88 / 115
第八章 開催!ゴーレムフェスティバル!
第七十一話 ゴーレムと心を通わす
しおりを挟む
アイ達はこいつらと一緒に討伐隊やってたのか?
てかなんでここにいるんだ?
「シオが、お前達3人はなんでここにいるのか気になってるみたいだぜ?」
オレの疑問にセルジアが通訳をかって出てくれた。
そういえばセルジアもこいつらのこと知らないよな。
「セルジア様がシアと呼ぶ、このゴーレムの製作方法の解析を行うためにこちらに来ていました。ゴーレム品評祭と期間がかぶってしまったため、祭りの後で専門家にレポートの調査を依頼する予定です」
アイがセルジアに答える。オレに答えろよ。
「ガルナッシュ評議会で少しだけ見てもらったのですが、評議会のメンバーの誰もそのレポートの解読が出来ないようで・・・祭りの期間と重なったこともあり、こちらに留まることになりました。今回のブレードマンティス討伐隊に加わったのは、評議会からの依頼に御座います」
「ああ、なるほどね。お前らそこそこ強そうだもんな」
「お言葉有り難く。実際は貴方様と国崩し・・・・お二人に先を越されてしまいましたがね」
ゴートはオレの方を見て、溜息を一つ。
オレは悪くないぞ?
「そうにゃ!そんなことよりにゃ!国崩し!お前にゃんで逃げたにゃ!心配したにゃ!どっかで壊れて放置されたのかと思ったにゃ!なんで勝手にいなくなったにゃ!にゃーは怒ってるにゃ!!」
うえ、あ・・・えっと・・・。
「お前!通訳するにゃ!国崩しがにゃんて言ってるにゃ!?」
「こら、テイツォ」
「コラじゃにゃいにゃ!にゃーのが怒ってるにゃ!あんにゃに言ったのにこいつは全然反省してにゃいにゃ!勝手にいにゃくにゃるにゃんて酷いにゃ!・・・ドラゴンと戦って消えるだにゃんて・・・誰でも心配するに決まってるにゃ!」
「なんだシオ、しっかり友達いるじゃねえか」
友達・・・なのか?オレはこいつらの故郷を破壊てトンズラこいた人でなしだぜ?
「シオは自分が人でなしだって言ってるぜ?」
「当たり前にゃ!お前はゴーレムにゃ!」
そういう事じゃねえよ!お前らに合わせる顔が無いからいなくなったっつってんだよ!
「ん?どういうことだ?オレ様に素敵に説明しろ」
「ええと、とりあえず全員一旦外に出ましょう。ここではゆっくりと話をすることも出来ないですから」
「それもそうか。巣穴攻略は途中だけど、ここから奥に進むのは面倒そうだし・・・シオ、こんなもんでいいだろ?」
そうだな。とりあえずそれどころじゃなさそうだ。てか助けて下さい。
「事情を説明したら助けてやらんでもない」
あうあう。
「可愛く言ってもダメ」
ちっ。
結局オレはセルジアに過去をゲロることになった。
ある意味で黒歴史だ。
一通り話を聞くと、今度はアイ達に相違が無いか聞いた。
アイ達からも話を聞くと、今度はセルジアが溜息をついて一言言い切った。
「それはあれだ。シオが照れ屋だからだ」
おいいいいいいいいいいいいいい!話聞いてたんか!
オレはこいつらの家とか街とか家族とか吹き飛ばしたんだぞ!一緒にいられる訳ねえじゃねえか!
「シオはお前達に家をぶっ壊したり街の人間を殺したりしたから、お前達といられないって言ってるぜ?」
「確かに、国崩しが行った殺戮は非道なものでした。ですが、国崩しというゴーレムが製作者の命令を受けて、実施したものと我々は認識しています。国崩しの意思はそこにはなかったとも」
「ってことだけど?お前暴れたくて暴れたのか?」
そんな訳ねえだろ!誰が好き好んで殺戮なんてするかよ!
