様な銀髪のミディアムショートヘアー、中性的で綺麗な顔立ちにアヒル口。カボチャパンツに白タイツが似合いそうなんだけど、何か雄フェロモンがムンムンとしているんだよね。服装が一昔前のホストの黒服っぽいから余計かな。

「ねえ、ユーリさん。彼方のエロエロ絶倫ホストキャラはお知り合い?」

カウンターの人を指差して無意識に大きめ声でユーリさんに質問すると「ブーーーッ!!!」と吹き出す人が続出。
ユーリさんも腹を抱えてながらも笑いを噛み殺す。
「エイロス、アンタ色々ばれてる・・・腹筋痛いっ」

「えっ、ユーリさん!!あの人『エロス』って!名は体を表すそのままじゃないですか!」

私の聞き間違いが止めだったらしく、エイロスさんと私以外皆笑い過ぎで悶え苦しんでピクピクとうつ伏せになってしまった。
そのカオス状態の中”カツコツ”と階段を降りる音と共に空気が”ピーン”と引き締まる感覚が来た。
現れたのは銀縁メガネで目付きは鋭く茶髪オカッパヘアーで修道士が着る様な服装の男性。

「ギルマスから騒がしいが何かあったのかと言われてきてみたら何の有様ですかこれは!?」
呆れながら眼鏡のブリッジを人差し指で”クッ”とあげる。
それを見た笑い悶えてた人々は冷水を掛けられたかの様にシャキーンと直立不動になり動き始めると満足げな表情で階段を降りて脇目も振らずにエイロスさんに駆け寄り胸ぐらを掴み床に放り投げた!?
「今度はなにしでかしたんですか?昨日は『アイツ作』の変な機械弄ってここら辺一帯の魔素ごっそり無くしたのは誰ですか!具合悪くなったって副ギルマスの私まで借り出されての苦情処理大変でしたよ!!」
床に投げ出されたエイロスさんは笑いながら起き上がり副ギルマスの怒りも何のそのと私に近づき肩をポンポンと叩くと目の前のエロエロ絶倫ホストキャラが金髪ロングヘアーで端正な顔、切れ長の目。そして長く尖った耳のTheエルフと言いたくなる男性の姿になった。
「スキルが開きっぱなしだったから閉じておきましたよ。これなら大丈夫かな」
「大丈夫って。えっ、スキルって・・・異世界人様ですか?またあのグズ女神召喚してかしたのですかぁ!!!聖乙女召喚したの先月だって言うのに!!」

副ギルマスさんも頭を抱える程のアレ。まあ、ダ女神とかって小説で大量に見るからもう異世界あるあるなんだね。
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