己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第一章 光、入学する

第五話

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「なめるなっ!」

ラザロがセセシルの胸に目掛けて、持っていた槍を突き立てる!

『甘い!』

だが、その槍の先端は鎧ではなくセリスの篭手によって防がれていた。

「まだまだ!」

そこからは連撃だった。ラザロの槍はすばやく、的確にセリスの鎧へ注がれていく。

『ふははははははは!心地よい!心地よい攻撃である一回生よ!』

金属同士がふれあい甲高い音が連続して辺りに響き亘って行く。ラザロが槍を刺せば、それを篭手によってセシルがはじく。

『我!鉄壁也!』

ラザロの速度は負けていなかった。むしろラザロの方が断然早い、しかし致命的なダメージにならないよう鎧で受けるところは受け間接部や鎧の隙間の部分だけを篭手で防御し叩き落していた。

「ならば!これなら!」

ラザロは一旦後ろに下がると、その長槍を高く掲げて振り回す。

『ほう、距離を取ったか。して、どうするつもりかね?』
「凍結(フリージ)の(ング)吐息(ブレス)!」

瞬間的にセシルの両足が地面に縫い付けられた。鎧ごと足首まで大地と一緒に凍り付いている。
声の主はミルフェスだ。足元に置いたベヒモスの口から吐き出された氷の息は、徐々にセシルの膝元まで凍らせ始めている。

「いいわよベヒモス、いまの威力をキープするのよ!」
「かーらーのー!」

ラザロが大地を蹴って一気に距離を詰める!動けなくなった相手に助走をつけた一撃を与えるためだ。

『サンダーボルケーノ!』

セシルが叫びながら両手の拳を叩きつけ合う。瞬間的にセシルの全身から電撃が吹き荒れた。電撃から発生した熱が足元の氷を砕きセシルは自由を獲得する。ラザロの勢いは止まらない!

『ボルケーノナッコーーーー』

全身から吹き出た電撃を拳に乗せ、ラザロに向かって突き出した。

「くっはっ」

ラザロはなんとか槍の中腹部分で拳を防ぐものの、その槍は砕けてしまった。
そのままの勢いでお腹を殴り飛ばされ、ラザロは後方に吹き飛ばされてしまう。

「ラザロ!」
『お前もだ!』

セシルは間髪入れず、両手を大地へたたきつけ電撃をミルフェスとベヒモスに撃ち放った。
強力な電撃がミルフェスの眼前に迫った瞬間、ミルフェスの視界の左右に何かが落ちてきた。
直後、ミルフェスの前で電撃は阻まれた。透明な壁にでもぶつかったかのように電撃は周りに拡散してそのまま消えていった。
彼女の前に、二本の刀が地面に刺さっていた。
刃間(じんかん)障壁(しょうへき)。光の持つ刀、八房の能力の一つだ。

『なかなかの防御力だ!なれば拳で押し通るまで!』

今まで足を止めて戦闘を行っていたセシルだが、ここにきて重厚な鎧から激しく金属音を鳴らしながら突進を始めた。光の作った防壁ごとミルフェスを殴り飛ばすつもりだろう。
ミルフェスは二本の刀から離れつつ、ベヒモスに迎撃体制を整えさせようとした。
そのミルフェスの上を黒い影がすばやく通過し突進中のセシルの前に降り立つ。

「っ!」

虚空から刀を一本出現させると、光はすばやく刀を振るった。
高い金属音とともに、セシルと光の体が交差した。

『フ、見事なり』

セシルの肩の角が地面へ落下する。光が切り落としたのだ。
振り下ろした刀を光はゆっくりと構えなおした。
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