「じゃあこいつらの言う通りじゃん?戦争して人を殺しても兵士が悪い訳じゃなくてそれを命令した奴が悪い訳だし。それと同じだろ」
例えそうでも、実際オレがやったことは事実だしさ・・・。
「なるほどね。お前人からの善意で辛くなったな?」
うっ。
「『国崩し』か、良くもまあそんな名前で呼ばれるようになったもんだ。中身はとんだ甘ちゃんなのにな」
ぬぐっ。
「その癖、辛くなって申し訳なくなって自分で壊した街の復興を手伝って?受け入れられたらその善意が辛くなったってか・・・お前、ガキだったんだな」
うぐっ。
「国崩しを悪く言うにゃ!こいつは同胞にゃ!こいつの悪口は誰であっても許さにゃいにゃ!」
「・・・だとさ。お前さ、罪悪感に押しつぶされてるみたいなこと言ってるけど・・・とっくに許されてるんじゃねえか」
許される訳ないだろ・・・。
「それはお前が自分を許してないだけだろ、えっと・・・アイレウスにゴートにテイツォだっけ?お前たちはシオの事どう思ってるんだ?」
突然話を振られて3人がお互いの顔を見合わせる。
アイがオレの顔に向かって言葉を投げかけて来た。
「国崩しは・・・師匠の仇だ・・・だけど、街を直してくれた・・・あのまま衰退の一途をたどる筈のグランフォールに立ち直るきっかけを与えてくれた・・・恩人だ。」
ゴートがオレの胸に手の甲を当てて言った。
「お前の気持ちも考えずに、勝手に街の復興に組み込んじまった。こうすればいいと、勝手に思って結論付けちまった・・・辛い思いをさせたに決まってるよな。すまん」
ゴート・・・。
「にゃーは・・・怒ってるにゃ・・・」
テイツォ、そうだよな・・・オレのせいでお前は葬式に明け暮れたもんな。一番人の死に際に立たされたのはお前だもんな・・・。
「そんにゃこと怒ってないにゃ!勝手にいにゃくにゃったことを怒ってるにゃ!にゃーは言ったにゃ!嫌なら嫌と言えと!嬉しいなら嬉しくするにゃと!悲しいなら悲しいと言えと言ったにゃ!」
え?
「にゃ?」
テイツォ・・・通じた?
「にゃ?今のが国崩しの声にゃ?」
聞こえるか?
「聞こえるにゃ!これで訳わかんにゃいヤツに通訳させずに済むにゃ!」
「訳分からないって・・・テイツォよ、主神の正当な眷属だぞ?雷鯨のセルジア様だ」
「雷鯨セルジア様?聖書に載ってる人にゃ・・・にゃああああああああああああああ!!!?」
「お、理解されたらしい。まあ今まで通りでもオレ様は構わんぞ」
「無理にゃ!黒コゲにされるにゃ!にゃーは死にたくにゃいにゃ!ももももも申し訳ございませんにゃ!にゃーは青の神官失格にゃ!神官やめるにゃ!」
「辞めた方が怒るぞ」
「うううううそにゃ!辞める訳にゃいにゃ!セルジア様万歳にゃ!」
「あはははは、こいつおもしれーな!」
「申し訳御座いませんセルジア様・・・あとできつく言っておきますので」
「いいって、オレ様は青と緑の眷属だ。自由が一番さ」
ああ、お前自由だもんなあ。
「にゃあ、本当に国崩しの声が聞こえるにゃ。にゃんでにゃ?」
「お互い本気で感情をぶつけたからじゃねえかな?念話のレベルは高くなさそうだが・・・まあ心が通じ合ったんだろ」
「にゃーは嬉しいにゃ。話せるのはいい事にゃ」
そうだな・・・テイツォ、勝手にいなくなって悪かった。すまん。
「にゃ・・・謝るくらいにゃら最初からしないでほしいにゃ・・・でも今回は大目に見るにゃ」
オレは恐る恐る、テイツォの首元を指で撫でた。
テイツォは甘んじてそれを受けると、とろけるような表情でこちらを見返した。
褒めたりするときは、こうすればいいんだよな?
「にゃ、そうにゃ。もっと丁寧にするべきにゃんだけど、許すにゃ」
セルジア達はオレとテイツォのやり取りに苦笑して、テイツォの顔を覗かないように背を向けた。
テイツォは涙を流していた。
オレの為に流してくれた涙だ。
オレはしばらく、テイツォの首元を撫でるのをやめられなかった。
念話は恥ずかしくて、つなげられなかった。
「なるほど、それでお金を稼ぎにブレードマンティスの巣にいらしていたのですね」
「そういうことだ。あそこの工房にオレ様達の仲間が一人待ってるんだ」
「しかし、ゴーレム品評会に国崩しが参加か・・・今年は荒れるな」
「むしろ荒れないんじゃないか?シオの一人勝ちだろ。こいつオレ様とガチでやって無傷だぜ?」
あれはガチじゃないだろう。少なくともセルジアは周りの人魚を傷つけないように加減してたじゃんか。
「いやあ、結構熱くなってたからなあ。比較的加減抜きの一撃だったんだぜ?」
お前やっぱ危険人物だわ。
「お前は危険物だろ」
んだと!?
