48 / 58
第三章 決闘を前に
第四十七話
しおりを挟む
ミルフェスは大いに警戒していた。その成果か単純な取り越し苦労だったのか、金曜日は何事もなく午後のクラスごとの授業の時間になっていた。
光とミルフェスは活動内容を知らないため、とりあえずSクラスのメンバーが集まるプレハブ小屋まで足を運んでいた。
「お、ちゃんと来たね。感心だ」
「授業だから普通くるでしょ」
本当に感心していたのだろう。ベルはツッコミを入れてきたレオをじと目で睨んだ。
実際問題、今現在この場にいるのは光とミルフェスを含めて5名である。
「ええと、今日は金曜日ですか。どうも長期休みのあとだと曜日感覚が狂いますね」
そんな視線を受け流しつつ、レオが言い訳がましく言葉を綴る。
「普段は金曜日にどんなことをしていらっしゃるんですか?」
『基本的に反省会だな』
ミルフェスの丁寧な質問にセシルが答えた。相変わらずフル装備である。
『毎週月曜日と木曜日に大掛かりな作業というか、任務があってな。火・水・金曜日はそれぞれの反省会や、その反省を生かした訓練を行っている』
昨日ぼかされた活動内容のことをいっているのだろう。光とミルフェスは怪訝な表情を浮かべた。
「シルフィと美鈴は揃って射撃Aクラスの手伝いに呼ばれたよ。だからこれで全員だね」
事前に話が通っていたようで、ベルは投げ出された足をばたつかせながらつまらなそうに告げた。短いスカートが少しばかり暴れている。
「それじゃあ・・・とりあえず今日のところは、それぞれ基礎訓練を個別にすることにしませんか?組んで体を動かしたい人がいれば適当に組んでもいいですし」
そんなベルを見ないようにしながら、レオが提案をする。その言葉に3人が首を縦に振った。
「じゃあそういう方向で、クーラーボックスに冷やした飲み物を入れておきますから必要な方は適当に持っていってください。テーブルの上に置いておきますね」
レオは言いながらプレハブ小屋に向かっていった。本当に気配りの出来る良い好青年である。
光はプレハブ小屋から少し離れたところで素振りを始めることにした。
光は八房の柄に手をかけると魔力を込めた。突如空中に刀が生み出される。
分剣複牙である。生み出した刀を持たずに虚空で刀を振るう。
分剣乱舞。八房の持つ能力の一つで、生み出した分剣を自在に操作する能力だ。
オリジナルの八房は手で振るわなければならないが、分剣は手で持たずに光の思うままにコントロールすることが出来る。
光は刀を持たずに、両手で刀を持っているように手を前に出して刀を操作した。
刀の軌道は光が普段手に持って扱う刀と同じように、光が腕を上下させるのと連動するように刀も上下する。
何度も何度もそれを繰り返し、光は腕を振るうのを止めた。
背筋を伸ばし、姿勢良く。光はまっすぐ立って虚空の刀を操作する。
今まで手の動きに合わせて動いていた刀だが、同じ軌道を上下し続けている。
腕を振るわず、体を動かさずに頭の中で刀を操作。
光は刀を追加した。虚空からもう1本刀が出現、光の手前で刀が止まる。
光はその刀も操作し始めた。
二本の刀が光の意思を受けて右に、左に。上に下にと、さまざまな角度で空中を動き回った。
光とミルフェスは活動内容を知らないため、とりあえずSクラスのメンバーが集まるプレハブ小屋まで足を運んでいた。
「お、ちゃんと来たね。感心だ」
「授業だから普通くるでしょ」
本当に感心していたのだろう。ベルはツッコミを入れてきたレオをじと目で睨んだ。
実際問題、今現在この場にいるのは光とミルフェスを含めて5名である。
「ええと、今日は金曜日ですか。どうも長期休みのあとだと曜日感覚が狂いますね」
そんな視線を受け流しつつ、レオが言い訳がましく言葉を綴る。
「普段は金曜日にどんなことをしていらっしゃるんですか?」
『基本的に反省会だな』
ミルフェスの丁寧な質問にセシルが答えた。相変わらずフル装備である。
『毎週月曜日と木曜日に大掛かりな作業というか、任務があってな。火・水・金曜日はそれぞれの反省会や、その反省を生かした訓練を行っている』
昨日ぼかされた活動内容のことをいっているのだろう。光とミルフェスは怪訝な表情を浮かべた。
「シルフィと美鈴は揃って射撃Aクラスの手伝いに呼ばれたよ。だからこれで全員だね」
事前に話が通っていたようで、ベルは投げ出された足をばたつかせながらつまらなそうに告げた。短いスカートが少しばかり暴れている。
「それじゃあ・・・とりあえず今日のところは、それぞれ基礎訓練を個別にすることにしませんか?組んで体を動かしたい人がいれば適当に組んでもいいですし」
そんなベルを見ないようにしながら、レオが提案をする。その言葉に3人が首を縦に振った。
「じゃあそういう方向で、クーラーボックスに冷やした飲み物を入れておきますから必要な方は適当に持っていってください。テーブルの上に置いておきますね」
レオは言いながらプレハブ小屋に向かっていった。本当に気配りの出来る良い好青年である。
光はプレハブ小屋から少し離れたところで素振りを始めることにした。
光は八房の柄に手をかけると魔力を込めた。突如空中に刀が生み出される。
分剣複牙である。生み出した刀を持たずに虚空で刀を振るう。
分剣乱舞。八房の持つ能力の一つで、生み出した分剣を自在に操作する能力だ。
オリジナルの八房は手で振るわなければならないが、分剣は手で持たずに光の思うままにコントロールすることが出来る。
光は刀を持たずに、両手で刀を持っているように手を前に出して刀を操作した。
刀の軌道は光が普段手に持って扱う刀と同じように、光が腕を上下させるのと連動するように刀も上下する。
何度も何度もそれを繰り返し、光は腕を振るうのを止めた。
背筋を伸ばし、姿勢良く。光はまっすぐ立って虚空の刀を操作する。
今まで手の動きに合わせて動いていた刀だが、同じ軌道を上下し続けている。
腕を振るわず、体を動かさずに頭の中で刀を操作。
光は刀を追加した。虚空からもう1本刀が出現、光の手前で刀が止まる。
光はその刀も操作し始めた。
二本の刀が光の意思を受けて右に、左に。上に下にと、さまざまな角度で空中を動き回った。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる