己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第二章 始まる学校生活

第二十三話

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「邪魔とはなんだ邪魔とは」
「去年は内容がヌルいとか言って空から火炎魔法を雨のように降らせてましたよね」
「鎮火、大変だった」

美鈴も横にきて頷いている。

「一昨年は力加減を仕損じた妨害側の生徒を吹き飛ばしましたし」
「私の代、途中で終了」
「自分に追いつかれたらアウトとかいって後ろから追い回してきたり、妨害側の生徒に混ざって幻覚魔法で迷路を作ったり竜を倒して来いと言って暴風竜呼び出したり・・・」
「わかったわかった。李よおまえ細かいんだよ」
「貴女が大雑把過ぎるんですよ」
「じゃあ今年は手を出さない、最後尾組みと一緒に歩いて追いかける。それでいいか?」
「じゃあってなんですか・・・手を出す気あったんじゃないですか」
「手も出さないでお前はオレに何をしてろって言うんだよ」
「・・・七井、学園長を抑えていられるか?」
「無理、絶対無理」
「だよなあ」
「なんだよ信用ねーな、手出さないって」
『・・・・』
「大丈夫大丈夫、生徒が危険な目に遭うような事がなければ動かないって」
「はあ、わかりましたよ」

問答も疲れたのか、李は諦めたようにつぶやくと学園長から離れていく。

「そういえばそこの」
「あたしですか?」
「おまえ手ぶらでいいのか?レアのところにいけば武器借りれるぞ」
「ホントですか!?すぐ行ってきます!」
「おう、他にも武器の無いやつがいたら声かけてやれ」
「わかりました!」

ラザロが飛び跳ねるようにその場をあとにして獣化人の先生の元へ走っていった。クラウドに言われたように周りに声をかけながらいく辺りが彼女らしい。

「それで、お前さんはだ」

クラウドは小声になりながら光の耳元に顔を近づけてきた。

「?」

光もクラウドの声が聞きやすいように耳を口元に近づける。

『フー』
「!」

光が顔を赤くしながら飛びのいた。

「悪い、冗談だ。なんとなくやりたくなった」

右耳を抑えながら非難の目をクラウドに向けたが、クラウドはどこ吹く風でかっかっかっと声を上げて笑った。

「もうやらないから耳かせ」

クラウドは光の耳元に口元を運ぶと、今度こそ小声で話しかけてきた。

「お前は実戦経験もあるだろうから、今回は余裕だろ」
「・・・」
「謙遜するなって、周りの連中から見て自分が劣っているように見えるか?」

言われるがままに光は視線を他の生徒連中に向ける。

「・・・」
光は魔力をコントロールする前から戦いの世界に身をおいていた。ただ魔力を持っているだけの人間には負けない、光にはその自信が確かにある。

「お前さんの目的に対して、一つアドバイスだ」
「?」
「今回の振り分け試験は、実際全員の実力がわかる唯一の授業だ。残りの授業はクラス分けが起きて人員はバラける」
「・・・」
「同じ授業を受けれる人間には、今後実力を見せ付ければ良いが・・・下のクラスになる人間はお前の力が伝わる前に会わなくなるぞ」
「!」
「お前の目的がオリンピアなら、当然名を売っておかなければならない訳だ。ここで実力を全員に見せしめておいたほうが何かと便利だぞ」

こくん。
光は強く頷いた。

「それとだ、刀は抜くな」
「?」
「強い武器があれば強くあれる。そんなやっかみを受けずに済む」
「・・・」

光は少し悩んだような表情を見せる。しかし決心したように剣帯から刀を鞘ごと抜くとクラウドに渡した。

「お、いいねえ」

クラウドは心底嬉しそうに笑って刀を預かった。

「無手でいいのかい?」

レンタル武器の入っている籠からラザロが何かを引っ張り出しているのが遠めで見える。光は視線をクラウドに向けて頷くと、先ほどよりも念入りに準備運動を開始した。

「これは面白いことになりそうだな」

クラウドは一人にやけながら光から預かった刀を腰のベルトにさして後ろに下がった。
そろそろ始まる頃か、ラザロも選んだ武器をもって光に並んだ。

「ヒカリ?」

ラザロが光の異変に気づいた。
光は自分のポケットから白いゴムを取り出すと髪の毛を一つに纏めた。
光の表情は怪しげに笑っていた。
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