「やんのか!?」
「なんで喧嘩になるにゃ。仲良くするにゃ」
オレの肩の上に乗ったテイツォが呆れて仲裁に入って来た。
「それとゴート、国崩しじゃにゃいにゃ。シオにゃ」
「おお、そうだな。シオだなシオ」
「アイも注意するにゃ。ちゃんとにゃまえで呼んでやるにゃ」
「わかったよ」
工房に到着する前に、扉が開いて清蓮が顔を出した。
「シオ様、セルジア様。おかえりなさいませ・・・えっと?」
「おう、戻ったぞ」
ただいま。
「そちらの猫人族のお嬢さんは、どこかお怪我でも?」
や、気が付いたら乗ってた。
「お嬢さん、降りなさい?シオ様のお肩の上に乗るだなんて恐れ多いことをするなんて・・・3枚に卸しますよ?」
なんか怖い事言い出した!
「にゃ!こ、ここはにゃーの特等席にゃ!!譲らにゃいにゃ!」
「その御方は水魔族の長にして7代目クラーケン様ですよ!あなたのような獣が尻を乗せていいお方ではありませんっ!」
「にゃ?シオはシオではにゃいのかにゃ?」
や、それには深い訳が・・・・。
「あんま深くないぞ」
「シオ様、その小娘を排除しますので動かないでくださいまし!」
「シオ~おにゃかすいたにゃ~」
「クラーケンって、あのクラーケンか・・・」
「さすがセルジア様の仲間、一挙手一投足に隙がない・・・歴戦の戦士のようだ」
うあ、なんか思った以上にまとまりがないぞこの集団。
と、とりあえず清蓮。換金に行こうか。
セルジアはどうする?
「オレ様はこいつらにお前のクラーケン話で盛り上がる事にするっ」
「ぜひ伺いたいですな」
「換金にゃ?ってことは買い物にゃ!一緒にいくにゃ!」
「冒険者ギルドなら自分も用があるので着いていきます」
テイはお留守番な。
「置いてけぼりにゃ!」
眷属様のご機嫌でも取ってろ。
「む、それは大事な仕事にゃ・・・」
「お前、厄介ごと押し付けてないか」
「まあまあ、テイツォがいると余計に時間を取られますから。アイ、適当に食い物と酒も買ってきてくれ」
ゴートがアイにお金が入っていると思われる革袋を放り投げた。
アイはそれを受け取ると、ゴートに視線を送る。
「セルジア様、相変わらずの食欲ですかな?」
「おう、人型の時はな!」
「アイ、使い切って構わん。持てるだけ持って来い」
「りょーかい。シオ、魔法の倉庫借りていいか?」
ああ、荷物持ちね?いいよ。
「皆さまセルジア様のお知り合いですか?」
ゴートってあの戦士風の男はオレとセルジアの共通の知り合いで、テイツォっていう猫人族とアイレウスっていうこの男はオレの知り合いというか・・・。
「仲間にゃ!」
そんな感じです、はい。
「そうでしたか、それでは今日は奮発して・・・奮発できますよね?」
しこたま狩って来たから出来ると思うよ。レート下がってなければだけど。
「では冒険者ギルドに行きましょうか」
「ええ、自分がいれば煩わしい受付パス出来ますよ」
「それは頼もしいですね」
んじゃいこかー。
清蓮とアイが冒険者ギルドの中に入っていって、オレは後ろから着いていくことに。床がフローリングだ、踏み抜かないように注意せねば。
早速清蓮が買い取りの話を行っているけど、どれだけの量があるかって?
この施設で広げたら他の客に迷惑をかける程度の量はあるなあ。
ざっくり250体分の鎌と死体は220体分くらいです。
清蓮がそのままの内容を受付で伝えると、受付の人が凍り付いていました。
横でアイが苦笑している。
まあ普通に考えて、ここで広げられる量じゃないもんね。仕方ないと思うよ。
清蓮とアイを連れだって、冒険者ギルドの横に建っている大きな倉庫に到着しました。
ここも結構にぎわってるね。あ、オレと同じゴーレムもいる。荷物運んでるのか、勤勉ですなあ。
ちなみに壁周りの素材と柱の金属の換金は見送る事にする。
今はレートが低いらしいのと、査定に時間がかかるそうなので却下だ。
「それではこちらで品を見させて頂きます。ブレードマンティスのブレードは1本に付き金貨8枚ですが、刃こぼれなどが確認できたものは5枚に減額されますのであしからず。ブレードマンティスの体は個体のサイズにもよりますが、10体に付き金貨1枚です」
「ええ、それではシオ様お願いします」
オレは頷くと、魔法の鞄からもそもそと今日の成果を取り出した。
アイがオレから受け取って床に並べてくれている。うむ、結構役に立つじゃないか勇者君。
しかし注目を集めるな。一度にこれだけの数を揃えるのは珍しいようだ。
「えっと・・・この量は・・・一体何日ブレードマンティスの巣に籠っていたのですか・・・」
「少々規格外のゴーレムと少々規格外の海人族がいまして、その二人で昨日の夜からさっきまで・・・」
「それはそれは・・・成果も規格外なんですね・・・しかもほとんど刃こぼれもしてないで、腕ごと・・・状態もいいですわね」
「ええ、連れて来た私が言うのもなんですが・・・規格外なので・・・成果も規格外なんですね」
「お、こいつばジェネラルマンティスのブレードか。シオ、これ自分が買ってもいいか?」
え?4本あるからあげるよ?
「シオ様はそれは差し上げていいとおっしゃってますが」
「いやいやいや、これ普通に売っても金貨100枚くらいしますから。買います買います」
100枚っていってもなあ。これ全部完品扱いならえーっと・・・いくらだ?
オレは倉庫の地面に指で計算をする、248本のうち244本が普通ので×8だから・・・金貨1920枚かそれに金貨300枚にマンティスの体の買取がざっくり金貨20枚。一本くらいいいんじゃね?
「計算が出来るゴーレムって何者?!」
「シオ様は勉学にも精通なされているのですね、素晴らしいですわ」
「お前頭いいのな。でもその字は見た事ないな」
ゴーレム式計算術です。
「ゴーレム式計算術らしいです」
そういうのは通訳しなくていいから。
「そうですか?」
「それで、買取は・・・全部完品のようですね・・・そちらのゴーレムさんのおっしゃる通り金貨2374枚での取引になりますが」
あ、じゃあこのぶっといのは1本アイに。
「ジェネラルの剣は1本アイ様にとおっしゃっています」
「有難うシオ。コレ目当てで自分は討伐隊に参加していたんだ」
セルジアの夕食代でいいぞ。
「セルジア様の夕食代でいいそうですが」
「や、それゴートさんのお金ですし。それでも全然足りてないですし」
そうだなあ。本当にいいんだけど・・・。
「わたくしから案が一つ」
なにー?
「ゴーレムに特に詳しい方を紹介して頂けませんか?聞けば評議会に依頼をかけて解析して貰うものがあるとのことでしたので、私達では相手を知ることが出来ても実際にお話出来るようになるには時間がかかりますので」
それいいね!清蓮に任せっきりだった事だけど、確かに知らない人にいきなり依頼をかけるより知ってる人から話を通して貰った方が断然いい!
「ゴーレムに詳しい人ですか?元々自分達もそういった人たちと話をするためにこの大陸に来ているので、その時に同行して貰うことは問題ないですが」
問題ないならそれで。
「それでお願い致します、とシオ様もおっしゃっています」
「品評祭の後になる予定ですからそれでもいいなら。それでも随分、というか・・・その程度では金貨100枚分の働きには・・・」
じゃあ残りは貸しで。なんかの時に返してくれ。金以外で。
「残りは貸しだそうです」
「貸し、か。わかりました、どんなことでも言ってください。力になりますから」
頼んだ。
「ではジェネラルのブレードを一つ残して、残りは換金をお願いいたします」
「分かりました。今ご用意いたしますのでお待ちください」
「では自分は食料と酒を買い込んできます。シオ、一緒に来てくれ」
あいよー。てか清蓮相手だと敬語なのにオレにはタメ口なんだなこいつ。
「注意しますか?」
そのままの方がいいです。
「ではまた工房で」
あいよ。
てかなんでここにいるんだ?
「シオが、お前達3人はなんでここにいるのか気になってるみたいだぜ?」
オレの疑問にセルジアが通訳をかって出てくれた。
そういえばセルジアもこいつらのこと知らないよな。
「セルジア様がシアと呼ぶ、このゴーレムの製作方法の解析を行うためにこちらに来ていました。ゴーレム品評祭と期間がかぶってしまったため、祭りの後で専門家にレポートの調査を依頼する予定です」
アイがセルジアに答える。オレに答えろよ。
「ガルナッシュ評議会で少しだけ見てもらったのですが、評議会のメンバーの誰もそのレポートの解読が出来ないようで・・・祭りの期間と重なったこともあり、こちらに留まることになりました。今回のブレードマンティス討伐隊に加わったのは、評議会からの依頼に御座います」
「ああ、なるほどね。お前らそこそこ強そうだもんな」
「お言葉有り難く。実際は貴方様と国崩し・・・・お二人に先を越されてしまいましたがね」
ゴートはオレの方を見て、溜息を一つ。
オレは悪くないぞ?
「そうにゃ!そんなことよりにゃ!国崩し!お前にゃんで逃げたにゃ!心配したにゃ!どっかで壊れて放置されたのかと思ったにゃ!なんで勝手にいなくなったにゃ!にゃーは怒ってるにゃ!!」
うえ、あ・・・えっと・・・。
「お前!通訳するにゃ!国崩しがにゃんて言ってるにゃ!?」
「こら、テイツォ」
「コラじゃにゃいにゃ!にゃーのが怒ってるにゃ!あんにゃに言ったのにこいつは全然反省してにゃいにゃ!勝手にいにゃくにゃるにゃんて酷いにゃ!・・・ドラゴンと戦って消えるだにゃんて・・・誰でも心配するに決まってるにゃ!」
「なんだシオ、しっかり友達いるじゃねえか」
友達・・・なのか?オレはこいつらの故郷を破壊てトンズラこいた人でなしだぜ?
「シオは自分が人でなしだって言ってるぜ?」
「当たり前にゃ!お前はゴーレムにゃ!」
そういう事じゃねえよ!お前らに合わせる顔が無いからいなくなったっつってんだよ!
「ん?どういうことだ?オレ様に素敵に説明しろ」
「ええと、とりあえず全員一旦外に出ましょう。ここではゆっくりと話をすることも出来ないですから」
「それもそうか。巣穴攻略は途中だけど、ここから奥に進むのは面倒そうだし・・・シオ、こんなもんでいいだろ?」
そうだな。とりあえずそれどころじゃなさそうだ。てか助けて下さい。
「事情を説明したら助けてやらんでもない」
あうあう。
「可愛く言ってもダメ」
ちっ。
結局オレはセルジアに過去をゲロることになった。
ある意味で黒歴史だ。
一通り話を聞くと、今度はアイ達に相違が無いか聞いた。
アイ達からも話を聞くと、今度はセルジアが溜息をついて一言言い切った。
「それはあれだ。シオが照れ屋だからだ」
おいいいいいいいいいいいいいい!話聞いてたんか!
オレはこいつらの家とか街とか家族とか吹き飛ばしたんだぞ!一緒にいられる訳ねえじゃねえか!
「シオはお前達に家をぶっ壊したり街の人間を殺したりしたから、お前達といられないって言ってるぜ?」
「確かに、国崩しが行った殺戮は非道なものでした。ですが、国崩しというゴーレムが製作者の命令を受けて、実施したものと我々は認識しています。国崩しの意思はそこにはなかったとも」
「ってことだけど?お前暴れたくて暴れたのか?」
そんな訳ねえだろ!誰が好き好んで殺戮なんてするかよ!
「じゃあこいつらの言う通りじゃん?戦争して人を殺しても兵士が悪い訳じゃなくてそれを命令した奴が悪い訳だし。それと同じだろ」
例えそうでも、実際オレがやったことは事実だしさ・・・。
「なるほどね。お前人からの善意で辛くなったな?」
うっ。
「『国崩し』か、良くもまあそんな名前で呼ばれるようになったもんだ。中身はとんだ甘ちゃんなのにな」
ぬぐっ。
「その癖、辛くなって申し訳なくなって自分で壊した街の復興を手伝って?受け入れられたらその善意が辛くなったってか・・・お前、ガキだったんだな」
うぐっ。
「国崩しを悪く言うにゃ!こいつは同胞にゃ!こいつの悪口は誰であっても許さにゃいにゃ!」
「・・・だとさ。お前さ、罪悪感に押しつぶされてるみたいなこと言ってるけど・・・とっくに許されてるんじゃねえか」
許される訳ないだろ・・・。
「それはお前が自分を許してないだけだろ、えっと・・・アイレウスにゴートにテイツォだっけ?お前たちはシオの事どう思ってるんだ?」
突然話を振られて3人がお互いの顔を見合わせる。
アイがオレの顔に向かって言葉を投げかけて来た。
「国崩しは・・・師匠の仇だ・・・だけど、街を直してくれた・・・あのまま衰退の一途をたどる筈のグランフォールに立ち直るきっかけを与えてくれた・・・恩人だ。」
ゴートがオレの胸に手の甲を当てて言った。
「お前の気持ちも考えずに、勝手に街の復興に組み込んじまった。こうすればいいと、勝手に思って結論付けちまった・・・辛い思いをさせたに決まってるよな。すまん」
ゴート・・・。
「にゃーは・・・怒ってるにゃ・・・」
テイツォ、そうだよな・・・オレのせいでお前は葬式に明け暮れたもんな。一番人の死に際に立たされたのはお前だもんな・・・。
「そんにゃこと怒ってないにゃ!勝手にいにゃくにゃったことを怒ってるにゃ!にゃーは言ったにゃ!嫌なら嫌と言えと!嬉しいなら嬉しくするにゃと!悲しいなら悲しいと言えと言ったにゃ!」
え?
「にゃ?」
テイツォ・・・通じた?
「にゃ?今のが国崩しの声にゃ?」
聞こえるか?
「聞こえるにゃ!これで訳わかんにゃいヤツに通訳させずに済むにゃ!」
「訳分からないって・・・テイツォよ、主神の正当な眷属だぞ?雷鯨のセルジア様だ」
「雷鯨セルジア様?聖書に載ってる人にゃ・・・にゃああああああああああああああ!!!?」
「お、理解されたらしい。まあ今まで通りでもオレ様は構わんぞ」
「無理にゃ!黒コゲにされるにゃ!にゃーは死にたくにゃいにゃ!ももももも申し訳ございませんにゃ!にゃーは青の神官失格にゃ!神官やめるにゃ!」
「辞めた方が怒るぞ」
「うううううそにゃ!辞める訳にゃいにゃ!セルジア様万歳にゃ!」
「あはははは、こいつおもしれーな!」
「申し訳御座いませんセルジア様・・・あとできつく言っておきますので」
「いいって、オレ様は青と緑の眷属だ。自由が一番さ」
ああ、お前自由だもんなあ。
「にゃあ、本当に国崩しの声が聞こえるにゃ。にゃんでにゃ?」
「お互い本気で感情をぶつけたからじゃねえかな?念話のレベルは高くなさそうだが・・・まあ心が通じ合ったんだろ」
「にゃーは嬉しいにゃ。話せるのはいい事にゃ」
そうだな・・・テイツォ、勝手にいなくなって悪かった。すまん。
「にゃ・・・謝るくらいにゃら最初からしないでほしいにゃ・・・でも今回は大目に見るにゃ」
オレは恐る恐る、テイツォの首元を指で撫でた。
テイツォは甘んじてそれを受けると、とろけるような表情でこちらを見返した。
褒めたりするときは、こうすればいいんだよな?
「にゃ、そうにゃ。もっと丁寧にするべきにゃんだけど、許すにゃ」
セルジア達はオレとテイツォのやり取りに苦笑して、テイツォの顔を覗かないように背を向けた。
テイツォは涙を流していた。
オレの為に流してくれた涙だ。
オレはしばらく、テイツォの首元を撫でるのをやめられなかった。
念話は恥ずかしくて、つなげられなかった。
「なるほど、それでお金を稼ぎにブレードマンティスの巣にいらしていたのですね」
「そういうことだ。あそこの工房にオレ様達の仲間が一人待ってるんだ」
「しかし、ゴーレム品評会に国崩しが参加か・・・今年は荒れるな」
「むしろ荒れないんじゃないか?シオの一人勝ちだろ。こいつオレ様とガチでやって無傷だぜ?」
あれはガチじゃないだろう。少なくともセルジアは周りの人魚を傷つけないように加減してたじゃんか。
「いやあ、結構熱くなってたからなあ。比較的加減抜きの一撃だったんだぜ?」
お前やっぱ危険人物だわ。
「お前は危険物だろ」
んだと!?
「やんのか!?」
「なんで喧嘩になるにゃ。仲良くするにゃ」
オレの肩の上に乗ったテイツォが呆れて仲裁に入って来た。
「それとゴート、国崩しじゃにゃいにゃ。シオにゃ」
「おお、そうだな。シオだなシオ」
「アイも注意するにゃ。ちゃんとにゃまえで呼んでやるにゃ」
「わかったよ」
工房に到着する前に、扉が開いて清蓮が顔を出した。
「シオ様、セルジア様。おかえりなさいませ・・・えっと?」
「おう、戻ったぞ」
ただいま。
「そちらの猫人族のお嬢さんは、どこかお怪我でも?」
や、気が付いたら乗ってた。
「お嬢さん、降りなさい?シオ様のお肩の上に乗るだなんて恐れ多いことをするなんて・・・3枚に卸しますよ?」
なんか怖い事言い出した!
「にゃ!こ、ここはにゃーの特等席にゃ!!譲らにゃいにゃ!」
「その御方は水魔族の長にして7代目クラーケン様ですよ!あなたのような獣が尻を乗せていいお方ではありませんっ!」
「にゃ?シオはシオではにゃいのかにゃ?」
や、それには深い訳が・・・・。
「あんま深くないぞ」
「シオ様、その小娘を排除しますので動かないでくださいまし!」
「シオ~おにゃかすいたにゃ~」
「クラーケンって、あのクラーケンか・・・」
「さすがセルジア様の仲間、一挙手一投足に隙がない・・・歴戦の戦士のようだ」
うあ、なんか思った以上にまとまりがないぞこの集団。
と、とりあえず清蓮。換金に行こうか。
セルジアはどうする?
「オレ様はこいつらにお前のクラーケン話で盛り上がる事にするっ」
「ぜひ伺いたいですな」
「換金にゃ?ってことは買い物にゃ!一緒にいくにゃ!」
「冒険者ギルドなら自分も用があるので着いていきます」
テイはお留守番な。
「置いてけぼりにゃ!」
眷属様のご機嫌でも取ってろ。
「む、それは大事な仕事にゃ・・・」
「お前、厄介ごと押し付けてないか」
「まあまあ、テイツォがいると余計に時間を取られますから。アイ、適当に食い物と酒も買ってきてくれ」
ゴートがアイにお金が入っていると思われる革袋を放り投げた。
アイはそれを受け取ると、ゴートに視線を送る。
「セルジア様、相変わらずの食欲ですかな?」
「おう、人型の時はな!」
「アイ、使い切って構わん。持てるだけ持って来い」
「りょーかい。シオ、魔法の倉庫借りていいか?」
ああ、荷物持ちね?いいよ。
「皆さまセルジア様のお知り合いですか?」
ゴートってあの戦士風の男はオレとセルジアの共通の知り合いで、テイツォっていう猫人族とアイレウスっていうこの男はオレの知り合いというか・・・。
「仲間にゃ!」
そんな感じです、はい。
「そうでしたか、それでは今日は奮発して・・・奮発できますよね?」
しこたま狩って来たから出来ると思うよ。レート下がってなければだけど。
「では冒険者ギルドに行きましょうか」
「ええ、自分がいれば煩わしい受付パス出来ますよ」
「それは頼もしいですね」
んじゃいこかー。
清蓮とアイが冒険者ギルドの中に入っていって、オレは後ろから着いていくことに。床がフローリングだ、踏み抜かないように注意せねば。
早速清蓮が買い取りの話を行っているけど、どれだけの量があるかって?
この施設で広げたら他の客に迷惑をかける程度の量はあるなあ。
ざっくり250体分の鎌と死体は220体分くらいです。
清蓮がそのままの内容を受付で伝えると、受付の人が凍り付いていました。
横でアイが苦笑している。
まあ普通に考えて、ここで広げられる量じゃないもんね。仕方ないと思うよ。
清蓮とアイを連れだって、冒険者ギルドの横に建っている大きな倉庫に到着しました。
ここも結構にぎわってるね。あ、オレと同じゴーレムもいる。荷物運んでるのか、勤勉ですなあ。
ちなみに壁周りの素材と柱の金属の換金は見送る事にする。
今はレートが低いらしいのと、査定に時間がかかるそうなので却下だ。
「それではこちらで品を見させて頂きます。ブレードマンティスのブレードは1本に付き金貨8枚ですが、刃こぼれなどが確認できたものは5枚に減額されますのであしからず。ブレードマンティスの体は個体のサイズにもよりますが、10体に付き金貨1枚です」
「ええ、それではシオ様お願いします」
オレは頷くと、魔法の鞄からもそもそと今日の成果を取り出した。
アイがオレから受け取って床に並べてくれている。うむ、結構役に立つじゃないか勇者君。
しかし注目を集めるな。一度にこれだけの数を揃えるのは珍しいようだ。
「えっと・・・この量は・・・一体何日ブレードマンティスの巣に籠っていたのですか・・・」
「少々規格外のゴーレムと少々規格外の海人族がいまして、その二人で昨日の夜からさっきまで・・・」
「それはそれは・・・成果も規格外なんですね・・・しかもほとんど刃こぼれもしてないで、腕ごと・・・状態もいいですわね」
「ええ、連れて来た私が言うのもなんですが・・・規格外なので・・・成果も規格外なんですね」
「お、こいつばジェネラルマンティスのブレードか。シオ、これ自分が買ってもいいか?」
え?4本あるからあげるよ?
「シオ様はそれは差し上げていいとおっしゃってますが」
「いやいやいや、これ普通に売っても金貨100枚くらいしますから。買います買います」
100枚っていってもなあ。これ全部完品扱いならえーっと・・・いくらだ?
オレは倉庫の地面に指で計算をする、248本のうち244本が普通ので×8だから・・・金貨1920枚かそれに金貨300枚にマンティスの体の買取がざっくり金貨20枚。一本くらいいいんじゃね?
「計算が出来るゴーレムって何者?!」
「シオ様は勉学にも精通なされているのですね、素晴らしいですわ」
「お前頭いいのな。でもその字は見た事ないな」
ゴーレム式計算術です。
「ゴーレム式計算術らしいです」
そういうのは通訳しなくていいから。
「そうですか?」
「それで、買取は・・・全部完品のようですね・・・そちらのゴーレムさんのおっしゃる通り金貨2374枚での取引になりますが」
あ、じゃあこのぶっといのは1本アイに。
「ジェネラルの剣は1本アイ様にとおっしゃっています」
「有難うシオ。コレ目当てで自分は討伐隊に参加していたんだ」
セルジアの夕食代でいいぞ。
「セルジア様の夕食代でいいそうですが」
「や、それゴートさんのお金ですし。それでも全然足りてないですし」
そうだなあ。本当にいいんだけど・・・。
「わたくしから案が一つ」
なにー?
「ゴーレムに特に詳しい方を紹介して頂けませんか?聞けば評議会に依頼をかけて解析して貰うものがあるとのことでしたので、私達では相手を知ることが出来ても実際にお話出来るようになるには時間がかかりますので」
それいいね!清蓮に任せっきりだった事だけど、確かに知らない人にいきなり依頼をかけるより知ってる人から話を通して貰った方が断然いい!
「ゴーレムに詳しい人ですか?元々自分達もそういった人たちと話をするためにこの大陸に来ているので、その時に同行して貰うことは問題ないですが」
問題ないならそれで。
「それでお願い致します、とシオ様もおっしゃっています」
「品評祭の後になる予定ですからそれでもいいなら。それでも随分、というか・・・その程度では金貨100枚分の働きには・・・」
じゃあ残りは貸しで。なんかの時に返してくれ。金以外で。
「残りは貸しだそうです」
「貸し、か。わかりました、どんなことでも言ってください。力になりますから」
頼んだ。
「ではジェネラルのブレードを一つ残して、残りは換金をお願いいたします」
「分かりました。今ご用意いたしますのでお待ちください」
「では自分は食料と酒を買い込んできます。シオ、一緒に来てくれ」
あいよー。てか清蓮相手だと敬語なのにオレにはタメ口なんだなこいつ。
「注意しますか?」
そのままの方がいいです。
「ではまた工房で」
あいよ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる