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第八章 開催!ゴーレムフェスティバル!
第六九話 ゴーレム、金策する
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到着しました!サイナ大陸です!ここには人族とドワーフ族が中心の国があるそうです!
ちなみに人族っていうのが、オレの概念で言うところの普通の人間らしいですね。ドワーフはほら、ちっこくって髭もじゃもじゃで斧とかハンマー担いでそうな金に汚いおっさん型の種族です。実際には女性もいるので髭は目印にはなりませんのであしからず。
しかしサイナ大陸に到着してからというもの、同行者達がうるさくて敵いません。はい。
「あちい、シオー水出して水―」
「・・・申し訳ありませんシオ様。わたくしの分もお願いできますでしょうか?」
こんな具合です。
オレには分かりませんがこの大陸常夏らしいです。とても暑く、湿気も多いので海出身のお二人は苦しんでおります。
しかもこの二人、水作成の魔法使えないんですよ!?
水流を操作する魔法は自由自在らしいのですが、無から水を作る魔法を二人とも持ってないそうです。
周りを見渡せば水しかない世界に住んでいたから、水を生み出すって概念が無かったのだそうだ。
清蓮はまだ若いからいいけど、セルジア・・・お前何年魚やってんだよ。雷の魔法覚える前に水の魔法覚えろや。
「シオが出せるからいいー」
こいつ面倒くせえ!
「いいだろー。キンキンに冷えた奴頼むわー。もう水筒の中空っぽだよー」
作った先に頭からかけてるから無くなるんだよ!清蓮みたいに飲めよ。
「おお、そうだ!お前作った水にオレ様達が入ってお前が運べばいいじゃんか!」
そうだ!じゃねえよ。何に入れるんだ何に。
清蓮もその手があったかみたいな顔するんじゃーありません。
「樽か何か買ってきましょうか?」
「だったら馬車買って風呂乗せようぜ。そんでシオが引けばいいじゃんか。シオが歩けばいいだけだし?どうよこの考え」
「名案ですね!」
名案じゃないですからね?そもそもお前ら金あんのか?
「・・・・・」
「・・・・・・・・・」
オレはいいけど、街に着いたらお前達宿とか取らないといけないだろ?大丈夫なのか?
「それくらいなら・・・まあ。ですが馬車を買うようなお金は・・・」
「オレ様は金などない!シオ、金貸して」
持ってねえよ!金がいるように見えるか!?
「オレ様と同じで無一文のくせに偉そうに言うなー」
く、反論したいが金が無いのは事実だ。
そもそもオレはお前達と違って一日中歩いてられるし飯も食わねえから必要ないんだよ。服もいらねえしな。ついでに物を売り買いできるような素敵トークも出来ん。口が無いっ!
「口が無いのは不便ですよね。シオ様のお言葉が貰えないのは残念です」
「っつっても結構念話はやかましく飛んでくるけどな」
お前らが話しかけてくるからだろーが。
「寡黙なゴーレムの方が恰好良いぞ?」
お前はもっと威厳を持て海の王者。
「なにおう!」
なんだよ!
