己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第一章 光、入学する

第七話

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「光は強いんだな!鎧の先輩相手に一歩も退かないで立派だったぞ!」
「私を助けてくれたものね、ありがとう光さん」

二人が歩きながら光の戦いを賞賛してくれた。

―どういたしまして―

光は照れながら英単語帳で答える。

「ミッフィは相変わらずだったなー、対人戦になるとどうにも消極的な戦い方になる」
「あなたもそれをあてにしてたでしょう?入学前なのにいきなり先輩を氷漬けにするわけにもいかないし」
「や、それはどのタイミングでもいけないと思うけど」
「多少なら無茶しても先生がフォローしてあげれましたよ?私の見立てだとミルフェスさんはかなり魔力をセーブして戦ってたみたいでしたけど」

んー?っと口元にひとさし指を運びながらクラリスがミルフェスとベヒモスを交互に見渡す。

「この子、結構強力ですから。私が魔力を注ぎ込む量を間違えると取り返しのつかないことになりかねないんですよ」

困ったようにミルフェスは顔を歪ませる。

「前にそれで同級生の男の子氷漬けにしちゃったことがあったよね」
「あれは彼らが悪いのよ。男の子って品がないんですもの」
「・・・・」

少し恐ろしいものでも見るように光はミルフェスを見る。

「大丈夫よ、誰も光さんみたいな可愛い子に攻撃なんてしないから」
「ミッフィ女の子には優しいからねー」
「それにベヒモスには何重にも封印をかけていますもの、多少威力の調整をミスしてもきっと大丈夫!」
「!」

光は恐る恐るベヒモスの顔を覗き込む。トコトコとミルフェスの足元についてくるベヒモスは、光と目が合うとクアーっと可愛い泣き声をあげるだけだった。

「同じ学校で授業を受けるんだもんね、そのうち光も見る機会があると思うよ?こう見えてベヒモスはむきむきでめっちゃ格好いいんだよ?」
「私個人としては今のままでも充分に扱えるようにならないとは思っているんだけどね。封印を解けばベヒモスが強くなるのは当たり前ですもん」

少し拗ねた様に口を尖らせるミルフェス。

「その辺りは召喚士の方にしかわからない苦労ですね。魔力っていうのは漠然と練り上げるだけなら量に依存ですけどコントロールするとなるとある程度の才能と膨大な努力が必要ですから」

クラリスが先生らしく簡単に説明をしてくれる。

「あたしの場合は武器も魔力無しで今まで使ってたから、膂力強化くらいにしか魔力つかってないけどねー。光はー?」

―武器にも使ってます―

一呼吸あくが、光も会話になんとか参加。

「ジャパニーズカタナだもんねーサムライだ!」
「そうね、光さんはオサムライサンね」

―そんな大層なものでは無いですよ―

「謙虚だ!かわいいなーもう」

歩きながらポフっと光の頭をラザロが抱きしめる。

「あらあら」

光はただただ顔が赤くなるだけだ。軽く抵抗をして引き剥がすと顔をプルプルと左右に振って両頬を両手で覆った。

「赤くなった!これまた可愛いなー」
「本当ね、お人形さんみたいだわ」
「入学前なのにもう仲良しになったはとても良いことです。と、つきましたよ」

なんだかんだいってじゃれ合いながら歩いていたら、いつのまにか学園長の部屋の前までついてしまっていたようだ。
三人は流石に無駄話をやめて、若干緊張した面持ちで先生の言葉を待つ。
そんな三人に、クラリスは沈黙で答えることに決めたようだ。

『コンコン』

「どうぞ」

中から女性の声が聞こえてきた。
クラリスは扉を開き、三人を中に招き入れる。

「新入生代表の三名をお連れしました」

その言葉をうけ、ニヤリと口元を浮かべながら女性が座っていた椅子から立ち上がった。

「ようこそオレ様の学校へ、顔を見れて嬉しいよ」

スーツの上から白衣に身を包んだ長い紅色の髪の若い女性が、一人ひとりの顔を覗き込みながら挨拶をする。

「この学園の最高責任者様だ。よろしくな」
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