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第一章 光、入学する
第十話
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「いやー、今年は君たちのおかげで勝たせてもらったんだ。歓迎するぜ」
「学園長、まずはきちんと挨拶をしてくださいっ」
クラリスが叱責を飛ばすと、あからさまに嫌そうな顔をしながらしぶしぶ名乗りを始める。
「・・・オレが学園長のクラウドだ。まー適当に呼んでくれ」
「が・く・え・ん・ちょ・う!!」
「こほん、敬意と尊敬と・・・少しの感謝をもって学園長と呼んでくれ」
「言い直してそれですか」
「いいじゃねーか、どうせ暇なときは学園内を闊歩してんだから。最初の段階でどんなに取り繕っても結局オレがどんな人間かはすぐに知れ渡っちまうってもんだ」
「それは確かにそうですが」
「猫かぶるのは王宮のお偉いさん相手くらいでちょうどいいんだよ」
クラリスとクラウド。先生と学園長が勝手に盛り上がる中、生徒たち3人は呆気に取られてしまっていた。
「生徒会の連中を攻略してきたんだろ?有望株だなお前ら」
突然話を振られて、三人は困惑の表情を浮かべる。
「三人とも、自己紹介を」
「あ、えっと・・・」
「じゃあ真ん中の金髪の子からだ」
「私ですか!?・・・えっとミルフェス・ライブラルです」
「ふむ、召喚士だな?」
ミルフェスは驚いた表情を見せる、横にいた2人もギョッとした表情を浮かべた。
「はい・・・見ればわかるものなんですか?」
「んー、なんとなく雰囲気だな」
「雰囲気ですか」
どんな雰囲気なんだろうか、そう思いながら自分自身の腕や足などを見直してみるミルフェス。
「召喚士は人間以外の生き物に力を与えるからな、魔力の流れがなんというか協調性に富んでいる奴が多いんだよ」
「魔力の・・・流れ?」
ミルフェスはクラリスも含めた三人に視線を送る。
クラリスは困ったような笑顔を向け、残りの二人は首を左右に振るだけだった。
「んで残りの二人が魔装士だな」
「すごい!当たってる!」
ラザロが嬉しそうに手をたたいた。光は腰の物もあるので苦笑いを浮かべている。
「私はラザロです!」
―仙波光です―
二人もミルフェスに倣い名前だけは名乗ることにした。
「魔装士は比較的わかり易いよな、魔力の流れが武器や防具を使うための流れになってるから両手に強く流れていく傾向がある」
言われてラザロと光は自分自身の両手に目を向ける。
「武器に力を流し込む奴が多いからな、たとえ防具でも結局両手から出す奴が多い」
両手を全員に見せるように広げながらクラウドは続けた。
「わかりやすいといえば神職者だ、そもそもあいつらは魔力に聖属性が乗ってるから一層わかりやすい」
「神職者の方々はなんとなく私もわかりますね」
クラリスも頷きながら答える。
「獣化人は見た目だけでいえば一番わかりやすいが、逆に隠匿に長けた動物を魂依にされると厄介ではあるな」
「耳とかが頭の上にあると一発でわかりますからね」
「尻尾も出てれば完璧よね」
「まー中には人間というか獣寄りになっちまってる奴もいるがな」
クラウドは苦笑いをする。
「錬金術士は魔力の感じが・・・イメージとしては硬いイメージで流れも悪い奴が多い。物質に定着させる魔力を使うのが専門だからだろうけど」
「私の周りには錬金術士がいなかったものでなんとも」
「私も私もー」
「まあ魔力を自在に操れる魔道士の中でも、特別な訓練を受けるかそういう家系に生まれるかのどっちかだからな。ここの周りの研究所にはそんなやつらが溢れかえっているから珍しくも無いが一般的には数は多くないかもしれん」
「そうなんですか」
「あたしは興味あります!あたし専用の武器を用意してくれるかもしれないですから」
ビシッと片手を挙げてラザロが大きくリアクションを起こす。
「お前さんの成績次第ってところだな。まあそこのクラリスに紹介してもらっても良いが。どうせなら名のある研究所から目をかけられたほうが、何かと便利だ」
「そういうものですかね?」
「武器の系統にもよるが魔装備ってのは維持に金がかかる物も多いからな。スポンサーがいれば壊し放題直し放題だぞ」
かっかっかっ、とクラウドが笑い声をあげる。
「おおー」
目を輝かせてラザロがクラウドを見る。
「あたし今まで何本も武器をダメにしてるのでそれは嬉しいです!」
「せいぜい目立って連中にアピールすればいいさ。あとは生徒の錬金科に顔を出してみるのもいいかもしれんぞ。中には天才と呼ばれるタイプの術者もいるから共同で武具の開発をしてみるのも手だ」
「それはそれで面白そうですね!」
うんうん、とラザロが頷く。
「そっちは研究所と違って学校の内部でやるからな、学生同士な分無茶な要望が通りやすいが・・・」
「通りやすいが?」
「安全は保証できん」
「マヂですか」
どこかしら嬉しそうにラザロがにやりと笑う。
「マヂだ」
クラウドもそれに合わせて黒い笑みを浮かべる。
「学園長、まずはきちんと挨拶をしてくださいっ」
クラリスが叱責を飛ばすと、あからさまに嫌そうな顔をしながらしぶしぶ名乗りを始める。
「・・・オレが学園長のクラウドだ。まー適当に呼んでくれ」
「が・く・え・ん・ちょ・う!!」
「こほん、敬意と尊敬と・・・少しの感謝をもって学園長と呼んでくれ」
「言い直してそれですか」
「いいじゃねーか、どうせ暇なときは学園内を闊歩してんだから。最初の段階でどんなに取り繕っても結局オレがどんな人間かはすぐに知れ渡っちまうってもんだ」
「それは確かにそうですが」
「猫かぶるのは王宮のお偉いさん相手くらいでちょうどいいんだよ」
クラリスとクラウド。先生と学園長が勝手に盛り上がる中、生徒たち3人は呆気に取られてしまっていた。
「生徒会の連中を攻略してきたんだろ?有望株だなお前ら」
突然話を振られて、三人は困惑の表情を浮かべる。
「三人とも、自己紹介を」
「あ、えっと・・・」
「じゃあ真ん中の金髪の子からだ」
「私ですか!?・・・えっとミルフェス・ライブラルです」
「ふむ、召喚士だな?」
ミルフェスは驚いた表情を見せる、横にいた2人もギョッとした表情を浮かべた。
「はい・・・見ればわかるものなんですか?」
「んー、なんとなく雰囲気だな」
「雰囲気ですか」
どんな雰囲気なんだろうか、そう思いながら自分自身の腕や足などを見直してみるミルフェス。
「召喚士は人間以外の生き物に力を与えるからな、魔力の流れがなんというか協調性に富んでいる奴が多いんだよ」
「魔力の・・・流れ?」
ミルフェスはクラリスも含めた三人に視線を送る。
クラリスは困ったような笑顔を向け、残りの二人は首を左右に振るだけだった。
「んで残りの二人が魔装士だな」
「すごい!当たってる!」
ラザロが嬉しそうに手をたたいた。光は腰の物もあるので苦笑いを浮かべている。
「私はラザロです!」
―仙波光です―
二人もミルフェスに倣い名前だけは名乗ることにした。
「魔装士は比較的わかり易いよな、魔力の流れが武器や防具を使うための流れになってるから両手に強く流れていく傾向がある」
言われてラザロと光は自分自身の両手に目を向ける。
「武器に力を流し込む奴が多いからな、たとえ防具でも結局両手から出す奴が多い」
両手を全員に見せるように広げながらクラウドは続けた。
「わかりやすいといえば神職者だ、そもそもあいつらは魔力に聖属性が乗ってるから一層わかりやすい」
「神職者の方々はなんとなく私もわかりますね」
クラリスも頷きながら答える。
「獣化人は見た目だけでいえば一番わかりやすいが、逆に隠匿に長けた動物を魂依にされると厄介ではあるな」
「耳とかが頭の上にあると一発でわかりますからね」
「尻尾も出てれば完璧よね」
「まー中には人間というか獣寄りになっちまってる奴もいるがな」
クラウドは苦笑いをする。
「錬金術士は魔力の感じが・・・イメージとしては硬いイメージで流れも悪い奴が多い。物質に定着させる魔力を使うのが専門だからだろうけど」
「私の周りには錬金術士がいなかったものでなんとも」
「私も私もー」
「まあ魔力を自在に操れる魔道士の中でも、特別な訓練を受けるかそういう家系に生まれるかのどっちかだからな。ここの周りの研究所にはそんなやつらが溢れかえっているから珍しくも無いが一般的には数は多くないかもしれん」
「そうなんですか」
「あたしは興味あります!あたし専用の武器を用意してくれるかもしれないですから」
ビシッと片手を挙げてラザロが大きくリアクションを起こす。
「お前さんの成績次第ってところだな。まあそこのクラリスに紹介してもらっても良いが。どうせなら名のある研究所から目をかけられたほうが、何かと便利だ」
「そういうものですかね?」
「武器の系統にもよるが魔装備ってのは維持に金がかかる物も多いからな。スポンサーがいれば壊し放題直し放題だぞ」
かっかっかっ、とクラウドが笑い声をあげる。
「おおー」
目を輝かせてラザロがクラウドを見る。
「あたし今まで何本も武器をダメにしてるのでそれは嬉しいです!」
「せいぜい目立って連中にアピールすればいいさ。あとは生徒の錬金科に顔を出してみるのもいいかもしれんぞ。中には天才と呼ばれるタイプの術者もいるから共同で武具の開発をしてみるのも手だ」
「それはそれで面白そうですね!」
うんうん、とラザロが頷く。
「そっちは研究所と違って学校の内部でやるからな、学生同士な分無茶な要望が通りやすいが・・・」
「通りやすいが?」
「安全は保証できん」
「マヂですか」
どこかしら嬉しそうにラザロがにやりと笑う。
「マヂだ」
クラウドもそれに合わせて黒い笑みを浮かべる。
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