己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第一章 光、入学する

第十一話

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「マヂですではありません。保証出来ない様な物は作らせないのでご安心下さい」

クラリスが全うな意見を横から出した。
二人ともあからさまに嫌そうな表情をしたがクラリスの視線を受けてしゅんとしてしまった。

「それよりも学園長。雑談をするために彼女らを呼んだんじゃないでしょ?」

タメ息ひとつ、クラリスは先に進まない話に見限りをつけて本来の目的に話を方向転換させることにした。

「ああ、そうだったそうだった。お前さん達に渡すものがあるんだ・・・ほれ」

机の引き出しから封筒を出すと光に手渡そうとして・・・ミルフェスに渡した。

「ちっこいのはしゃべれないんだよな。じゃあこいつは渡してもしょうがない」
「これは?」
「あけてみ」

ガサガサとミルフェスが封筒から用紙を引き抜いて、中身を確認する。横から光もそれを覗き込んでみて苦笑した。

「今年は無事にココまでたどり着けたからな。ご褒美だ」
「これがご褒美なんですか・・・」

封筒の中身は、それは『新入生代表挨拶』の原稿である。

「おう、当日いきなり言われてテンパる姿を見るのも面白いんだがな。ここまでたどり着けたら入学式の時に無茶振りされなくて済むようになってんだ」
「はあ」
「挨拶は一名だから二人で適当に話しつけてどっちが挨拶をするか決めておけ、ただ壇上には三人ともあがること。読み込んで暗記するのが理想だが無理そうなら持っていっても構わないぞ」
「わかりました」
「言いにくい箇所とかあったら適当に変えても構わないが、来賓もいるからなるべく粗相の無い程度の変化にしておくれ。オレからは以上だ」
『はい!』

ミルフェスとラザロが元気に返事をし、光も頷く。

「お前ら二人はクラリスと出て行って構わんぞ。ちっこいのはオレと少しおしゃべり・・・っても筆談だから少しじゃすまないか」
「?」
「こうみえて学園長だからな、しゃべれない奴が入学するなんて初めてだ。一応細かいところとか不足がありそうな場所をあらかじめ聞いておきたい」
「学園長・・・」

ほろり、と涙をハンカチで拭うフリをしながらクラリスは満面の笑みを浮かべた。

「ああ、普段からいい加減なのに・・・そういう気の利き方が出来るようにいつの間にかなっていらっしゃったなんて」
「・・・お前は普段オレをどう見ているんだ」
「聞きたいですか?」

満開の笑顔を向けられてクラウドは苦虫をかんだような表情になる。

「・・・いいからとっとと戻れ、生徒のことを思うなら挨拶文に目を通す時間もくれてやるべきだろう?」
「それもそうですね、それじゃあ戻ることにします。二人とも行きますよ」
「はい。それでは失礼します、光さんまたあとでね」
「失礼しまーす」

光は軽く頷いて二人を見送った。
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