己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第四章 決闘!

第五十一話

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「なんだかお祭りのような感じですわね」

 ミッフィは拡張機から闘技場全体に聞こえてくる実況と解説の漫才に、苦虫を噛んだような表情を浮かべていた。

―困りましたね―

 困りました、という表情をしている光だが実際には光の思惑通りだった。光は残りの短い期間で顔と名前を売らなければならない。
次の魔道オリンピアまで期間はあと1年しかない。学校の代表になるには誰にでも納得させられる程の実力を学校の人間全員に知らしめる必要性がある。
 外国人である光にはチャンスが少ない可能性もあり、自国の代表になるには障害が多い。ここで足踏みしている訳にはいかない。

「しかし、これだけの観客の前で剣舞が行えるのは羨ましいな!光!変わってくれ!」

―ダメです―

 光の髪の毛を三つ編みに束ねつつ、お団子を二つ作りながらラザロは光に語り掛けてきた。

「ぬう、仕方ないから光を可愛くすることに専念するのだ」

 何がどう仕方ないのか分からないが、光は成されるがままに髪の毛をいじられていた。

「しかし光の髪の毛はサラサラで束ねづらいなー。シャンプーはどこのを使ってるんだ?」

―日本の兄弟子の奥さんが持たせてくれたものです。どこのって聞かれると良くわかりません―

「そうなのかー。日本のはすごいな!さすが変態大国だ!今度貸して!」

―いいですけど―

 変態大国とは何の事なのだろうか?などと光の頭に過ったがいちいち書くのも面倒だったので追及するのはやめた。

「李先生の説明もそろそろ終わるでしょうから。早くリボンでまとめましょう」

 ミッフィは手に長めの、ピンク色のリボンをいじりながら光の頭髪の毛をしばろうとした。

「ダメだぞミッフィ。激しい動きをするんだからきちんとゴムで固定してからだ」
「あ、そうね。じゃあこうしてっ・・・と」

 二人から解放されると、満面の笑みを浮かべた二人が光の顔を覗き込んだ。

「うん、可愛い。」
「力作なのだ!お人形さんみたいだぞ!」
「ドレスか何かを着せたいわね」
「むう、制服も悪くないが残念なのだ。そもそもなんで兵隊でもないのに制服なんぞ導入してるんだか」
「ああ、下町でトラブルが起きた時に生徒が原因なのか研究者が原因なのかはっきりさせるためらしいわよ?だから学生は基本学校用の制服か体操着以外では下町に外出禁止になってるのよね」
「そうなのか」
「先輩方がいろいろやらかしたらしいから」
「あー、なんとなくわかるぞ」
「まあ可愛いからいいじゃない?光さんとお揃いっていうのも悪くないし。何より対魔仕様になっているから下手な防具より頑丈ですしね」

 そう言ってミッフィは光の頭を撫でる。
 光の顔が真っ赤に染まっていくが、気にするそぶりはない。

「と、時間だな。もう少ししたら呼び出しが来るだろうから精神統一なりなんなりするといい。あたしたちは上で見守ってるぞ!」
「頑張ってね?光さん」

 二人はいうが早い。ドアから出て行った。
 ラザロに言われたからではないが、光は刀を手に取ると椅子から降りて正座をした。
 あと数分で決闘という名の、売名行為が始まる。
 光はどう圧倒するかを真剣に考えるのであった。
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