「お二人とも喧嘩はやめてください。ほら、もうすぐ街に着きますから」
岩と荒野の先に、大きめな街が見えた。
目的のドワーフの国は更に先、北に見える火山の中腹にあるらしい。
今日は久しぶりに街で過ごせそうだ。
といってもオレの体は大きすぎて民家や宿には入れないから外で待機だけどな。
ちなみにだいぶ省略したが、海都を出て鯨の姿に戻ったセルジアに乗りこの大陸に着くのに大体2日くらい。その後は陸路。
セルジアが飛行魔法で飛んでも良かったが、清蓮が目立つマネは良くないといい徒歩での移動となった。
海から上がった場所は近くに町や港も無い場所で、とりあえず山に向かって突き進んで街道にぶつかり・・・といった経緯だ。
「おお、兄ちゃん達すごいの連れてるな!こいつでゴー祭に参加か?」
「でけえ!強そう!堅そうだ!こいつはいい線行くんじゃねえか?」
「今回はゾルド兄弟も新型でお目見えだからな!分からんぜ?」
「前回・前々回優勝したシミュートの『大角』は今回も参加だ!大丈夫かあんちゃん達」
街に入るなり、セルジアと清蓮が街の人達に囲まれた。
オレにも興味があるらしく、腕や腹を叩いてくる人が大勢いる。
「ゴー祭・・・おお、そういえばこの時期か!」
セルジアは何か知っている様子。
「セルジア様、ゴー祭というのは?」
「サイナ大陸のドワーフ達が一堂する祭りだよ。今年はゴーレム品評祭か!いいタイミングだったな!」
「なんだ兄ちゃん、知らないでこんなの引き連れて来たのか」
「知ってた!が、忘れてたぜ!」
「こいつならいい線行くんじゃねえか?誰の作だ?」
「え?ああ、えーっと」
「このゴーレムは海底の遺跡で私達が見つけたものです。上手く使役出来たのですが、念の為専門の者に見てもらおうとここまで連れてきました」
「ああ、なるほどな。ティーラならいい職人がたくさんいるし、時期もいいからすぐに見てもらえると思うよ」
セルジアが言いよどんだところで、清蓮が横から助け舟を出した。
「海底の遺跡・・・ってことは混生期時代のゴーレムか!こりゃあ今年は荒れるな!」
「すげえすげえ!オレはこいつに賭けるぜ!」
「オレもだ!」
「他のラインナップも見ないとだが、こいつは頼もしいな!」
うん。なんか盛り上がり出した。とりあえずもうすぐお祭りがあって、それがゴーレムに関係するってこと?品評祭ってことは審査とか受けるのか?
・・・参加しないぞ?
『ええ、しろよ参加!面白そうじゃんか』
やだよ、色々鑑定とかされるんだろ?
『ゴーレム同士のガチンコバトルINマグマの海とか超盛り上がるんだぜ?』
危ねえよそれ!なんでわざわざマグマの中でやるんだよ!熱いじゃん!溶けるじゃん!
『お前この間マグマの中も平気とか言ってなかったか?』
言ったけど!自ら望んでなんで入らなきゃ行けないんだよ!お前入れよ!
『オレ様が泳ぐのは青い海と青い空だけだ』
うぜええええええええ!
『うるせえなあ。それにお前が参加して優勝した方が都合がいいんだよ』
お前さっきまで祭りのこと忘れてたよな?
『や、そうなんだけどな。優勝賞品も思い出したんだ。こいつは都合がいいと思う、というか速攻でお前の問題が解決すると思うぜ』
マジで?
『マジだ。優勝者にはレベッカが望みの物を作ってくれる』
レベッカ?なんか聞いたこと・・・。
『海槍クラーケンの製作者だよ』
え?あれって水魔族が何代も継承してきたんじゃ。
『赤の眷属『レベッカ=ダンゲ』だよ。あいつオレ様と同じくらい生きているぜ?』
おおう。末恐ろしい生き物がまた一人。
『あいつに作れない物は無いと言われている最高の職人だ。数百年前に一回会ったくらいで面識なんてほとんどないけどな』
あ、じゃあもしかして!?
『おう、お前の体作って貰えばいいんじゃねえか?』
お前天才!
『オレ様天才!』
イエーイ!
