己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第二章 始まる学校生活

第十九話

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ユグドラシル学園は魔道士の専門学校である、しかし午前中は通常の座学がメインだ。
魔道士という人種は貴重ではあるが、全員が全員魔道士として一流になれるわけではない。どちらかといえば魔道士として食っていけるものの方が一握りだ。
危険の多い仕事に就くことを嫌うものが多いし、実力も相応のものが必要。
中には自身の力を抑制するために通うものもいるため、一般教養を午前中の授業に取り入れている。
他国の人間も留学してくるため文学の授業は割愛されているものの、数学や科学・物理などの授業は行われる。歴史の授業に関しては魔道士や魔法使いに関する歴史がとり行われるが、宗教上の兼ね合いもあるため自由参加となっていた。
本来授業のある午前、今日に限っては入学式兼お披露目式となっていたため座学はお休み、各教室でホームルームをやったあと自由行動。授業は午後からである。
つまり昼食を取ってから着替えて、午後の魔道士としての授業に入るわけだ。

「・・・・・」

更衣室のドアの前で光は凍り付いていた。体操着を胸に両手で抱えて途方に暮れる。

「光さん?」
「どうしたヒカリ?」

ラザロが光の顔を覗き込んで聞く。
光は乾いた笑いをするしかないが、声すら出せず両目から涙をダバダバ流すしかなかった。
今朝に続いて光のみに対する試練の時間である。

「・・・・・・・」
入る勇気が湧かない、この先には男子にとって桃源郷の筈ではあるが光は死刑台に向かうような表情だ。

「お、そうか。大丈夫だぞヒカリ、胸とかくびれとか心配しても損だ」

ラザロがポンと手をつきながら光に言う。

「・・・・」

そういうことじゃない、と言いたげな視線を光がラザロに向ける。

「光はきっとこれから大きくなるんだ」
「さあさあ、早く着替えちゃいましょ」

伝わらなかったらしい、そんな気持ちも伝えることも出来ずミルフェスに後ろから更衣室に押し込まれてしまった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

時間的にまだ早いらしく、他の生徒の利用者は少ないがそこには肌色と下着の世界が広がっていた。

「・・・・・・・・」

光は顔を真っ赤にしてうつむきながら自分のロッカーを探し荷物をいれてすばやく着替えることにする。
隣にはミルフェス、その横にラザロ続き二人揃って服を脱ぎだした。

「む、ミッフィ胸が大きくなってないか?」
「ええ、一応は。春先にブラのサイズも一つあげたのよ?まあ貴女ほど大きくはないけど」
「うらやましいか!うはははは!」

両手を腰に当てて下着姿で笑い声をあげる彼女。

「ヒカリはまだスポーツブラか」
「・・・・・・・・・・・・・」

声をかけられても直視できないのでその場で小さく頷く。

「いいなー、そっちの方が動きやすいのに」
「あなたの場合苦しいでしょ」
「そうなんだよなー」
「・・・・・・・・・・」

聞こえない聞こえない、そんなつぶやきを言ってそうな光はすばやく。本当にすばやく着替えると制服をたたんで、剣帯も着けずに手に持ってその場から逃げ出そうと更衣室の出口に向かった。
耳まで真っ赤になりながら扉に手をかけようとすると、勝手に扉が開いた。
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