己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第一章 光、入学する

第十四話

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「危険な力だ」

クラウドの一言に光も頷く。

「薬や儀式のを行うようになってから体に異変が起きました。約2年前から身長は伸びなくなりましたし声変わりもきませんでした」
「あー・・・まあ副作用はしょうがないよな」

クラウドは頬を人差し指でかきながらなんとなしに目を背けながら答えた。

「量が量でしたし・・・成長こそ止まりましたけど変わりに魔力に目覚めることが出来ました」
「それは面白い話だな」
「どれが原因で魔力が扱えるようになったか見当もつきませんが」

膨大な量を試したので、と光が苦笑しながら追加する。

「で、ウチの学園で治療できるかどうかを試しに来たって訳か」
「違います」

今度はクラウドが目を見張った。

「ウチの周りの研究所で調べれば何かわかるかもしれんよ?」
「それには私の声の特性を人に話さなければならなくなります。私はその気が無くても魔人級の封印も解いてしまいますから・・・」
「確かに・・・悪用しようとすればキリがないな」
「過去にそういった組織も実際にありました」
「その時はどうしたんだい?」
「父が壊滅させました。その時に私も死んだことに」
「・・・なるほどね、じゃあなんで入学を?」
「魔道オリンピア」
クラウドの眉がピクリと動いた。

「各国の代表選手とは別に、この学園は主催者として代表者を産出していますよね?」
「自分の国で代表になればよかったんじゃないか?」
「一度死んだことになっている以上、私の戸籍は出鱈目だらけですから。国の代表となれば流石に色々調べられてしまいますし、私が生きていると分かればよからぬことを企む連中がまた顔を出し始めるかもしれません」

光は一度にまくしたてると、一息ついた。

「13年に一度の魔道オリンピア。これに優勝した者は一つだけ願いが叶えられる」

クラウドはぽつりとつぶやく。

「学園長先生も願いを過去に叶えたんですよね?」
「ああ、永遠の若さを頂いた」

自慢の髪の毛をかき上げながら光に視線を送る。

「事実・・・なんですよね?」
「もちろんだ。オレが優勝したのは400年くらい前の話だがな」

途方も無い数字をされりと言い放つ。それを聞いた光は驚きこそしたがそれ以上に期待を胸に膨らませた。

「優勝すれば直せる・・・」
「甘く見るなよ?各国の代表がしのぎを削って奪い合うんだ。そもそもお前はまだ代表にすらなれてないんだぜ?」

鋭い視線を向けられ、光の表情が硬くなった。
「話は伺っています、代表候補への選出方法も。どうすれば候補者へなれるかも漠然とですが考えてあります」

クラウドの視線をまっすぐにうけて、光は宣言する。

「オリンピアで優勝する為に腕も磨いてきました。魔力のコントロールも覚えましたしこの刀『八房』の特性も把握出来るようになってきました。女装して生活できるように訓練もしてきました。化粧もばっちりですし・・・なんか言ってて悲しくなってきました・・・」

だばーっと両目から涙を流しながらクラウドに自分の心境を伝え、再度顔を整える。

「ふむ・・・話口調もなんか男っぽくないねぇ」
「万が一にも言葉を使ったときにボロを出さないように・・・」
「徹底してるじゃないか」
「・・・真由美さんがスパルタでしたから」
「まあなんとなくわかるが」
「他にも持ち物とか私服とかそもそもの洋服の選び方とか・・・椅子から立つときの動作ひとつまで・・・・女性はあまりご飯を食べないからと食事制限をしたり・・・ただでさえ背が伸びないのに栄養取らないでいたら本当に背が・・・」

ぶつぶつぶつぶつ・・・・・と光が静かに愚痴を言い始めた。普段は言葉を使わないが思いの他饒舌なのかもしれない。
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