『イエーイ!』
方向性が定まったので、早速火山の中腹にある街『ティーラ』に入ることにした。
この街の横にある、街よりも数倍は大きいカルデラ湖で、若干一名が休みたい泳ぎたいと騒いだため多少足止めを食らったが些細なことだ。
カルデラ湖はこの辺り一帯の街の水源となっているらしい。
巨大な活火山が間近にあるのにも関わらず、水質はかなり良い為二人は大喜びだった。
セルジアは大喜びでどっかにいって雷落としてたな。羽目を外し過ぎだとは思ったがまあ大目にみてやることにする。
ゴー祭開催までは、まだあと三カ月近くあるらしい。
「シオ様、セルジア様。申し訳ありません、問題が一つ起きてしまいました」
宿の代わりにあてがわれた工房の一室で清蓮が神妙な顔をしている。
普通の宿屋だとオレが入れないし、外にいると品評祭前にゴーレムが壊されることもあるらしいのでここに泊まることになった。
毎年参加してる連中なんかは、基本的に自分の工房兼店舗を街の中に持っているそうだ。
この工房は二階建てで一階は工房、二階が居住区となっている。だが店舗としては使いにくい町はずれにあるため一番安かったらしい。
オレは上の階に行けないから上はどうなってるか知らないが、清蓮が念入りに掃除をしていたから綺麗になっているんだろう。
「どうした?清蓮」
清蓮の様子に、セルジアが問いかける。
「お金が、足りなくなりそうです」
ああ、お金か・・・お金ですか・・・。
「はい、このままではこの工房から出なければなりません。それとゴーレム品評祭の参加費もかなりの金額が必要のようでして」
「金、金かー・・・」
「今日のうちに冒険者ギルドに顔を出してきたのですが、私一人の手で稼げる額ではここの工房を借りるのもあと20日。危険な依頼はその分報酬が良いのですが、10名近くの手練れがパーティでクリアするようなレベルの物ばかりでして・・・私もそこそこ腕には自信があるのですが、流石に実績もない水魔族に手を貸してくれるパーティもありませんし」
「そんじゃ、その依頼をオレ様達でクリアしちゃえば総取りじゃね?」
それだ!
「だろ!?ちなみに近場で一気に稼げそうなところって?」
「まあ、そういう流れになるだろうなと思いまして・・・もう見つけてあります。依頼内容はブレードマンティスの腕のブレードを集めてくるというものがあります」
ブレードマンティス?
「両腕が鎌ではなくて、鋭い剣になっている蟷螂だそうです。モンスターとしては上級のモンスターですね。Aランクのモンスターですが、群れている場合AAAランクまで難易度は上昇します。今は街ぐるみでブレードを集めているらしくて、状態の良い1本で金貨8枚と交換して貰えるそうです。普段なら金貨5枚分ってところですね」
ちなみに工房のレンタル料は?
「10日で金貨2枚です。ちなみにセルジア様の食費も大体一日で金貨2枚です」
オイ。
「や、だって!せっかく人型になってるんだから旨いもん食いたいじゃん!」
「味よりも量が問題なんです!セルジア様の胃袋底なしですから!」
人がメシ食えないのをいい事にてめえ・・・。
「わかった!わかりましたよ!つまりそのブレードなんちゃらを乱獲してくればいいってことだろ!?」
「ええ、ですが状態の悪い物は買い取ってくれないそうです。なるべくなら腕ごと持ってくるようにとのことです。数量の上限は特に決めてないそうですね」
ランクAってどの位の強さなの?
「そうですね・・・お兄様なら問題なく一人で狩れるクラスとでもいいましょうか。あの人は一人でSランクのモンスターと戦えますから。わたくしの場合は1対1なら問題なくですが、相手の武器を無傷で手に入れるように戦うとなると難しいですね。それに彼らは集団でいることが多いですから、地中に巣を掘ってコロニーを作るそうなので・・・複数同時に相手をするとなると厳しいです」
うーん。オレは下手な武器で殴られるとその武器折れちゃうからなあ。
「オレ様が足止めして、シオが腕ごと千切ればいいんじゃね?」
お前そんな器用な真似出来るの?
「雷鯨様舐めるなよ?生物なら大体感電させて止められるぜ」
「ならばその方法で行きましょうか。体の方も回収出来れば買い取ってくれます。火山豚の餌に丁度いいそうです」
この辺りで一番大きなコロニーはどこに?
「この街の東に2日ほど向かったところです。途中に休める村などが無いため、そこのコロニーは放置されているそうです」
いい情報だね。それも依頼と一緒に調べたのか?
「一般的な巣穴より大きくなりすぎて少人数のパーティでは手に負えないそうです、この街の警備隊がダンジョン攻略組と一緒に明日討伐に向かうそうです」
「それ、横取りしちゃっていいの?」
「どうなんでしょうか?ダンジョン攻略組は巣穴のブロックが目当てらしいですけど」
「ほほう?じゃあそっちも売れるってこと?」
なんか価値があるの?
「ブレードマンティスは巣穴が崩れないように、要所要所でブレードと同じ素材を使って補強工事を行うそうです。その素材が武具の加工に使われていまして、大きいものほど高値で取引されるらしいです」
そっちの相場は?
「流石にそこまでは」
なるほど、じゃあオレとセルジアでサクサクっと行ってきちゃおうか?
「そうだな、サクサクっと行っちゃいますか」
「え?え?わたくしも行きますよ?」
「清蓮はお留守番―。今までお金の面で頼り過ぎてたらしいから、ここはオレ様達にお任せを」
そうだね。女の子を戦わせるのも良くないし。
「わたくしも水魔族の戦士です。足手まといにはなりません!」
そうかもだけど、討伐隊が先行しちゃうと困るからね。オレとセルジアは眠らなくてもそのままのポテンシャルで戦えるから、今回は早めに片付ける事を優先した方がいいかなって。
「そう、ですか」
邪険にしてる訳じゃないんだ。今まで頼りきってたからここはオレ達にやらせて?清蓮はゴーレムに詳しい人の聞き込みとか、品評祭の事調べたりしてくれてるんだからさ。オレ達にも仕事を頂戴。
「分かりました。それではお願い致します」
「任せとけ!」
うん。お留守番宜しくね。
話が纏まったので、オレとセルジアはすぐに出発することにした。
普通に向かって二日ってことは、眠る必要のないオレ達ならば一日で着く計算になる。
明日討伐隊が予定通り出発しても、一日先行出来れば十分に余裕が持てるはず。あとは敵の数次第だろう。
ちなみに人族っていうのが、オレの概念で言うところの普通の人間らしいですね。ドワーフはほら、ちっこくって髭もじゃもじゃで斧とかハンマー担いでそうな金に汚いおっさん型の種族です。実際には女性もいるので髭は目印にはなりませんのであしからず。
しかしサイナ大陸に到着してからというもの、同行者達がうるさくて敵いません。はい。
「あちい、シオー水出して水―」
「・・・申し訳ありませんシオ様。わたくしの分もお願いできますでしょうか?」
こんな具合です。
オレには分かりませんがこの大陸常夏らしいです。とても暑く、湿気も多いので海出身のお二人は苦しんでおります。
しかもこの二人、水作成の魔法使えないんですよ!?
水流を操作する魔法は自由自在らしいのですが、無から水を作る魔法を二人とも持ってないそうです。
周りを見渡せば水しかない世界に住んでいたから、水を生み出すって概念が無かったのだそうだ。
清蓮はまだ若いからいいけど、セルジア・・・お前何年魚やってんだよ。雷の魔法覚える前に水の魔法覚えろや。
「シオが出せるからいいー」
こいつ面倒くせえ!
「いいだろー。キンキンに冷えた奴頼むわー。もう水筒の中空っぽだよー」
作った先に頭からかけてるから無くなるんだよ!清蓮みたいに飲めよ。
「おお、そうだ!お前作った水にオレ様達が入ってお前が運べばいいじゃんか!」
そうだ!じゃねえよ。何に入れるんだ何に。
清蓮もその手があったかみたいな顔するんじゃーありません。
「樽か何か買ってきましょうか?」
「だったら馬車買って風呂乗せようぜ。そんでシオが引けばいいじゃんか。シオが歩けばいいだけだし?どうよこの考え」
「名案ですね!」
名案じゃないですからね?そもそもお前ら金あんのか?
「・・・・・」
「・・・・・・・・・」
オレはいいけど、街に着いたらお前達宿とか取らないといけないだろ?大丈夫なのか?
「それくらいなら・・・まあ。ですが馬車を買うようなお金は・・・」
「オレ様は金などない!シオ、金貸して」
持ってねえよ!金がいるように見えるか!?
「オレ様と同じで無一文のくせに偉そうに言うなー」
く、反論したいが金が無いのは事実だ。
そもそもオレはお前達と違って一日中歩いてられるし飯も食わねえから必要ないんだよ。服もいらねえしな。ついでに物を売り買いできるような素敵トークも出来ん。口が無いっ!
「口が無いのは不便ですよね。シオ様のお言葉が貰えないのは残念です」
「っつっても結構念話はやかましく飛んでくるけどな」
お前らが話しかけてくるからだろーが。
「寡黙なゴーレムの方が恰好良いぞ?」
お前はもっと威厳を持て海の王者。
「なにおう!」
なんだよ!
「お二人とも喧嘩はやめてください。ほら、もうすぐ街に着きますから」
岩と荒野の先に、大きめな街が見えた。
目的のドワーフの国は更に先、北に見える火山の中腹にあるらしい。
今日は久しぶりに街で過ごせそうだ。
といってもオレの体は大きすぎて民家や宿には入れないから外で待機だけどな。
ちなみにだいぶ省略したが、海都を出て鯨の姿に戻ったセルジアに乗りこの大陸に着くのに大体2日くらい。その後は陸路。
セルジアが飛行魔法で飛んでも良かったが、清蓮が目立つマネは良くないといい徒歩での移動となった。
海から上がった場所は近くに町や港も無い場所で、とりあえず山に向かって突き進んで街道にぶつかり・・・といった経緯だ。
「おお、兄ちゃん達すごいの連れてるな!こいつでゴー祭に参加か?」
「でけえ!強そう!堅そうだ!こいつはいい線行くんじゃねえか?」
「今回はゾルド兄弟も新型でお目見えだからな!分からんぜ?」
「前回・前々回優勝したシミュートの『大角』は今回も参加だ!大丈夫かあんちゃん達」
街に入るなり、セルジアと清蓮が街の人達に囲まれた。
オレにも興味があるらしく、腕や腹を叩いてくる人が大勢いる。
「ゴー祭・・・おお、そういえばこの時期か!」
セルジアは何か知っている様子。
「セルジア様、ゴー祭というのは?」
「サイナ大陸のドワーフ達が一堂する祭りだよ。今年はゴーレム品評祭か!いいタイミングだったな!」
「なんだ兄ちゃん、知らないでこんなの引き連れて来たのか」
「知ってた!が、忘れてたぜ!」
「こいつならいい線行くんじゃねえか?誰の作だ?」
「え?ああ、えーっと」
「このゴーレムは海底の遺跡で私達が見つけたものです。上手く使役出来たのですが、念の為専門の者に見てもらおうとここまで連れてきました」
「ああ、なるほどな。ティーラならいい職人がたくさんいるし、時期もいいからすぐに見てもらえると思うよ」
セルジアが言いよどんだところで、清蓮が横から助け舟を出した。
「海底の遺跡・・・ってことは混生期時代のゴーレムか!こりゃあ今年は荒れるな!」
「すげえすげえ!オレはこいつに賭けるぜ!」
「オレもだ!」
「他のラインナップも見ないとだが、こいつは頼もしいな!」
うん。なんか盛り上がり出した。とりあえずもうすぐお祭りがあって、それがゴーレムに関係するってこと?品評祭ってことは審査とか受けるのか?
・・・参加しないぞ?
『ええ、しろよ参加!面白そうじゃんか』
やだよ、色々鑑定とかされるんだろ?
『ゴーレム同士のガチンコバトルINマグマの海とか超盛り上がるんだぜ?』
危ねえよそれ!なんでわざわざマグマの中でやるんだよ!熱いじゃん!溶けるじゃん!
『お前この間マグマの中も平気とか言ってなかったか?』
言ったけど!自ら望んでなんで入らなきゃ行けないんだよ!お前入れよ!
『オレ様が泳ぐのは青い海と青い空だけだ』
うぜええええええええ!
『うるせえなあ。それにお前が参加して優勝した方が都合がいいんだよ』
お前さっきまで祭りのこと忘れてたよな?
『や、そうなんだけどな。優勝賞品も思い出したんだ。こいつは都合がいいと思う、というか速攻でお前の問題が解決すると思うぜ』
マジで?
『マジだ。優勝者にはレベッカが望みの物を作ってくれる』
レベッカ?なんか聞いたこと・・・。
『海槍クラーケンの製作者だよ』
え?あれって水魔族が何代も継承してきたんじゃ。
『赤の眷属『レベッカ=ダンゲ』だよ。あいつオレ様と同じくらい生きているぜ?』
おおう。末恐ろしい生き物がまた一人。
『あいつに作れない物は無いと言われている最高の職人だ。数百年前に一回会ったくらいで面識なんてほとんどないけどな』
あ、じゃあもしかして!?
『おう、お前の体作って貰えばいいんじゃねえか?』
お前天才!
『オレ様天才!』
イエーイ!
『イエーイ!』
方向性が定まったので、早速火山の中腹にある街『ティーラ』に入ることにした。
この街の横にある、街よりも数倍は大きいカルデラ湖で、若干一名が休みたい泳ぎたいと騒いだため多少足止めを食らったが些細なことだ。
カルデラ湖はこの辺り一帯の街の水源となっているらしい。
巨大な活火山が間近にあるのにも関わらず、水質はかなり良い為二人は大喜びだった。
セルジアは大喜びでどっかにいって雷落としてたな。羽目を外し過ぎだとは思ったがまあ大目にみてやることにする。
ゴー祭開催までは、まだあと三カ月近くあるらしい。
「シオ様、セルジア様。申し訳ありません、問題が一つ起きてしまいました」
宿の代わりにあてがわれた工房の一室で清蓮が神妙な顔をしている。
普通の宿屋だとオレが入れないし、外にいると品評祭前にゴーレムが壊されることもあるらしいのでここに泊まることになった。
毎年参加してる連中なんかは、基本的に自分の工房兼店舗を街の中に持っているそうだ。
この工房は二階建てで一階は工房、二階が居住区となっている。だが店舗としては使いにくい町はずれにあるため一番安かったらしい。
オレは上の階に行けないから上はどうなってるか知らないが、清蓮が念入りに掃除をしていたから綺麗になっているんだろう。
「どうした?清蓮」
清蓮の様子に、セルジアが問いかける。
「お金が、足りなくなりそうです」
ああ、お金か・・・お金ですか・・・。
「はい、このままではこの工房から出なければなりません。それとゴーレム品評祭の参加費もかなりの金額が必要のようでして」
「金、金かー・・・」
「今日のうちに冒険者ギルドに顔を出してきたのですが、私一人の手で稼げる額ではここの工房を借りるのもあと20日。危険な依頼はその分報酬が良いのですが、10名近くの手練れがパーティでクリアするようなレベルの物ばかりでして・・・私もそこそこ腕には自信があるのですが、流石に実績もない水魔族に手を貸してくれるパーティもありませんし」
「そんじゃ、その依頼をオレ様達でクリアしちゃえば総取りじゃね?」
それだ!
「だろ!?ちなみに近場で一気に稼げそうなところって?」
「まあ、そういう流れになるだろうなと思いまして・・・もう見つけてあります。依頼内容はブレードマンティスの腕のブレードを集めてくるというものがあります」
ブレードマンティス?
「両腕が鎌ではなくて、鋭い剣になっている蟷螂だそうです。モンスターとしては上級のモンスターですね。Aランクのモンスターですが、群れている場合AAAランクまで難易度は上昇します。今は街ぐるみでブレードを集めているらしくて、状態の良い1本で金貨8枚と交換して貰えるそうです。普段なら金貨5枚分ってところですね」
ちなみに工房のレンタル料は?
「10日で金貨2枚です。ちなみにセルジア様の食費も大体一日で金貨2枚です」
オイ。
「や、だって!せっかく人型になってるんだから旨いもん食いたいじゃん!」
「味よりも量が問題なんです!セルジア様の胃袋底なしですから!」
人がメシ食えないのをいい事にてめえ・・・。
「わかった!わかりましたよ!つまりそのブレードなんちゃらを乱獲してくればいいってことだろ!?」
「ええ、ですが状態の悪い物は買い取ってくれないそうです。なるべくなら腕ごと持ってくるようにとのことです。数量の上限は特に決めてないそうですね」
ランクAってどの位の強さなの?
「そうですね・・・お兄様なら問題なく一人で狩れるクラスとでもいいましょうか。あの人は一人でSランクのモンスターと戦えますから。わたくしの場合は1対1なら問題なくですが、相手の武器を無傷で手に入れるように戦うとなると難しいですね。それに彼らは集団でいることが多いですから、地中に巣を掘ってコロニーを作るそうなので・・・複数同時に相手をするとなると厳しいです」
うーん。オレは下手な武器で殴られるとその武器折れちゃうからなあ。
「オレ様が足止めして、シオが腕ごと千切ればいいんじゃね?」
お前そんな器用な真似出来るの?
「雷鯨様舐めるなよ?生物なら大体感電させて止められるぜ」
「ならばその方法で行きましょうか。体の方も回収出来れば買い取ってくれます。火山豚の餌に丁度いいそうです」
この辺りで一番大きなコロニーはどこに?
「この街の東に2日ほど向かったところです。途中に休める村などが無いため、そこのコロニーは放置されているそうです」
いい情報だね。それも依頼と一緒に調べたのか?
「一般的な巣穴より大きくなりすぎて少人数のパーティでは手に負えないそうです、この街の警備隊がダンジョン攻略組と一緒に明日討伐に向かうそうです」
「それ、横取りしちゃっていいの?」
「どうなんでしょうか?ダンジョン攻略組は巣穴のブロックが目当てらしいですけど」
「ほほう?じゃあそっちも売れるってこと?」
なんか価値があるの?
「ブレードマンティスは巣穴が崩れないように、要所要所でブレードと同じ素材を使って補強工事を行うそうです。その素材が武具の加工に使われていまして、大きいものほど高値で取引されるらしいです」
そっちの相場は?
「流石にそこまでは」
なるほど、じゃあオレとセルジアでサクサクっと行ってきちゃおうか?
「そうだな、サクサクっと行っちゃいますか」
「え?え?わたくしも行きますよ?」
「清蓮はお留守番―。今までお金の面で頼り過ぎてたらしいから、ここはオレ様達にお任せを」
そうだね。女の子を戦わせるのも良くないし。
「わたくしも水魔族の戦士です。足手まといにはなりません!」
そうかもだけど、討伐隊が先行しちゃうと困るからね。オレとセルジアは眠らなくてもそのままのポテンシャルで戦えるから、今回は早めに片付ける事を優先した方がいいかなって。
「そう、ですか」
邪険にしてる訳じゃないんだ。今まで頼りきってたからここはオレ達にやらせて?清蓮はゴーレムに詳しい人の聞き込みとか、品評祭の事調べたりしてくれてるんだからさ。オレ達にも仕事を頂戴。
「分かりました。それではお願い致します」
「任せとけ!」
うん。お留守番宜しくね。
話が纏まったので、オレとセルジアはすぐに出発することにした。
普通に向かって二日ってことは、眠る必要のないオレ達ならば一日で着く計算になる。
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猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
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あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
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